今年も年越しは長野だから自宅は今日はクリスマスから正月へ。
鏡餅は真空パックだから帰ってきたら色々とすればいい。
花は水無しでもいい若松と南天を、大きな花瓶に投げ込んだのと、ちんまりと鏡餅の横にお供えしたの。
ん。
こいつらなんかものすごくまったりしてるわ。
私も一度でいいからゆっくりと年越しをしてみたい。
ま。
今宵の食後は久々に猿田彦珈琲さんの珈琲カステラ。
新しくなった神奈川県立図書館に入ったのだ。猿田彦珈琲さんは神奈川県内ではあまり見かけない。図書館に行ったついでに寄れるのは嬉しい。
製造は長崎は島原の西善製菓舗さん。
原材料は、鶏卵、砂糖、小麦粉、米飴、水飴、蜂蜜、ザラメ、コーヒー豆、コーヒーリキュール。
お茶は白芽奇蘭にした。
面白いもので、コーヒーたっぷりの味わいには、合わせるコーヒーを探す方が難しい。
でも日本茶の方がより合ったかな。でも読みたい絵本があるんだ。何煎も飲める中国茶の方が楽だわ。
古本屋さんで一目惚れして買ってきた、河出書房新社のショーン・タン著「アライバル」。
ショーン・タン(1974~)はオーストラリア生まれ、在住のイラストレーター、絵本作家。幼い頃から絵を描くことが得意で、西オーストラリア大学では美術と英文学を修め、今は舞台監督や映画のコンセプトアーティストとしても活躍している。
このコンディション500円はずいぶんと安いと思ったら、古本にありがちな臭いがあって、少し脱臭した。
この絵本には言葉が無い。
緻密に丹念に描きこまれた人種等不明だけどリアルティあふれる人々。緻密に丹念に描きこまれた空想の都市に空想の動物たち。
想像で読んでいく。
どうやら、主人公一家が住む街には巨大な恐竜の尻尾のような不穏な影があちこちに出現している。
主人公は妻と娘を置いてまずは自分が新天地を探す旅に出る。
乗り込んだ船は同じような人々であふれていた。
たどり着いた街は言葉も何もわからない場所だったが、主人公は持ち合わせのお金を使いながら住む場所を探し言葉を学びながら生活を始めた。
いつの間にかへんちくりんだけど賢く懐っこい動物が一緒に住み始め、街の様々な人たちと知り合うようになった。主人公にとって幸いだったのは街の人たちが皆親切で善良なことだった。どの人も戦争とか飢餓とかの苦難の末にこの街にたどり着いたのだった。街の様子に慣れてきた主人公は仕事を探し始めた。あちこちで断られ続けたけど辛抱強く探してようやく仕事をみつけた。
そして、この街で生きていくことを決めた主人公は妻と娘を呼び寄せたのだった。
子供は環境にすぐ慣れる。子供に導かれ大人も慣れる。
希望に満ちたラストシーン。
言葉が無いから作者の意図と私の心に響いたものが同じかはわからない。
この絵本の初版は2011年4月30日らしい。
すぐに東日本大震災が浮かぶけど、これだけの絵を描くには何年もかかかるはずだからそういうわけでもないか。
今ならウクライナ情勢そのものという感じがする。
絶望と再生の物語が静かに心に満ちてくる。
この絵本との出会いは、やっぱりサンタさんからの贈り物だったのかも。