銀座の資生堂ギャラリーへ。
17th shiseido art egg 開催中。
シセイドウアートエッグは、2006年に始まった公募プログラム。
新進アーティストによる「新しい美の発見と創造」を応援する。
今回で17回目。
今回は応募総数351件の中から、林田真季・野村在・岩崎宏俊の三名が選ばれた。
1月30日~3月3日まで林田真季展「Water&Mountains:エコロジーと社会をめぐるワンダーランド」。
林田真季(1984~)は大阪出身。関西学院大学総合政策学部を卒業。2022~2023年、ロンドン芸術大学ロンドン・カレッジ・オブ・コミュニケーションMA Photography修了。
その修士プロジェクトで林田は、イギリス沿岸部にある過去のゴミ埋立地「historic coastal landfill」に着目し、消費社会における「意図せざる結果」の法則を考えたという。
その前に林田は日本で2019年から、不法投棄をテーマとするプロジェクト「Beyond the Mountains」に取り組んでいたという。
どちらも、「廃棄物管理の“意図せざる結果”として、自然に大きな影響を与えてる」という点で共通しているという。
「Water Wonderland」。
イギリスの過去のゴミ埋立地のひとつ。
実はイギリスにおけるこのような過去のゴミ埋立地は環境許認可が有効でない場所のことであるという。信頼できる記録がなく、何が埋まっているのかも定かではないリスキーな場所が1000箇所以上もあるという。そしてなぜだかその多くは自然保護区や公園になっているという。
「The Stacks」。
東京23区にある全清掃工場の煙突をエッチングで表現。
清掃工場できちんと処理される一方で止まない不法投棄。
日本と限らずやがて全て海へとなだれ込む。
人間が自然に与える影響の監視者であり最初の犠牲者でありゴミ埋立地の住人でもある水鳥。
林田は色んな水鳥の中で白鳥を選んだ。
白鳥は英国王政とつながりがあるという。
声高になにか主張するわけでもない。
林田も日々思考試行しながらエコロジーと社会をめぐるワンダーランドと向き合い続ける。