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全国各地で甲子園出場を目指して熱戦が繰り広げられている。職場の隣に高校があり、朝から大きな声が聞こえてくる。午前中でも連日30度を大きく超えるこの時期に、十時になっても練習が終わることはない。指導している大人は大丈夫なんだろうかと心配になる。(今日は午後も練習をつづけていた。雷が鳴り響いても止める気配がない)
普通の知恵と知識があれば、早朝の4時か5時から始めれば疲労も少なく、その分練習の成果も高まるからである。暑い中、なんとか練習に持ちこたえるような環境で上達などできるわけがない。誰が考えても分かることである。と考えていたら、その指導者の目的が判った。彼は上達なんかとっくに諦めているのだ。要は高校生の道徳教育の一環なんだろう。いわば修行なのである。全国各地でこんな修業が行われているのである。その後援が朝日と毎日なんだろうと考えると合点がいく。朝日を拝んで毎日練習に明け暮れるのである。
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暑い夏に大会をやりたいのであれば、北海道でやればいい話だ。だが、暑くて高校球児の健康に害を及ぼす宗教的な臭いの強い甲子園球場を変える気はさらさらないようだ。徴兵制のない日本に軍事教練を思わせるような鬼指導こそが高校野球の本質だと、半世紀以上も前から私は考えているのだが、主催者の朝日・毎日はどう考えているのか聞いてみたい気がする。(体育の試験で「スポーツについて述べよ」という項目に延々と高校野球の批判を書いたので、てっきり不合格かと思いきや優良可の良だった)