気ままな旅

マイカーでの気ままな旅で、束縛された予定や時間にとらわれない、自由奔放な行動をとる旅の紹介です。

犬鳴山の紅葉と深い感銘の滝修行の女性たち

2009-12-13 08:59:42 | 気ままな旅
 2009年12月1日(火)今朝は6時半頃に目覚め、いつものように妻と二人、団地内のウオーキングに出かけて行った。
 少し冷えているが、最近の異常気象のせいか、今年も比較的温かい日が続いている。
 今日も上天気で、空は晴れわたり、青い空が一面に広がっている。
 ウオーキングコースからは、淡路島や大阪湾が一望でき、西方向には六甲山系の山陵が横切り、手前には神戸の街並みの白い建物が見えている。
 その手前には、りんくうタウンの超高層ビルなどの近代的な建物が見え、その後方には、関西空港の横に広がった白い屋根が輝き、時々、飛行機が飛び交うといった絶好の景観をかもしだしている。
 特に、ここからの夜景の美しさも抜群で、遠くに見えている明石海峡大橋のライトアップ時は、関西空港や神戸の街並などと共に、一層の夜景のすばらしさを見せてくれる。   
 私達が行うウオーキングコースは、5kmぐらいで一時間弱で自宅に帰ってくる。
 しかし、今日はあまりにも天気が良さそうで、じっとしているのがもったいないような気分になってくる。
 妻と相談して近くにあり、日本最古の霊場として知られいる犬鳴山の紅葉を見に行くことにした。
 早速、妻が弁当を作り11時前には、カメラを持って出かけて行った。 
 
 犬鳴山には、粉河街道と呼ばれる道路に入り15分ほど行くと、大阪の奥座敷として知られている犬鳴温泉に到着する。

          
             粉河街道沿いにあるバス停「犬鳴温泉」の紅葉

 犬鳴温泉のバス停の手前から、横に入り、犬鳴川の不動谷と呼ばれる渓谷があり、渓谷には数多くの大小の滝がある。
 その中でも七宝龍寺といわれる七つの滝が有名であり、渓谷沿いには、修験道霊場への参拝道が整備され、渓谷の美しさと共に、大小多くの伽藍が建てられて祀られている。

           
      紅葉の犬鳴温泉を歩いてくるカップル 犬鳴川に架かる橋周辺の紅葉

         
            入り口にある「名勝犬鳴山」の石碑近くの紅葉

 私どもは、名勝犬鳴山と彫られた石碑近くに車を止め、渓谷に入って行く。
この近辺もご覧のような紅葉が見られ、私どもの目を楽しませてくれる。
 参道に沿ってさらに進んで行くと、数人の70代と思われる方々が、参拝を終え元気に下山してくる。
 橋を渡り少し進むと、行者尊の碑があり、行者尊さまが、訪れる人たちを雨量無辺の慈悲の御心で私達を迎えてくれている。
 参道はさらに谷深い渓谷の坂道にさしかかり、坂道から幾つかの小さな滝が見えている。
 さらに坂道を登って行くと、真正面に両界の滝が見え、その奥にも小さな滝が流れ落ちている。
 両界の滝は、金胎両部の二瀑を併せて呼ばれている滝である。
 この近辺は、紅葉する樹木は少ないが、滝周辺の岩場に積もった落ち葉が滝の景観と共に、晩秋の風情を感じさしてくれている。 

          
             数段の滝から構成されて呼び名がついた両界の滝

          
両界の滝を構成している二つの滝と、周辺に降り積もった落ち葉が、晩秋の風情をかもし出している。

           
           山門へと続く落ち葉の参道   紅葉に包まれた塔の滝

 さらに晩秋の景観を楽しみながら参道を進んで行くと、樹齢何百年かの老大木が生い茂り、落葉が地面を覆っているが、参道はきれいに清掃されている。
 暫く進むと鮮やかな朱色の山門が見えている。この周辺の紅葉した樹木も多く、一層の晩秋の季節と美しさを感じさせ私達を楽しませてくれる。
 赤い山門を過ぎると、古い境内のような苔に覆われた平地があり、その上には紅葉した樹木が覆い茂っている。
 こうした樹木の落葉が、緑の苔の上に覆いかぶさり、晩秋の季節ならではの見事なコントラストを見せ、より強調した風情を感じさせている。

          
朱色の山門を過ぎた所にある紅葉の樹木と、落ち葉が美しい、この季節ならでわの景観を見せている。

          
 古い境内へ上がる石段と落葉の見事な景観が、晩秋の季節の風情を一層感じさしてくれる。 

          
               犬鳴川の渓谷を包み込むような紅葉 

 山門周辺の、見事な晩秋の景観に余韻を感じながら、参道を進んで行くと、赤い欄干の橋が架かっている。 
 この橋の中央からも、紅葉した樹木が谷を覆い被さるようにして、渓谷美を一層豊かにしてくれている。
 橋を渡り、さらに進んで行くと、参道の両脇に赤い幟がたてられ、正面に鳥居が見えてくる。
 鳥居をくぐると、そこは護摩大霊場で、中央に鉄製で出来た護摩の焚き場があり、その奥には行者尊が悠然と座っている像がある。
 その像の横には、記憶力増進に御利益がある虚空蔵菩薩や、本尊の阿弥陀如来などの菩薩さまが祀られている。
 大護摩の霊場では、火の神が煙と共に供え物を天井に運び、天の恩恵をあずかったり、心の中にある煩悩や、業に火をつけ焼き払う護摩祈祷の行事が定期的に行われている。

          
               護摩祈祷が行われる大護摩霊場周辺の紅葉 

 護摩祈祷の大霊場を過ぎると、赤い欄干の明神橋が架けられ、橋を渡っていくと、発展繁盛の守護と、中風除けの守護である神明大権現が祀られている。
 周辺には開運の神である出世稲荷大明神、無病息災を祈る岩屋不動尊などが祀られている。
 さらに参道を進んでいくと、塔の滝が紅葉の枝間に、女性的な美しい姿を見せている。
 滝を過ぎて暫く進むと駐車場があり、参道側には、弘法大師自作の十一面観世音菩薩が祀られているお堂がある。
 その横には、願望や繁栄にご利益があるといわれている、女性の弁財天像が立てられている。
 
          
         弘法大師の十一面観世音菩薩堂や弁財天像周辺の紅葉

 参道に出来た赤い鳥居を通り抜けて進んで行くと、癌除けお岩竜王、お志津地蔵堂などがたてられている。
 さらに進んでいくと、鐘楼があり、その奥には巨大な不動明王が立てられている。

           
 護摩霊場に立てられているが、あまりの大きさに圧倒される身代わり不動明王

 護摩霊場の正面には、ご覧のような身代わり不動明王が立てられ、左右には幾つかの像や、伽藍、休憩所などが造られている。
 犬鳴山の本尊である、倶利伽羅大竜不動明王は、今から1300年前に開山、役の行者さまが、奥の滝において祈りだされた、威神力明王で、古くから命乞い不動、運気の守護神として霊験あらたかな不動明王であると言われている。
 犬鳴山修験道は、この大滝不動明王を山修行のご本尊にいただき、修行体系を伝承していくに重きをおいた修験集団である。
 護摩霊場から、弘法大師が七飛瀑に、七福神を祭祀された七福神堂の前を通ると本道に向かっての石段がある。
 石段の横には広場があり、水掛不動尊像や清め尊像が祀られ、その奥には布引の小さな滝が流れ落ちている。
 また、心身堅固に身を守ってくれる ぼけ除け不動尊や、生まれ年によって先天的な性格や、宿命的な運勢に併せて、それぞれの守り本尊である十二支本尊の像も祀られている。
 本堂の石段を登って行くと、正面には当山に出現した倶利伽羅大竜王像がある。
 その横には本堂があり、入っていくと犬鳴山を訪れた方が必ず参拝する本堂拝殿がある。
 本堂で拝殿をすませた後、その奥にある行者の滝を目指して向かって行った。
 本堂横には小さな滝があり、その周辺にも紅葉が進み、美しい晩秋の風情を感じさしてくれる。
 参道を進んで行くと、滝の手前に赤いお堂が見えてくる。
 すると女性達のかん高いお経を唱える声が、渓谷にこだまして聞こえてくる。
 「滝修行をしている」 と思って急いで近づいてみると、白い装束に実を固めた数人の女性達が滝修業を行っている姿が目に入ってくる。
 私にとって、はじめてみる修行の光景で、なんだか自然と胸がわくわくしてくる。

          
  紅葉した渓谷から見る赤いお堂と赤い欄干の橋、その奥には行者の滝がある。 
 犬鳴山七宝龍寺内にある行者の滝は、霊力ある御滝として全国各地から禊に訪れる人々が後を断たないといわれている。
 今日は12月1日、コートやジャンパー無しではいられないような冷たい気温である。
 白い装束のみで、冷たい水に打たれる滝修行、私には到底出来そうもない荒行を、目の前で5人の女性達が行っている。
 通常、修験者と呼ばれる方々は、滝修行のほか、火を焚く護摩行や、大地を歩く回峰行の三行を中心に修行されているようである。
 この修行の目的は、主に自分自身と向き合う、自己探求を修行ということで求め、静かな大自然の中で、一心に自然のエネルギーを全身で浴び、パワーをいただいているように感じる。
 
          
            師走の季節に滝修行の厳しい荒行をする女性達

 滝修行の女性とその下で、一心に祈りを捧げ、全身から沸いてくるような声でお経を唱える指導者の女性と、女性修行者が滝に打たれる順番を待っている。
 滝修行を終えて下りてくると、次の女性が指導者に連れられて、修行する場所まで、備えつけられた鎖をもって移動し滝修行を行っている。

           
  滝修行の前には必ず、大きな声で活を入れる女性の指導者 滝修行をする女性

            
 身も凍えるほど冷たい水の中での滝修行の女性 修行の様子を常に見守る女性指導者 

          
           修行を終えた女性達は近くにある礼拝堂に参拝する

 厳しい荒行の滝修行、修行を終えた後、指導者にあたる女性の方たちとお話しすることが出来た。
 彼女達は、8年以上も前からこの滝修行は行っているようで、お正月の元旦以外の月には、毎月行っているとのことであった。
 次の滝修行は、ニ月一日の厳寒の時期に行うとのことであった。
 指導者の方の修行中の厳しい顔と、修行を終えた後、私達と話し合っている顔が全く違って見えてくるのには驚かされる。
 やはり、修行の後の柔らかな顔からは、どこにそんなパワーがあるのかと感じるほどで、私の質問にも、気軽に笑顔で応じてくれている。
 それに、滝修行を終えた皆様のすがすがしい姿には、女性的な魅力が一杯詰まっているように思えてならなかった。 

          
               訪れた人たちが必ず参拝する本堂拝殿 

 紅葉を見に久しぶりに訪れた犬鳴山、例年だと紅葉のシーズンは過ぎているが、温暖化の影響があるのか、師走の今日でも十分に渓谷の紅葉を楽しむことが出来た。
 特に今回は、思いもかけない滝修行の場面に遭遇することが出来て本当によかった思う。
 始めてみる滝修行の光景であるが、これほどの厳しい自然相手の荒行を、女性達が行っていることに対して感銘を受けると共に、実行する心のエネルギーの大きさに驚かざるを得なかった。
 そして、修行を終えた女性達のすがすがしい姿も、犬鳴山の紅葉の渓谷美と共に印象的で、深い感動を感じてならなかった。   


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