東京藝術大学大学美術館陳列館「PUBLIC DEVICE-彫刻の象徴性と恒久性-」。
会期は12月11日~25日。
正木門から入って陳列館を見て大石膏室へと向かう。
大石膏室を会場にしたというのには少々驚いていた。
来たことのある方ならお分かりだが、アートプラザと美術館は一般に広く解放された空間だけど、大石膏室は絵画棟にあるのだ。この疫病下に不特定多数が入るというのはかなりの決断だったと思う。
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入るなり思わず息を吞んだ。
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これってドン・キホーテ???
ではなくて、「Mammalian」:椿昇:バルーン:2011年。
自衛隊員さんたちとコラボして種子島で制作された作品という。
大石膏室は近代美術受容の要とされる場所。
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ロシナンテにしてはかっこよすぎると思った馬も、元々ここにあった二頭向き合ったレプリカだったのだ。
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椿はなぜここにこの化け物にも見える巨大なバルーンを押し込んだのであろうか?
横には、「FREE SIGN」:サイドコア:石膏:2020年。
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記念碑のようにも墓標のようにも見える。
椿作品のインパクトが大きくて気が付くのが後になってしまったが、入り口には「欲望の台座」:井田大介:マネキン・ヴィデオ:2020年。
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この展示は大石膏室でなければならない展示だったんだ。。
慰安婦像が物議をかもしたのは記憶に新しいけど、ある意味もうそういう時代は終わりつつある。
目の前に何があろうと何が起ころうと人の反応はまずスマホカメラ。そしてSNSで流せばそれで起承転結。
化け物はささやかな欲望をその中でのみ満たす手のひらの液晶なのかもしれない。
果敢に挑んでいく実在はドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャなのかもしれない。。
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大石膏室におられたスタッフさんは彫刻科の3回生というから、以前から気になっていた質問をしてみた。
このレプリカは誰がいつどう作ったの?
彼の答えは、それが実はよくわかってないんです。だった。
いつ誰がもだけど、何よりもこれらのレプリカ制作過程そのものが不明。型をとって流し込んで固めればいいんだろといえばそうなのだけど、ピラミッドは石を積み上げればいいんだろと同じで、方法がわからないという。
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ん・・・
門を出たら黄葉が綺麗だった。
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