昨日、大阪都構を問う住民投票の結果を受けて、今日は一日中、どのチャンネルを開いてもこの結果が報道されていた。
評論家たちの話を面白く聞いたが、賛成の意見、反対の意見とどちらも評論だなと思った。
橋元・松井連合の大阪維新の会が敗れたわけだが、同じ「維新」でも明治維新を成し遂げた人たちと大きな違いを感じた。
NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」では、吉田松陰の妹「文」の目を通して時代を駆け抜けた人間模様が描かれているが、先日放映された「亀太郎」の生き方に感動をした。長州藩の重臣長井雅楽の暗殺計画を「刺し違えても」決行しようとした久坂玄瑞に対して、一介の魚屋ではなるが、松蔭塾に学び「志」を持った、亀太郎が暗殺に失敗して自害する時に、久坂の手の中で、「あなたは、こんなことで死んではいけない」と言って死んでいったシーンが忘れられない。
松蔭の妹と結婚した、小田村伊之助。この人の生き方本当に素晴らしいと思う。松蔭の夢を実現しようと長州藩という体制の中にあって藩を攘夷に動かした。(当然久坂の行動を評価しないわけではない)
しかし、この時期の明治維新を成し遂げた多くの人間群の生き方には、胸が熱くなるものがある。
また、維新を成し遂げるまでにどれほど多くの人が自分の命を投げ出したことだろう。
TVの中でよく出てきた松蔭の言葉「あなたの志はなんですか?」というフレーズはあまりにも強烈で頭から離れない。
幕末から明治維新を成し遂げた人たちのことと、今回の大阪維新の会の「志」をどうしても比べてします。
橋下市長は大阪都構想で、沈下する大阪の地盤回復のためであり、二重行政の解消等々行政システムの改革により、20年後、30年後の大阪の発展ために問題提起し、大阪を東京のように発展させるのだと夢を示そうとしたのだろう。
旧態依然とした社会体制の改革を目指したのは理解する。「志」は良しとするとしても、日本国の将来を案じて自分の命を投げ出た幕末志士。これらの、国の将来の安寧を考えた人たちとは大きく違っていると思う。
敗戦の弁を語った、橋下市長は、「市長任期まではやるが、それ以降は政治家はやらない。」???・・・・・・・
「弁護士やりますから。維新の党の法律顧問として雇ってもらえないかと、さっき江田(憲司)代表に言った。まだ返事はもらっていない。」?????
松蔭の教えを自分の「志」と重ねて、同志の久坂を守り自分の命を投げ出した「亀太郎」との生き方の違いに怒りすら覚えた。
自分の命を投げ出す覚悟はないのか?自分の身の安全は確保して、人の不幸にはほおかむりをするのか?この住民投票によってどれほどの人が傷ついたかを考えているのか?
「これだけ多くの税金を投入して・・・・あまりにも納税者の皆さんに対して失礼な言い方かも分からないが、政治家冥利につきる。本当にありがたく思っている。」とは!!!
「政治家として悔いのない7年半だった。幸せな7年半だった。こんな最高の終わり方はない」とは!!!
大阪市のためと言いながら、結局自己満足だけに終わったのか。
大阪を改革しようと「志」を掲げて、知事選に打って出て、知事になってみると大阪市の存在(財政面等)が大きく思い通りにいかないので、大阪府は、維新の会の松井氏に任せ、大阪市長に打って出た。そして、大阪市の改革のためには、都構想の実現しかないと、制度設計をすることもなく、「二重行政による税金の無駄使い」を訴えてきたが、これもおかしい。
府と市による二重行政を解消しようと思えば、大阪府は身内の松井知事なのだから、大阪維新の会として、一番施策を議論をして進めやすく、二重行政をなくす話し合いが一番出来た時ではないのか。
とにかく、地方行政は、国政と違い、首長がアメリカ等の大統領制のように大きな権力を持っている。それを監視するのが議会だ。
首長も議員も、市民によって委託をされているだけだ。市民がもっと政治に、また自分たちの暮らしのために、首長も議員も監視しなければいけない。
NOは、NO。 YESは、YESと言える市民になっていかなければいけない。