田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

「川端康成ー美と文学の森」展を観る

2017年05月25日 | 日々の出来事

 21日まで、久留米市美術館で川端康成の特別展が開催されていました。といっても彼が描いた絵の展覧会ではなく、川端康成に係わる美術の企画展です。 

  川端の文学と美とのかかわりというテーマでしたが、大変バラエティに富んだ展示でした。彼の自筆原稿や日記、初出誌のほかに、小説の挿絵や表紙絵の原画、彼と交流があった画家たちの絵画、彼の文学に登場する絵画など多くの絵画が展示されていました。

 点数が多かったのは東山魁夷、古賀春江、小磯良平などですが、ほかにも小林古径、岸田劉生、梅原龍三郎、青木繁、坂本繁二郎など美術展としても見応えがありました。

 驚いたのは彼のコレクション群です。土偶や埴輪からはじまり、明恵上人の断簡、文人画、小林一茶の俳画、ロダンの彫刻など多彩でした。国宝も数点ありました。ポストカードから2点紹介します。

 国宝「十便図:釣便」 池大雅 

 

  国宝「十宜図:宜秋」 与謝蕪村 

 両者とも折り本仕立てになっており、見せる画が数日おきに変わるので、全部見るためには何度も通わなければなりません。

 伊豆の踊子や雪国など彼の小説は若い頃に読みましたが、それほど深入りはしませんでした。画家の目は人を射すくめるような気がします。彼の目も似たところがあり、美術への関心も強かったようです。

 会場には彼が貰ったノーベル文学賞のメダルと賞状が展示してありました。ノーベル賞とは一生縁がないので、それを見ただけでも足を運んだ甲斐がありました。 

 美術館裏の菖蒲池では睡蓮が花を咲かせています。

  

  

  バラは盛りを過ぎていましたが、楽しみに訪れる人が多かったです。

  

  

 

 

 

 

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