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冬のソナタに恋をして

チュンサンの家で3

すると、チュンサンは少し意地悪そうな顔をして
「俺、お前のことって言った?自信過剰だな」と笑った。
ユジンがえっ?という顔でチュンサンを見つめると、あのとびきりの笑顔でこちらを見つめている。
「もうチュンサンたら」ユジンはその目に吸い込まれそうな怖さを感じて、肩の辺をバシッと叩いて照れ臭さをごまかした。


そして、えっへんとちょっと偉そうに咳払いをして話しはじめた。
「じゃあわたしの気になる人について話してあげる。その人は背が高くて、笑うと目が細くて垂れ目になって、とーっても優しい顔で笑うの。でもいつもはクールなふりをしてて、時々冷たく思えて、頭が良くてかっこいいんだ。だけど、はじめて会ったときからわかってたの。その人はだれよりも寂しがりやで、いつも友達を求めてるんだって。たまに、彼の目を見るとぎゅっと抱きしめてあげたくなるの。私がついてるよって。」

そう言ってチュンサンを見ると、チュンサンの目は静かな水面のように、黒く澄みきっていた。そして静かにこう言った。
「じゃあ抱きしめてよ」
ユジンはびっくりして固まってしまった。
「だって友達だろ」
「、、、うん」
ユジンは真っ赤になりながらおずおずとチュンサンの肩に両手をまわした。ユジンのポニーテールがチュンサンの鼻先をかすめて、シャンプーの甘い香りが身体に染み渡った。背中に恐る恐る回された手が少し震えている。

突然チュンサンは思いっきりユジンをぎゅっと抱きしめた。自分の中から湧き上がった衝動が理性を越えた。細くて折れそうなのに、柔らかいユジンの身体がすっぽりとチュンサンの腕に収まって、あまりの勢いに2人揃って後ろに倒れてしまった。しかも、どこかにゴムが引っかかったようで、ポニーテールがほどけてしまい、床にユジンの髪の毛が艶々と広がっている。チュンサンはユジンを離したくなくて、頬を擦り寄せたまま、じっとしていた。
触れ合っているお互いの頬が、熱を帯びたように熱い。ユジンは頭が真っ白になってしまい、動けなかった。
そしてしばらく固まっていたユジンはおずおずと口を開いた。
「チュンサン、わたし痛い。こわい。離して。」
チュンサンはハッとして身体を離してうつむいた。
ユジンは、ゆっくりと起き上がり、チュンサンの顔を覗きこむ。そこには傷ついた小さな子どものような瞳が下を向いていた。

「ねぇ、チュンサン。そうじゃないの。嫌なんじゃなくて、、、お願い、優しく抱きしめて、、、そっと抱きしめて。」
チュンサンの瞳がパッと輝き、今度は大事な宝物を包むように、そうっとユジンを抱きしめた。そして、慈しむように髪の毛をなんども撫でた。
「チュンサンの心臓、ドキドキしてる」
「ユジンの心臓もドキドキしてる」
ふたりはそう言いながらいつまでも抱き合っていた。


コメント一覧

kirakira0611
@orai コメントありがとうございます♪
素敵な写真ですね。
わたしも三食ごはん、好きですよ。
ユンステイにはアカデミー賞をとった女優さんも出てますね。
ちなみにチェジウさんとイソジンさんの回が面白かったです。
チェジウさんは素の方が魅力的だと思います。
またよろしくお願いします。
orai
ご訪問とナイスリアクションをいただき
ありがとうございます。
イ・ソジンの三食ごはんはたまに観ています。
kirakira0611
@yuzunoki5223 ありがとうございます♪
いつもブログを拝見してます。
これからもよろしくお願いします。
yuzunoki5223
よかった!さびしさが飛んでいきます。ありがとうございます。
kirakira0611
優しいお気持ちでありがとうございました。DVDまでみなおしてくださったんですね。ありがとうございます。
ツアーの記憶があってうらやましいです。わたしはそもそもちゃんと観て行かなくて、母に連れて行かれたので、なんのことやら、なぜみんなこんなにありがたがって見てるのか、不思議でした。
ただ、南怡島は美しかったです。あと、タッカルビとジャガイモ麺が美味しくて。
ブログをやっていると、gooではないですが、すごく攻撃的な方とかたまにいらっしゃるので、びっくりします。
サクラ母さんが、素敵な方でよかったです。
これからも、よろしくお願いします。
サクラ母
了解です

思わずそんな場面あったかしらーとDVDを探してしまいました
チュンサンの家、私も行きましたよ
初期の頃だったのでまだ観光ルートに入る前でした
家の持ち主もやさしく中に入れて案内してくれました

kirakiraさんの創作力を楽しみに
私の想像力を駆使して楽しんでいきたいです
kirakira0611
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
冬のソナタを何度も観てらっしゃるんですね。
すみません。自己紹介で書いたんですが、創作文なので、何話でもないんです。
気に障られたら申し訳ないです。
ちょっとアダルトかもしれないです、、、。
純愛すぎて、ところどころリアリティを入れちゃいました。わたしも、今観ながら書いてますが、物足りないところは➕してます。
ちなみに、過激にはならないようにしてます。
こんな答えで良かったですか。
サクラ母
こんにちわ
はじめまして
冬のソナタ好きで何度も観ました
懐かしく読ませていただいています
このシーン第何話ですか
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