♦4月11日 土佐清水港7:35出港~宿毛湾内16:05着岸 36.7㍄(68km)
朝、風の唸るような音で目が覚める。時計はまだ1時を回ったところ。外を見ると、強風が吹いていた。室戸ほどではないが、用心のため前方30mの岸壁から舫いを取る。ハルと樽フェンダーの間は、通常の筒形フェンダーをかました。4時頃には風も収まった。
目と鼻の先にあるガソリンスタンドで給油。ここはポリ缶での給油は消防署より禁じられているらしく、20リットルの金属製の缶を借りて2往復した。
係留した場所は海からの風をまともに受けるので、風の当たらない次の目的地行こうと7時半に出港した。港を出ると2メートル位の波が打ちよせていた。これくらいなら経験あるので強行する。波は2メートル以上になるも、セールで4、5メートルの風を受けてロングキールと相まって、上手い具合にヒールを少なくしている。 途中、沖ノ島辺りから波が荒くなり、風も強まってきた。12時に沖ノ島と小島の真ん中を抜けると、風は10メートルを優に超えた。セールのシートを弛める。風が強まりプレーニングのような(サーフィンしているような)走りになってきた。暫く走ったがこれではヤバイと思い、宿毛湾に逃げ込むことにした。湾の入り口の島陰で2ポンして3時に湾内に入った。
次の目的地カワウソ村海の駅に行くのは諦めて、宿毛港に係留場所を変更した。この湾内にはいくつもの定置網があり、行き先が解らなくなった。すると、1隻の漁船が湾の奥の方へ行くのでついて行ったが、直ぐに見失った。安易に追っかけて行って余計に方向感覚が狂ってしまった。島影に漁港のような景色が見えたので、速度を落として進むと前方に茶色い藻のようなものが見えた。これはヤバいと思ったら、ガガーと音がして停まった。岩礁に乗り上げたようだ。波に揺られて大きく傾くので急いでセールを下ろした。後退しようとしたがビクともしない。ヤバいぞという思いが頭を駆け巡る。何回目かの波で少し浮いたように思えたのでレバーを前進にすると進みだしたので、加速するとキーンという音とともにヨットが前に進んで岩礁を離れた。胸をなでおろし、ゆっくりゆっくり港の中に進んでいって岸壁に係留した。
岸壁では、岩場に乗り上げた話を聞いて、いろんな人が声をかけてくれた。夕方には、スーパーまで車で送迎もしてくれる。港の人はどこも心が豊かで落ち込んだ心を慰めてくれた。
手作りドジャーも雨の日には役に立つが、強風と雨には視界が悪くなって不安が増してしまう。