今日は欲しい藤沢市文書館のブックレットがあって辻堂へ。
このJRの辻堂駅とか平塚駅のホームの広さと改札へ向かう階段エスカレーターの狭さのギャップは降りるたびに謎だ。
ま。
藤沢市藤澤浮世絵館と藤沢市アートスペースが入るCocco Terraceへ。
ブックレットを販売している藤澤浮世絵館へ行く前に藤沢市アートスペースの展覧会をのぞいてみた。
「あなたが眠りにつくところ」。
参加アーティストは松下誠子とジョイス・ラム。
会期は6月17日~8月27日。
あなたが安心して身体を横たえることができ、心許せる人がいて、本来の自分を取り戻せるところは何処でしょうか。
松下誠子とジョイス・ラムは他者との関りから個人の生き方を考察する作品を制作しているという。
松下誠子のインスタレーション。
松下は、「セキュリティ・ブランケット(安心防衛毛布)」をテーマに制作しているという。強いられた不均衡や抑圧、日常に潜む虚栄心や通俗性や暴力性をあぶり出す。
ジョイス・ラムは映像作品。
香港で生まれカナダやイギリスや日本で暮らしてきた自身の経験から「家族」の定義や概念を再考するという。
シェアハウスにおける子育ての様子に迫ったドキュメンタリーが血縁だけに拠らない「家族」の在り方を提示する。
同じフロアには同時開催の「ARTIST NO KOSODATE?アーティストの子育て 」。
ARTIST NO KOSODATE?
とは、アーティストの子育て?ではなくて、アーティストノー子育て?という意味らしい。
たまたまこの展覧会の参加者の職業はアーティストだけど、今現在を生きる、女性の高学歴化と社会進出が当たり前になった上に女も出世しろと煽られる出産可能世代の、子育てとキャリア形成のはざまで様々に揺れ動く本音が綴られる。
彼女たちの祖母世代あるいは母親世代の、女だって末は博士か大臣かの夢は今実現している。けどそれが幸せとか良い時代に生まれて幸運とか感じるかはまた別だわな。
だって全ての生き物は繁殖するために生きているんだもん。
その中でヒトだけが違う。その違いがヒトのヒトたるゆえんと思いつつも、ヒトも生き物だとも思う。
難しいものだな。
時代に押し付けられるのではなく、ひとりひとりの価値感やひとりひとりの選択が尊重できる社会になっていけば理想だけど。
雨上がりの陽がさし始めた窓の向こうには家族連れでごった返す土曜日のテラスモール湘南。
買い物や食事や映画が終わったら「あなたが眠りにつくところ」へ皆帰るのだ。