昨日は昼飯難民になりそうになって東京藝術大学大学美術館に寄った。陳列館で「どの鏡を舐めたい?」展を見て、カフェで食事。
そのまま帰ろうと思ったのだけど、展示室を覘いていたら、陳列館の受付の学生さんが自分も若い頃はあんなトコもあったな、なら、こちらの方はこんな娘がいたら楽しいだろうな、だった。で、入ってみた。
上原利丸退任記念展-本友禅染の多様性と独自性-。
会期は10月28日~11月7日。
綺麗だな。
おまけに柄が素敵にモダンだ。
でも着物が展示してあったのは入口だけで、中に入ってみてびっくり。
友禅染というのはバカ高い着物とモドキな和風小物等しかない思い込んでいたのだけど、これってアート作品じゃないか!
写真撮影可能でも撮っていたんではきりがない作品数と写真なんか撮るよりじっくりと眺めるが吉なりのアバンギャルドな本友禅染。
もちろん技法的な展示もきちんとある。
確固たる土台の無い前衛は似非。
着物以外の実用の展示。
すごいな・・・
お!館員さんのネクタイまで展示に合わせてるじゃないか。
と思ったら、上原先生ご自身でした。すいませんでした。だからマスクは。。
先生にお伺いしたら、あちこちに散りばめられてる謎めいた落書きのような線は、先生のお子たちが幼い頃に描いた絵と判明。
先生のネクタイにも楽しそうにブランコ遊びをする子供が描かれてるけど、これは先生が大人になって描いたもの。
子供独特の子供世界は大人には描けるものではないのだ。
先生の様々な作品群のインスピレーションはあちこちから素直に湧いてくるのかもしれない。
先生とお話ししながら、ふといくつもの人影に気が付いた。
私はなんて鈍感だったのだろう。
先生とお話ししたくて何人もの卒業生さんが来ていたんだ。日曜日だ。それをひとしきり私が先生を独り占めしてしまっていたんだ。
申し訳なかったなぁと反省。
教員としても優れたお方だったのだな。
寄り道して良かった。