田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

酒蔵開きでみやき町に

2025年02月12日 | 日々の出来事

 今月の初め、佐賀県みやき町の酒造で蔵開きがありました。県は違いますが筑後川を挟んだ隣町です。この数年、いまの時期に訪れています。 

 天吹酒造は元禄年間の創業。煙突のある古い酒蔵はいまは使われていません。右にある建物は製品倉庫で元は白米倉庫でした。この蔵元では自家精米をしているそうです。

 入り口では有料試飲会の受付をしていました。私は車で来ているので、そのまま母屋へ入ります。あちこちの蔵開きに出かけていますが、試飲をしたことはありません。

 試飲会場。テーブルには番号が振られており指定席です。30分ごとの入れ替え制で待ち時間は1時間ほど。それまで見学をしたりして過ごします。試飲をしない私の目的は向こうに見える冷蔵ケースの中身です。お目当ての銘柄が無くならないかと気にしながら、先に酒蔵見学をしました。

 中庭に出てきました。正面が現在の仕込み蔵です。2月には珍しく、前日は本降りの雨でした。この日は午後になって少し日が差してきました。

 昔の麹室です。いまは焼酎蔵として使用。ここは焼酎も造っているのですね。

 杉玉が下がっている仕込蔵。25年ほど前に梁と柱を残してリニューアルされました。酒蔵見学の集合時間までこの前でしばらく待ちます。

 蔵の上部には風神の鏝絵が飾られています。なぜ雷神はないのかと考えていたら、思い当たりました。この蔵元の名前にちなんで風神だけがいるのです。

 酒蔵を案内してくれた人は、いつもの杜氏ではなく女性でした。

 見学者用にいま仕込んでいる酒の種類が掲示されていました。この蔵元の特徴は、一般の酵母ではなく花の蜜から分離された花酵母を使用していることです。十数種類の花酵母が使用されています。

 貯蔵タンクが30基ほど並んでいます。一つだけ覆いを少し外してくれました。ただいま発酵中でピチピチと泡が立っており、ほんのりと甘い匂いが立ち上ってきます。心なしか花の香りのような気がします。

 槽搾りの機械があります。発酵を終えた醪を舟形の入れ物に入れて圧搾します。アルコールが抽出されて、残るのが酒粕。品評会に出すようなお酒は圧搾ではなく袋吊りでつくります。

 2階には昔使っていた木樽がありました。

 樽の内側が黒くなっています。火で焼いたのではなく、柿渋を塗っているのだとか。

 小さな樽は昔使われていた暖気樽。酵母の働きによりアルコール発酵が行われますが、その酵母を増やすのが酒母です。暖気樽に熱湯を入れて酒母の温度調整をしていたそうです。

 この日、私が買ったのは蔵開き限定酒です。純米酒で精米歩合は60%。ノンブランドで銘柄のラベルはありません。濃厚で旨味と風味がある、いましか飲めない酒です。

 

 

 

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1 コメント

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蔵・宮尾登美子 (アナザン・スター)
2025-02-12 09:35:20
映画やテレビではなく、小説に衝撃を受け、当時知人が居ましたので、見学させてもらいました。
入蔵前には、除菌し防除服を着て、長靴に履き替えて入室。
昔の木樽ではありませんでしたが、酵母のお喋りが聴こえました。

画像を眺めつつ、何十年へのタイムスリップです。
その後、松たか子・檀ふみ主演は、ユウーチューブで観ました。
烈の一途な生き方、胸に迫りました。
子役は井上真央。
文庫本で所蔵してます。
冬の時期、特に寒中の作業は、枇杷葉茶作りと似通います。

ありがとうございます。
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