東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まってから、中国各地の日本人学校に石や卵が投げつけられていたが、北京の在中国日本大使館にレンガ片が投げ込まれていたことが分かった。(夕刊フジ)
2012年に重なるような反日運動の嵐だという評論家もいる。そして、その狙いが人民の抑圧された感情のガス抜きだと真剣に言われだした。中国人民はそんなに単純なのだろうか。答えは単純なのである。韓国の反日運動も似たようなものだ。日本人だって殆ど同じだろう。理性的に考えれば東京五輪だって福島原発事故復興と何ら関係ないのに、バカの一つ覚えの如く”おもてなし”が大流行になった。
今回の中国の反日運動は、日本が台湾に対する言動を抑制せず、日米韓の三国同盟に踏み込んだ政治的判断に対する習近平の断固たる対抗策であろう。それに加えて、若者の失業率20%ともいわれる不満のはけ口と恒大など不動産の総崩れによる経済破綻を覆い隠す狙いが透けている。
福島原発処理水の問題は国内でも評判が悪い。肝心の東電や関電など電力業者の数々の隠ぺいや不正行為は度を越している。それを統制できない政府の下での処理水放水は格好の餌食なのだろう。賢明な政府首脳であれば、先手を打って東電や関電などの不良会社をきちんと取り締まり、第三者の厳しい監視のもと公明正大に実施していたらつけ込むすきなどなかったはずだ。あまりに杜撰な原子力発電の環境が、国内外で信用を失墜していることこそが最大の弱点となってしまったというべきだろう。