金さんの「あっちこっち」Hot Line

大好きな奈良を走る金さんの東奔西走の日常活動録。家庭菜園や地域活動や、学校支援に走ります。

中国残留孤児が敗訴 NO268

2007年01月31日 | 過去の記事
 中国残留孤児 戦前、戦中に旧満州(中国東北部)へ国策として送り出された開拓団などの家族らで、1945年8月の旧ソ連参戦による混乱の中で親らと生き別れになるなどして中国に残された人々。

 日本政府は当時13歳以上だった人を「残留婦人等」として孤児と区別している。72年の日中国交回復後、民間団体による肉親捜しが本格化し、81年に国による集団訪日調査が始まった。

 94年には永住帰国後の自立を支援する法律も制定されたが、永住帰国した約2500人のうち約2200人が国に損害賠償を求めて全国で提訴した。今も中国に約500人の孤児らがいるとされる。
                         (2007/01/30 産經新聞より)

 中国残留孤児は、平成18年末までに約2500人が家族とともに永住帰国した。そのうちの約2200人が全国15地裁に起こした一連の集団訴訟で、原告敗訴は平成17年7月の大阪地裁判決に続き2件目。

 しかし、18年12月の神戸地裁判決は国に約4億6000万円の支払いを命じている。そして、東京地裁(加藤謙一裁判長)は30日、国の賠償責任を認めず、請求を棄却しました。
  結果、大阪、神戸、東京各地裁での判決が分かれています。

 2002年12月以降、孤児らは、早期の日本への帰国や帰国後の自立支援を怠ったとして、国に賠償を求めて集団訴訟を起こしましたが、祖国を提訴するに至ったことは断腸の思いだと語っています。

 主な争点は
  (1)国に早期帰国実現や帰国後自立支援の義務があるかどうか
  (2)国はそれを怠ったかどうか-などで、

 原告側は「残留孤児問題は旧満州(中国東北部)に対する日本の政策に起因し、国交回復後も帰国実現を怠った。自立支援も不十分で日本人として人間らしく生きる権利を奪われた」と主張しています。

 今後、3月23日の徳島地裁、4月25日の広島地裁、6月15日の高知地裁など、奈良の残留孤児裁判も京都の孤児と一緒に京都地裁に提訴している判決もまもなく示されることになっています。どのような判断がされるのか注目をしていかなければならないと思っています。

この中国帰国者支援の私の関わりについては、ブログの12月10日「NO226」号にも少し書きましたが、日本語教育のためにサマースクールと称して団地で学習会を開催したり、残留孤児の外出支援を行ったり交流を深める中で、奈良の残留孤児のふるさとの「ハイラル市」に交流団を作っていったこともあります。

交流団派遣の前には、都跡中学校とハイラルの中学校と手紙の交流を行い、都跡中学校の教頭先生や3名の先生方を含め訪問をしてきました。


 公明党は、過去から中国残留孤児の問題に国会で様々な活動を行ってきました。最近の記事を紹介します。

(1)公明新聞:2004年6月5日付
   はまよつ代表代行らが呼び掛け党神奈川県本部女性委員会が署名活動

           
   横浜市の京急・上大岡駅前で「中国残留孤児の援護施策と支援拡充」を要望する署名活動を行った。
  菅原理事長は「やっとの思いで帰国した中国残留孤児たちは、日本語を習ったが身に付かず、県内にいる450人の中で話せるのは数人しかいない。仕事に就くことができないため、7割が生活保護を受けている」と困窮する生活の現状を訴えた。

(2)公明新聞:2004年12月15日付
    公明の議員連盟。中国残留孤児 支援拡充を尾辻厚労相に申し入れ

           
 党の「中国残留孤児に対して救済措置を求める議員連盟」は、夏に神奈川県内で行われた中国残留孤児支援を求める11万3035人の署名簿が手渡しました。

 第1に、国が孤児に対し残された人生を「人間らしく生きる」にふさわしい生活保障を確立することを求めているあわせて議員連盟は、高齢化した孤児を囲む家族の連帯関係に配慮し、今後、帰国予定の2世、3世に対する支援策を考慮することを求めているが、重要な視点と指摘。

 第2は、帰国後3年以内に限定されている援護施策を拡充し、継続的な支援を実施することだ。
     孤児が養父母と会うために中国に渡航すると生活保護費が減額される例などはその典型だ。もっと血の通った施策が望まれる。

 第3は、孤児問題への正しい理解に基づく支援と協力を確保するため、国が孤児問題について積極的に啓発を行うことだ。
 これに対し、尾辻厚労相は「気持ちは良く理解できる。法律に照らして何ができるか良く考えたい」と答えた。

(3)公明新聞:2005年7月9日付
     中国残留孤児の救済へ 「高齢化を踏まえ生活保障が不可欠」

            
 「中国残留孤児に対して救済措置を求める議員連盟」は、中国残留孤児が国家賠償を求めた裁判で原告の請求を棄却した6日の大阪地裁での判決を受け、裁判を支援した「神奈川中国帰国者福祉援護協会」の菅原幸助理事長や弁護士、残留孤児らと援護施策の拡充などについて意見を交換した。
    
  残留孤児からも支援の拡充を求める切実な声が寄せられた。
「中国では『日本人』だといじめられ、祖国の日本に帰ると『中国人』として扱われ、なかなか日本国籍を認めてもらえなかった。また、日本語の習得にも困難を極め、今もあまり話せない」など、働くにも苦境を極めた人生を訴え、「立場の弱い日本国民を助けてください」と訴えた。

 浜四津代表代行は「大阪地裁での判決は極めて残念な結果だった」と述べ、「公明党は残留孤児の生活支援、自立支援策の充実に全力を挙げ、予算を付けて給付金を支給できるように努力していく」と決意を述べた。

(4)公明新聞:2005年7月12日付
    中国残留孤児の生活保障を速やかに給付金制度の創設図れ
     公明党の「中国残留孤児に対して救済措置を求める議員連盟」(高野博師座長=参院議員)は、政府に対してかねてから、孤児に対する生活保障の確立を要望してきた。その具体化として、補償の意味を含めた孤児に対する給付金制度を今こそ議員立法で実現させてもらいたい。

(5)公明新聞:2005年7月15日付
    中国残留孤児 支援プロジェクトチームを設置
     ▽顧問=浜四津敏子、坂口力
     ▽座長=漆原良夫
     ▽ 副座長=松あきら、山名靖英、荒木清寛、魚住裕一郎、遠山清彦
     ▽事務局長=西田実仁

(6)公明新聞:2006年12月6日付
   中国残留孤児の救済策検討へ与党政策責任者会議
    会議では、中国残留孤児訴訟で神戸地裁が1日、国に賠償を求める判決を示したことを受け、与党として中国残留孤児の救済策を検討していくことで合意した。
           

(7)公明新聞:2007年1月11日付
    「政治決着を急げ!」帰国者ら窮状訴え要請
                           党プロジェクトチーム
           

 帰国した残留孤児の代表と国家賠償訴訟弁護団から、中国残留孤児問題の全面解決に向け、早期の政治決着を図るよう要請を受けた。
浜四津敏子代表代行は、「(訴えを)真摯に受け止めている」と述べ、公明党として政府に強く働き掛けていくことを約束した。
 このほか、帰国者の代表は「自分で(希望し)残留したわけでなく、置き去りにされたのだ」と述べ、多くの帰国者が生活保護で生活している上、年金も月額わずか2万円程度しか受給できない窮状を説明。「日本人らしく日本で生きたい」と強く訴えた。

(8)公明新聞:2007年1月26日付
   「国は救済責任果たせ」 中国残留孤児 帰国後の支援で申し入れ

            
 昨年(2006年)12月、神戸地裁が残留孤児の早期帰国や帰国後の自立支援の義務を国が怠ったとして、賠償を命じた判決などを挙げ、「帰国した残留孤児が生活保護制度に頼らざるを得ない現状は、個人的な責任がない孤児の尊厳を傷つけている。国が積極的に救済責任を果たすべきだ」と訴え、(1)早急な政治決断による、新たな給付金制度の創設(2)残留孤児問題の全面解決に向けた政府と残留孤児との継続的な協議の場の設置??の2項目を要請した。

 塩崎官房長官は「人間の尊厳が一番大事であり、問題をよく整理し、安倍総理と相談したい」と述べた

  公明党の、こうした粘り強い戦いによって、東京地裁判決を受けて、やっと国も動き出しました。まだまだこれから見守っていかなければなりませんが、安倍晋三首相の記事を引用しておきます。

  1月30日 首相、中国残留孤児の原告団と会談へ
                            (読売新聞引用)
 安倍晋三首相は31日午後、国家賠償請求棄却の東京地裁判決を受けた中国残留孤児原告団らと首相官邸で会談する。生活が苦しい永住帰国者への新たな支援を検討することを伝え、理解を求めるとみられる。

 下村博文官房副長官は記者会見で「厚生労働相が与党とよく相談し、生活支援全般について具体的に話を詰めていくのではないか」と説明。公明党の北側一雄幹事長は「昨年来、与党で残留孤児への新たな立法措置を含め検討すべし、と議論を進めてきた」として与党案に沿って対応することになるとの見通しを示した。

  1月31日 残留孤児訴訟 首相、原告団代表に支援検討を説明
                             (産經新聞引用)
 安倍晋三首相は31日午後、中国残留孤児訴訟の原告団代表と官邸で面会し、柳沢伯夫厚生労働相と自民党の中川昭一政調会長に対し、新たな生活支援制度を検討するよう指示したことを伝えた。

 首相は「皆さんが戦後、筆舌に尽くし難い苦労をしたことは承知している。今までの政府の対応には不十分な点がある」と指摘。30日の東京地裁判決が国の法的責任を認めなかったことを念頭に「法律的な問題や裁判とは別に、新たな対応を考えないといけない」と述べ、高齢化する残留孤児の生活困窮に配慮した支援策を今後、政府、与党で検討していくことを説明、理解を求めた。

  孤児らは、生活保護とは別の、新たな給付金制度の創設を求めた。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。