ヒゲGの田舎暮らし日記「自遊空間」

第2の新世界に飛び出したオヤジがくりひろげる苦悩と笑い、喜び、ボヤキをお届けします。(編集長のひとりごとver.2)

映画「かぐや姫の物語」を観て

2013-12-05 22:27:29 | 映画
久しぶりにアニメ映画を観てきました。「かぐや姫の物語」
先日、職場の先輩で友人(団塊の世代)と呑んだ時、この映画が話題になりました。

高畑監督や宮崎監督はもっと先輩になるわけで、この人たちの世界観が気になりました。
で、私の記憶に合ったかぐや姫=竹取物語を呼び覚ましてくれた映画でした。

かぐや姫というと竹林で竹が光っており、それをバッサリ切るとかぐや姫が現れる。そして、大きく成長して、月にめされていく。そういう記憶しか残っていませんでした。
ところが、私たちが小さい頃はかぐや姫=竹取物語のお話を大人から、それとも本などで忠実に学んでいたことが呼び戻されてきました。「そうだ。そうだったんだ。」かつて、この物語をきいたことがある。。
記憶を呼び覚まされた感動がありました。かつて、頭の中にインプットされたかぐや姫の物語が浮かび上がった。

映画は「竹取物語」に忠実に再現し、自分の心とは裏腹の出来事に自分を嫁にという公達に私が欲しいならとその難しい課題を託す。帝に抱きすくめられたとき、ついに自分がどこからこの地にもたらされたものかを知り、月に救いを求めてしまう。「かぐや姫」をより現実の人間らしく、喜びも悲しみも描いていたのが良かったと思います。
野山を駆け巡っていた女の子がその運命故に高貴な階層の令嬢として処さなければならない葛藤などがうまく現わされていました。

なによりもアニメの画像です。
背景の水彩画と一体となったセル画。時には一つ一つ書き上げたと思われる絵が連続する場面もありますし、水墨画のような静止画もあり、かぐや姫が御殿を逃げ出し、田舎へ走る場面ではたくさんの鉛筆デッサンの筆致の林の中で白と赤の袴で走る動きは見ごたえがありました。




どういう風にセル画を描いたのだろうというくらい、鉛筆の荒々しいスケッチ、墨画のような筆跡。このあたりの輪郭の筆跡が魅力でした。実にその強弱が自然に現わされていました。
水彩画の背景・桜と一体となったかぐや姫が踊るシーンはどれだけ自然な雰囲気で私の目に飛び込んできました。

月からの死者の迎えも、あの雲の表現のしかたは独特です。阿弥陀様が中央に座っており、これも象徴的な描き方でしょう。

画像では刷毛のような髪のタッチの中島潔氏やいわさきちひろ氏をイメージさせるようなでした。
ところが、他に登場する人物は昔の老人の似顔絵のような独特にデフォルメされた驚くほど大きな顔。これがアニメです。
この作品に7年もの制作期間が費やされたというのもうなづけます。

音楽も独特的でした。「こきりこ」を想わすような懐かしい諧調。月の使者が迎えに来る時の中南米風のリズムの雅楽。

プレスコであてられたそうそうたる名優たちの声もこの作品を盛り上げていました。亡くなられた地井武男さんと宮本信子さん。途中から地井さんから三宅裕司さんに変わりましたが、声質はよく似てました。
他に橋爪功さんや伊集院光さん。

この映画は世界に出しても充分日本のアニメとして代表できる映画だと思いました。







最新の画像もっと見る

コメントを投稿