お隣の筑後市へ行ったおりに水田天満宮へ参詣しました。由緒によると鎌倉時代の創建だそうです。市街地の一角にありますが、少し歩くと名前の通り田んぼの景色が広がっています。
太鼓橋を渡ると楼門と、その向こうに本殿があります。堂々とした天満宮です。
境内に「さざれ石」がありました。岐阜県に産出する石で石灰質角礫岩といい、石灰岩が長い年月の間に溶けて小石を凝結し岩になったものです。岐阜県揖斐町の「君が代」に詠われているさざれ石は、河川の浸食により地表に露出し苔むしているそうです。
心字池と神楽舞台
御籤売り場の脇に小さな参道があります。
末社の恋木(こいのき)神社です。
祭神は恋命(こいのみこと) 由緒によると本社と同じく鎌倉時代に鎮座し、恋木神社は全国でここ1社だけだそうです。恋木の「木」は東の意味。配流先から都を偲んでいた道真の霊を慰めようと祀られたと伝えられています。まだ新しい鳥居の、神社名を記した額束も形が違います。
ホームページにはご神紋はハートと書いてありますが、日本の紋でいうと猪目紋です。古くから寺社仏閣や刀剣の鍔などにこの紋が用いられてきました。恋木神社はいまでは縁結びの神様ということになって、境内のあちこちにハートマークがあります。
この神社は5年ほど前、NHKの「ドキュメント72時間」というテレビ番組で「恋に恋して バレンタイン神社」というタイトルで紹介されました。それによると毎年のバレンタインデーには千人を超える参拝客が来るそうです。また最近は異性に恋をしたことがない人が、理想の出会いを求め「恋に恋して」祈る姿が目立つとも。
恋など、もう私には縁がありませんが、前回来た時は若い人だけでなく年配のカップルもいました。いまは地元でも我が町を恋の町として売り出しており、末社ながら天神様より名が知られるようになりました。
緊急事態宣言も今日で解除されます。メディアはコロナ感染者が急減している理由を分析したり、第6波の到来を心配したり相変わらずです。全体的には歓迎ムードですが、これまでの経験からすると一時的な現象に過ぎないと思っています。ワクチンだけでなく、治療薬が開発されて初めて安心できるような気がします。
水田天満宮という名からして、こじんまりの神社かと思えば、ずいぶん立派で由緒有る神社なんですね。恋木神社とはまた、洒落た名前、バレンタイン神社と名付けられ、有名になっているんですね。毎度のこと、九州にも、歴史有る建造物や史跡が沢山有ることに、目から鱗・・になっています。
「バレンタイン神社」とはNHKが番組のタイトルとして名付けたもので、
いかにもマスコミ好みの命名です。
地元の市は観光面で「恋のくに」としてPRしており、
河畔の温泉を「恋ぼたる」と名付けたりしています。
道真公由来の神社が、名前の関係から縁結びの神様になりました。