NPO法人 太陽と水と緑のプロジェクトのブログ

太陽…ソーラーパネルとLEDの普及 水…飲み水と農業用水の確保 緑…安心安全な農業・食物とエコロジーで持続可能な社会

「常に貧しい人たちの視点から考える」

2015-09-23 | 活動報告

インドから帰国して最初にしたこと。

 

今回の滞在中にすすめた私たちの改良版LEDランプと

それに使うコントローラーなどの設計製作。

 

現地と連絡を取り合い、いまもすすめています。

 

改良版を作っている理由は、

「価格は安いままで、もっと明るいものが欲しい」

という村の人達からの要望に応えるため。

 

一般的に自動車や船舶では12vが使われているなか、

私たちは6vのスクーターに使われる6vの小さなバッテリーを使います

 

私たちが6vで考える理由

それは、

「貧しい人たちでもソーラーパネルの恩恵を受けられるようにするため」

 

そのためには、コントローラーやLEDランプなど

すべてのシステムを6vに合わせて自分たちで作る必要があります。

これは簡単なことではないけれど、

何度も何度も試行錯誤を重ねた結果、

いまようやくインド国内ですべてを供給するめどがたってきました。 

 

ソーラーパネルは、確かに再生可能エネルギーとして有効なものです。

しかしながら、依然として、”値段が高い”という問題があります。

 

お金に余裕のある人たちだけがその恩恵を受けるのではなく、

誰でもが手に入れられるエネルギーを届けるための工夫を重ねています。

 

 

そして帰国してから力を入れているもうひとつのこと

オーガニックや有機農法など、

”安心で安全な食べ物”についても同じことが言えます。

 

いま売られているオーガニックの製品は、

「有機」を強調して値段を高くして

ブランド化しているようにも感じられます。

経済的にゆとりのない人にとって

簡単には手の届かない価格で売られている状況であると言わざるをえません。

それは、日本でもインドでも同じことです。

 

私たちは、誰もが安心で安全な食べ物を手に入れられるような様々な方策を模索しています。

 

私たちが6月に見てきたヨーロッパの国々では、

その価格の差は、20~30%ほどで売られていました

 

 

一般のスーパーでも、BIOと呼ばれ他の商品と一緒に並んでいて

消費者は、その価格を比べながら買える環境ができていました。

 

それらの国においても価格が高いのは事実ですが、

日本ほどではありません。

 

私たちは、誰でも…経済的にゆとりのない人たちでも、

安全で安心な食べ物をどうやったら容易に手に入れることができるようになるか

そのために活動しています。

 

具体的には、

1.インドから有機で作られた大豆やソルガム(たかきび)を

  どうやったら日本で広めることができるかについての話し合い

 

インドで有機の作物を作りそれを日本で広めること

それは、同時に、農村で生活する人たちの新たな雇用の場になることを願っています。

 

2.春から私たちが長野で続けている畑づくり

 

農薬や除草剤、化学肥料を一切使わない農業を、

知識だけでなく、その大変さを実際に自分たちで体感しています。

 

「常に貧しい人たちの視点から考える」

これは、私たちNPOが大事にしている原則のひとつです。


AmbedkalnagarでLED取付け/Laxmiagarで子供たちと一緒に勉強をしました

2015-09-02 | 活動報告

 

インドに深くかかわるきっかけとなった

Ambedkalnagarのスラム

プネ市の東にあるここは、スラムのなかでも特に貧しいところです。

はじめて訪れた2006年のときには、

電気が全くこない家が多く、

トイレや下水道もない、

水はスラムから離れた場所まで汲みに行かなければなりませんでした。

 

この10年間、インドに来たときには必ず訪れていたこの場所も、

急速な街の発展とともに変化の波が押し寄せています。

 

いちばんの大きな変化は、手押しポンプの井戸がスラム内の数か所に作られていたことです。

以前は、入り口にたくさんの蝿が飛んでいたのも、

下水道の工事がされたおかげでかなり改善されていました。

 

今回も、いつも訪ねるおうちへ、LEDランプの状況確認もかねて訪ねました。

なんと、2月に新しく取り付けたランプは、

現在すでにつかなくなっていました。

 

ソーラーパネルは正常、原因はコントローラーの接続でした。

 

早速、応急措置をして、新たに改良したLEDランプを付け直しました。

いつもながら、近所の子どもたちも一緒に、みんなでわいわい一緒に共同作業です。

 

点灯したLEDの灯りに、子どもたちの表情もいっそうきらきら輝いていました。

 

 

そして、もうひとのスラム、プネ市西部にあるLaxminagar slumは、行くたびに、その姿を変えています。

中心をはしる道路の両脇には大きくて立派なバイクがたくさん停められ、

新しく増えたお店にはたくさんの商品がならんでいます。

スラムの中には家々がどんどん新しく建てられたり綺麗に改装されたりしている光景も目に付きました。

 

人ひとりがやっと通れるくらい道の奥にある”Khelghar”の教室では、

この日2学年から3学年合同の20名くらいの子どもたちが勉強していました。

来年私たちが招き日本を訪れる予定の先生を中心に、

2名のボランティアの先生がそれをフォローして、

子どもたちの勉強に向かう姿勢を育てるためにいろんな工夫をしていました。

 

私たちも、小川高校の生徒さんたちが作ってくれた新聞スタイルの教材を使って、

一緒に勉強に参加させてもらいました。

   

 

高校生たちが思い思いに考えて作ったこの作品。

カラフルな写真やイラストの横には、日本語・英語・現地の言葉であるマラティ語の3か国語で書かれています。

みんな、習い始めたばかりマラティ語の部分を指でたどりながら楽しそうに読んでいました。

ウルドゥの学校でも使わせてもらったこの作品。

日本の高校生たちが作ったものが

遠く離れたインドで子どもたちの学ぶ意欲を掻き立てるのに活かされる姿が実際に見られてとても嬉しい思いです。