国立新美術館に寄り道。
どうしても物語の続きをみてみたかった。
「和田礼治郎:FORBIDDEN FRUIT」。
国立新美術館は2022年より美術館のパブリックスペースを使って小企画シリーズ「NACT View」を開始した。
4回目の今回の会期は1月24日~6月10日。
和田礼治郎(1977~)は広島県生まれで現在はドイツで活動する彫刻家。
今回の展覧会は屋外。
強化ガラスの間に果物がはさんであって浮遊しているようにみえる。
展示が始まった時には瑞々しかった果物は時間の経過とともに腐り落下していく。
3月上旬に訪れた時にはすでに腐り落下が始まっていた。
これから蒸し暑くなってきたらどうなるんだろ?と思った。
会期も残すところあと2週間程度になった今日。
炭化したような果物が転がり、新しく供給された果物も不可逆に落下していく。
一方では、ブドウには葉っぱ茂り実が出来始めている。
ザクロには花が咲く。
朽ちていくのみ一方通行の作品ではなかったようだ。
人間社会への強烈なメッセージともとれるし、ただただ表しているだけのようにもみえる。
最終日にもう一度と思う。
でもきっと最終日も淡々と営まれているだろう。
だってそういうものだもの。