東京オペラシティアートギャラリーへ。
「高田賢三 夢をかける」。
会期は7月6日~9月16日。
高田賢三(1939~2020)は世界的デザイナーのひとり。
日本人のファッションデザイナーとしていち早くパリに進出し、斬新なアイデアで常識を打ち破るスタイルを次々と打ち出した。
単身で渡仏後、1970年に初めてショーを開催した高田は、木綿の新しい可能性を押し出して「木綿の詩人」と称賛された。
その後も「衣装からの身体の解放」をテーマに直線裁ちの着物袖やダーツを無くしたゆとりある服などを生み出し続けてきた。そしてそれは、高田がそこまで意識していたかどうかは不明だけど、国境や文化や性別を自由に超えていく新しい服の方向を示していたのだった。
ファッションショーは、あっという間に終わる華やかな富裕層への見本市のように見えなくもないけど、デザイナーが精魂込めた芸術作品。
芸術性を追求する、服に人の体形を合わせることを要求するあまりに、モデルの痩せすぎ問題が出てきた。極限まで痩せたモデルが美しいという価値観は若い女性の拒食症等の深刻な問題へとつながっていった。
こうして賢三の服を眺めていると、ふと、服にに従わず服の主となれという、心を服に置きかえて言葉が浮かんだが不思議。