大文字屋の憲ちゃん (当面は 石巻 地震) 

RIP 親父 けんちゃん 石巻 地震

20230806 石巻川開き祭り帰省03 ー灼熱(しゃくねつ)と強風のパレード フィナーレへー

2023-09-17 12:08:07 | 日記

 8月6日午前10時。川開き祭り3日目。この日も晴天でカメラの温度上昇が心配な激暑です。通りはパレードへ向けて七夕飾りなどの準備が進められています。沿道には見物の場所取りの人たち。

 仮面ライダーもパレードに向けて構えを整えています。これは真っ黒なライダーなので仮面ライダーブラックかな?(私はライダーには詳しくありません。V3までしか知りません。)

アイトピアに入りました。

この日はかなり風が強いです。

サブと市も元気そうです。

ホシノさんの角の建物には「たかの」さんという洋食屋さんが入っているようです。

橋通りです。

大文字屋です。

 こちらのキャラクターは知らなかったのですが調べると「イシノマキマン」というご当地キャラクター。そのまんまな名前ですがヘルメットの上の四角いものは「石」のブーメランで武器になるそうです。この武器は誰に使うのか?これ以上ツッコムのはやめておきます。

 こちらは「キッチンじゃがいも」さんが入っていたテナント。「キッチンじゃがいも」さんは2023年5月31日をもって閉店となりました。たいへん残念です。私の母とほぼ同じ年齢でお店を切り盛りされていたエネルギッシュなお母さん。まだまだお元気のようなのでまたあのピザを食べる機会をあればよいなと思います。まずはお疲れ様でした。現在入っているお店は不明ですがこの日「めだか」や「冷やし肉そば」を出していたので食べもの屋さんかな。

 生協の建物にはお化け屋敷が出ていてかなりの行列(50mぐらい)ができていました。今の時代に子供たちがお化け屋敷に興味を持つのも意外ですがもはや存在しないからこそなのでしょうか。私が最後にお化け屋敷に入った記憶は小学5年生ぐらい(1970年頃)で出てきたお化けに「怖くねーよ怖くねーよ」と言い張ってお化けに殴(なぐ)られました。たぶんそのお化けはバイトか何かで働いている人でバカにされたとお怒りになったのでしょう。それに懲(こ)りて私は以後こういう暴言を吐くことは慎(つつし)むようになりました。ハイ。生意気盛りだったのでしょう。昔はお化け屋敷以外にも蛇女(へびおんな)とかろくろっ首とかの所謂(いわゆる)「見世物小屋」がありました。蛇女などは実際には普通の中年の女の人がワイルドな恰好(素肌にヒョウ柄の毛皮と鎖を巻いたような…あくまでイメージです)をして火のついた蝋燭(ろうそく)のロウが滴(したた)るのを舌で受け止めたりまだ羽の生えた鶏(にわとり…生きているかどうか忘れた)の肉を噛みちぎってペッと客席に向かって吐き出すとか一種のグロテスクなショーを行っていました。小屋の前に張られた幕には体が蛇で顔が人間みたいなおどろおどろしい絵が描かれていたので表の絵と違うじゃんという騙(だま)された感があるのですがこういう強烈なパフォーマンスによってそれを打ち消すのが彼らの作戦だったのでしょう。ああいう人たちは日本の各地の祭りを回りながらあの商売をし旅から旅への暮らしを送っていたのでしょう。テキやさんも旅から旅の生活という点は同じですが元締めがいますからその点は見世物小屋と違う気がします。見世物小屋は旅芸人一座的なところもあってテキやの組織とは性質が異なるように思います。

 

 さあパレードが始まりました。まず小学校の鼓笛隊です。(実はカメラに問題が発生したため最初の中里小と釜小は撮影することができませんでした(動画には収録)。そういうわけで写真では向陽小が最初にきています。)それにしても鼓笛隊の演奏の音はなぜこんなにも胸に響くのだろう。その理由の一つは彼らの演奏がunplugged(アンプラグド…電気的に増幅されずに)ダイレクトに耳に飛びこんでくるからだろう。ドラム、シンバル、ピアニカ、タンバリン、鉄琴、トランペット、学校によってはトロンボーンやチューバなどもある。それらの音が全身に響き渡る。鮮烈。

途中強風で石巻まちの本棚(旧耽書房)前の竿竹(さおだけ)が根元から外れて倒れ七夕飾りごと回収されるハプニング。

 今年は特に鉄琴の音が印象的だった。ピアニカやドラムの音に絡(から)まるような鮮やかな金属音が金襴(きんらん)の如く旋律を彩る。それが心地よい。手に持つ逆三角形型の鉄琴グロッケンシュピールなのかそれともトライアングルなのか。視認できないが鼓笛隊の音色に華やかさを加えている。そして演奏する子供たちのはちきれんばかりの緊張感がその音に載り伝わってくる。今年も彼らは元気である。

 次のエイサーまで時間があるのでいったん宿に戻りランチタイム。通りにはパレードに備え待機する人の姿も。 

 

質のマルシンさんは中学時代にショーウィンドウに並ぶラジカセを見て憧れました。

 12時30分エイサー石巻がスタート。大太鼓の男性の雄壮な赤。小太鼓の少年の軽快な青。手踊り少女の可憐な赤と黄。小さなエイサーさんの可愛らしい紫。三線(さんしん)を奏しながら謡(うた)う地謡(じうたい)さん。大旗を翻(ひるがえ)す旗頭さん。顔を白く塗った道化役の京太郎さん。ダイナミックに太鼓を叩きながら舞い踊る躍動感に女性的な優しさ柔らかさが加わり京太郎の存在は踊りに奥行きを与える。たんなる踊りではなく祭りが神と繋(つな)がる時間であることを感じさせる。

たい平師匠の周りはいつも賑(にぎ)やかだ。

 少し時間が空いたので他のイベント会場を回ってみる。元気市場の隣の「かわまち交流広場」付近には複数のイベントスペースが設けられ行事がぎっしりである、市内各所で私設のイベントが行われているので川開き祭りのすべてを取材することは事実上不可能であろう。この祭りでは市民が参加し祭りを楽しみ倒しているのだ。

 ダイアナを熱唱するロックンロール爺(じい)の歌声が印象に残った。内田裕也が「石巻は英語で言うとロックンロール(rock'n roll…石の巻)だと言っていたのを思い出した。

去年まで大文字屋前に出店した楓楸栞(ふうしゅうかん)さんは今年はこちらに。唐揚げが美味しいと人気だそうである。

鼓笛隊の午後の部がスタート。

 鼓笛隊の行進がストップし緊急車両の音が。立町通りの駅近くで急病人が出たらしい。時刻は14時。暑さがマックスの時間帯。熱中症であろうか。炎天下のパレードなので鼓笛隊や踊りのメンバーにミスト(霧吹き)でクールダウンさせる係の人が飛び回って忙しいのであった。

 アイトピアのまきいし前で七夕飾りが強風に倒れる。今年はハプニングが多い。こういうハプニングはお祭りらしくて個人的には好きである。

鼓笛隊のバトントアラーも強風でバトンを飛ばされている人が目立った。暑さと強風との戦いで子供たちも大変です。

鼓笛隊のしんがりは鹿妻小。

石中の吹奏楽部。中学の吹奏楽部は石中以外にもあるだろうから他校の参加も見たいものだ。

 パレード後半の目玉である「ものうはねこ踊り」。例年に比べて少人数に見えるが今年もエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれた。この踊りは桃生町に伝わり或る資料によると「民族芸能としては全国に類のないリズミカルな跳躍調で,打ち囃子(うちばやし)・献(けん)囃子(はやし)・馬鹿囃子(ばかばやし)の三つの囃子からなる豊年踊りとして伝わり,2009年に県の無形民俗文化財に指定されています。」とのことである。石巻=港町とはよく語られるが2005年の平成の大合併で新制の石巻市となった桃生町はこの伝統行事からすると「農」の町である。昔つまり私が10代までを過ごした(1970年代までの)石巻は石巻の周りに郡部があってその郡部から石巻に多くの買物客が訪れ私の実家もその周辺のお店もそういうお客さんをお得意さんにしていた。当時はたしかに石巻は「港町」であり郡部の「農村」から石巻という「街」に人が集まるという構図があった。広域化した石巻ではそれらの郡部と合併して新制石巻市となりそれによって石巻はより多面的な町になった。合併した6つの町のうち牡鹿町と雄勝町は「海」の町であり河北町・河南町・桃生町の3町は「農」の町である。(北上町は「海」と「農」の町である。)川開き祭りで「ものうはねこ踊り」が演じられることは新制石巻市が「農」の顔を持っていることを象徴している。

 東松島のひょっとこ連。といっても今回初めての参加ではないでしょうか。ひょっとこのお面をかぶり踊りながら練り歩きます。見る人を楽しませ踊る人の健康にも良いとのこと。

元気市場で休憩しているとたい平師匠現る。ここでもサービスの記念撮影。充実してます。

 *     *     *     *     *

 この後時間が空いたので小中の同級生平塚たつ也君の家に顔を出し小一時間ほどお母さんとお話をしてきた。はじめ不在だったので昨年と同様近所の知人宅にいるかと思い訪ねると案の定であった。自宅に戻り話を聞くとこの知人は近所の一人暮らしの高齢女性で認知症でもあるので昔からの馴染みであるし自分も同じ一人暮らしであるので一日数回訪れて面倒を見ているとのこと。お母さん自身は一応元気だが病院へ行くときに一人で行くと「えっ! お一人でいらっしゃったんですか」と病院の人に驚かれるそうである。80代後半の女性ともなると病院へ行くのにも誰かが付き添っているのが普通であるからだ。たしかにそう考えるとたつ也くんのお母さんもさりげなくタフだなと思う。認知症の知人の世話でストレスをためることも多くその愚痴も多かったが愚痴が出るのも元気な証拠だと思いながら私も小糸ばあさんの認知症期の経験を話しながらたつ也くんとの思い出話に花を咲かせたのであった。

    *     *     *     *     *

 18時。祭りのフィナーレを飾る大漁踊りがスタート。各種団体が思い思いの装(よそお)いで大漁唄い込みに合わせて踊ります。思い思いの装いと言っても浴衣か法被(はっぴ)がほとんどですが。いずれにしても集団盆踊り行進といっていいもので踊りの巧拙を競い合うのではなく踊りを通して祭りに参加するのが本旨というまさしく参加することに意義があるとするオリンピックの精神が宿っているかに思われるプログラムなわけです。団体ごとの参加ですがあくまで個々が思い思いに自分なりに楽しく踊る。そのユルさがこの大漁踊りの素晴らしいところである。

 このユルい大漁踊りの中にも少量のスパイスが投じられる。立町通りの三か所で唄に合わせて太鼓を叩く三人の男性である。彼らは間違いなく毎年この役を担っている。そしてその装いと態度から見て明らかにこの時を楽しみしている。待ち焦がれている。

 そして踊り手にも少しだけ工夫がある。東北電力の踊り手たちは腰に鈴をつけている。踊る際にほんの少しジャンプするタイミングでその鈴が一斉に鳴る。かなり間隔が空くのでなかなか気づかないが同じ旋律の繰り返しの中に入るほんの一瞬の鈴の音が清涼さを覚える隠し味となっている。

 祭りは終わった。18時58分のアイトピア。まだ提灯は点いている。名残り惜しさと寂しさと安堵(あんど)感と。私は子供の頃家でお祭り男と言われた。川開きになるとどこへともなくいなくなりふっ飛んで歩いていたからだ。おそらく今もそれは変わらないのだろう。100回を数えたこの祭り。堪能したな。花火大会も本当にお腹いっぱいだったし鼓笛隊もエイサーもはねこ踊りも見られたし。来年も今年同様の仕様で行われるのだろうか。花火は震災前の規模に戻ったというが来年も同じように開催されるのだろうか。ポスト3.11の道をこの町はどう考えているのだろうか。そんなどうでもいいことをぼんやり思いながら祭りの後の夜の街のさんざめきの中を私は宿への遠回りの道を選びながら歩き続けた。

 

 

フォトアルバム 20230806 石巻川開き祭り帰省03 パレード

 

動画 20230806 石巻川開き祭り帰省04 パレード

 

 

 

付記1

 イシノマキマンとは? → イシノマキマン 宮城県石巻市 復興応援  (魚拓)

 

付記2

 キッチンじゃがいもさんの情報

 開店時の情報です。  → キッチンじゃがいも 石巻マンガロード (魚拓)

            → Kitchenじゃがいも としぞうの、食べるために生きよう♪ (魚拓)

自作の薪釜で焼くピッツァ~「石巻市のキッチン じゃが芋」~

 閉店の情報 → 【石巻】『キッチンじゃがいも』が2023年5月31日に閉店! いぐすぺ!MIYAGI (魚拓) 

 

付記3

 お化け屋敷についてはメディアでもいろいろと取り上げられていました。

 → おばけ屋敷でまちづくり㊦ 石巻Days(石巻日日新聞社公式) (魚拓)

 → 安全第一に 怖い、楽しい 石巻青年会議所 名物「お化け屋敷」復活 (魚拓)

 → 石巻の夏、弾ける 孫兵衛船競漕決勝やお化け屋敷 川開き祭り最終日 河北新報ONE LINE 

 こちらのブログには震災前の2009年にお化け屋敷が出ていたことが記されています。平成の時代にも石巻川開きにおいてお化け屋敷は定番になっていたようです。あな恐ろしや。

 → オンデ・オンデってなぁに ? 石巻川開き祭り  お化け屋敷編 (4) (魚拓)

 

付記4

 「かわまち交流広場」は「石巻市かわまち交流センター」の敷地内のイベントスペース。「石巻市かわまち交流センター」は市の施設で「市民や観光客の交流及び観光案内」の場として設けられたとのことです。 

 参考記事 → 石巻市かわまち交流センター(かわべい) (石巻市HP) (魚拓)

 

付記5

 ものうはねこ踊りは文字通り「桃生町」の伝統行事で毎年9月の第2週にこの踊りをメインとしたフェスティバルが植立山(うえたてやま)公園を会場に行われています。下の記事は2016年のものですが以降も毎年大々的に行われております。

 参考記事 → ものう ふれあい祭2016 はねこ踊りフェスティバルin桃生 (みやぎ観光復興支援センター スタッフブログ) (魚拓)

 

付記6

 東松島ひょっとこ連は「石巻地方の東日本大震災被災者のために入場無料の芸能祭を開催している東松島市赤井のボランティア団体「ひがしまつしまサンフラワー」の三浦敦夫代表(70)がテレビで見たひょっとこの番組に感銘を受け、昨年9月、めいの斎藤裕子さん(59)=石巻市湊=と立ち上げた」そうです。(年齢は取材時のもの)

 引用元 → ひょっとこ連 東松島 (魚拓)

 

付記7

 今年の川開きで「3日間の人出は27万6000人(主催者発表)」だったそうで震災以降では最多だそうである。

 → 熱気、躍動 石巻沸く 川開き祭り閉幕 来場27万6000人、震災後最多 (いしのまき河北)

 

付記8

 今回の帰省では反省点が二つある。一つは新調したカメラについて。同メーカー同ブランドだったことで油断し準備不足があったこと。機能と取り扱い方法についてもっと確認しておくべきであった。もう一つは日程の問題。旅行の出発の際は前日はだいたい準備に追われるのでもう一日休みを多くとっておくという余裕をもったスケジュール設定が必要だがそれを忘れて旅行前の休みを一日しかとらなかったため出発当日ほぼ徹夜状態となり石巻到着時点でヘロヘロになっていたこと(4日夜の爆睡でかなり回復したが)。こういう睡眠不足は旅行中に取り戻すのは難しいため以後十分気をつけなければならない。

 

付記9 夏の夜に聴く歌

Mr. サマータイム - サーカス

フィーリング   ハイ・ファイ・セット   ( 字幕あり )

One Afternoon By The Sea / Umi Wo Miteita Gogo

 


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