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「残されたつぶやき」山本文緒

2023年10月27日 | 本 レビュー

「残されたつぶやき」2022/9/21

山本文緒

2008年から2021年までの13年間にSNSでつぶやいた日記や、

多くの新聞や雑誌に寄稿した書籍未収録のものを中心にまとめた珠玉のエッセイ集。

 

山本さんのSNSのつぶやきは、なんだか親近感があって

言葉遣いとかなかなか面白かったです。

 

つぶやくのも難しい

2010.5.28

(本文より)

ここでツイッターの愚痴を書くのもどうかと思うけど

なんだか溜まったので書いてみる。

人にいやな思いをさせないように、そして自分がいやな思いをしないように

わりと気をつけてきたつもりだったのだけど

ここにきて続けざまに二人の人に

「フォロー外しやがってなんだよテメー」(意訳)みたいな感じでからまれてしまった……

 

あーあ、面倒くさいっす。せっかく楽しかったのになあ。

久しぶりの日記なのにしみったれててすいません。

天気もいいし働こう!

(本文終わり)

 

山本さんはツイッターやミクシィ、note,インスタグラム、フェイスブックなど

SNSをいろいろやっていたらしい。

確かに「面倒くさいっす」って思うことありますねぇ…

私は数年前にLINEをやめました(* ̄▽ ̄)フフフッ♪

 

さくらおばさんのこと

2018.3.28

(本文より)

1年前の今日、飼い猫さくらが亡くなりました。17歳でした。

さくらはただの三毛猫なのですが、私にとって、親友で姉で妹で娘で、母親みたいな

恋人みたいな存在でした。

いなくなってしまって淋しいです。

でもさくらと過ごした楽しい時間や、ほわほわであったかい体の重みは

私の生涯でものすごく貴重な宝物になりました。

この先猫と暮らす日が再びくるかどうかはわかりません。

でも猫や犬や、小さな生き物が私は人間よりも好きなことは確かです。

(本文終わり)

 

うんうん、私も同じです。さくらちゃんが亡くなった2017年に私も愛猫を亡くしています。

「みみ」と言う名のアメリカンショートヘアの女の子で、

生まれて初めて飼った猫でした(享年14歳8か月)

山本さんと同じで、「みみ」は、親友で姉で妹で娘で、母親みたいな、恋人みたいな存在でした。

辛いことがあると「みみ」を膝にのせて悩みを聞いてもらっていました。

亡くなってからは、重症のペットロスになり、2017年は私にとって辛い年となりました😿

 

あと、山本さんの上記の文の中に、「猫や犬や、小さな生き物が私は人間よりも好きなことは確かです」

と書いてありますが、こういうことをサラッと言えるのもすごいなあと思いました。

実は私も同意見ですが、なかなか人前では言えないです...

近況 インスタよりあさイチの件

2020.12.22

私はほとんどテレビをみないので知らなかったんですが

山本さん、NHKのあさイチに出演されたんですね!

出演後、私の人生はここがピークだったのではないかというぐらいの幸福な出来事だった

と言っています。

そして録画してあったものを観て..

(本文より)

「ああこれは私がヨボヨボのおばあちゃんになったとき、

死ぬ間際まで誰彼構わず自慢しまくるであろう最高の出来事だったなと実感が湧きました。

皆さま、本当にありがとうございました。」

(本文終わり)

「ヨボヨボのおばあちゃんになったとき」という言葉、まだまだ生きる予定だったはずなのに、

うーん、言葉が続かない(悲)

本の最後の方には、第16回中央公論文芸賞(受賞作『自転しながら公転する』新潮社)の

受賞の言葉が載っています。

山本さんの著作リストや、年表もあって興味深く拝見しました。

 

昔読んだ山本さんの本の数々を今読み返すと、若いころに読んだ時とは全く違った感じ方をして

読後感は悪いけど、確かにそうそうハッピーエンドになんてならないよね、人生って・・・

登場人物の性格が嫌いだわあと思っていた割に、自分にもそういう面って確かにあるし・・

なんだかんだ、もうピュアではない私は、それだけ年を取ったということでしょう

 

 

 



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