usagimimiさま、ファッションショーの写真をアップしていただいてありがとうございました。
https://blog.goo.ne.jp/usagimini/e/5b9955016cd4ecce69b563d555aa0ec5
冬のソナタが終了して1か月後、ペヨンジュンさんとチェジウさんは、韓国の有名デザイナーの故アンドレキム氏のオーストラリアでのファッションショーに出ています。その時の写真をアップしてくださいました。この時のショーの現地でのプライベートな様子から熱愛説が浮上して、帰国の空港にはたくさんのマスコミが集まったらしいです。usagimimiさまはお習字の先生でいらっしゃるので、素晴らしい字を書かれます。先日「冬ソナ」と書いてくださいました。とても素敵です。ありがとうございます。
ちなみに、アンドレキム氏は、とっても個性的です。自分の風貌に自信がないという理由で化粧をしており、頭に黒い塗料を塗ってます。一度見たら忘れられない感じです。数々の韓流スターがショーに出演しています。
チンスクはヨングクが経営する動物病院で椅子に座っておしゃべりをしていた。最近のユジンは、チュンサンとよりが戻ってから外出ばかりしている。せっかくルームシェアをしていても、ほとんどユジンの顔を見ることがなくなってしまって、チンスクは寂しく思っていた。チェリンのブティックに出勤すると、チェリンはミニョンに振られてからイライラしているし、ユジンはいないし、自然とヨングクとつるむことが多くなっていた。ヨングクは面白くなさそうな顔で言った。
「結局ユジンとチュンサンは結婚するんだな。あいつらのことだから、いつかは結婚するとは思ってたけど、こんなに早く結婚するなんて。なんだかモヤモヤするな。特にサンヒョクのことを考えてみろよ。嫌な気持ちになるだろ?すごく心配だよ。」
「どうしてだよ?とってもめでたいと思うよ。」気が付くと音もなくサンヒョクが後ろに立っていた。これにはヨングクとチンスクもびっくりして、どぎまぎしてしまった。
「おまえさ、入るときは咳をしてみるとか、ちょっとは気を遣えよ。全然気配がなくてお化けかよ。」
「ユジンたち、結婚するんだね?」
チンスクは少し申し訳なさそうな顔で言った。
「うん、でもまだ日取りは未定みたいなの。」
「日取りを決めたらまずぼくに相談すべきだ、、、あの二人、良かったな、、、本当に。」サンヒョクはそうは言ったものの、到底平気な様子ではなく、声には力がなかった。チンスクもヨングクもそんなサンヒョクを見て、心配で顔を見合わせてしまうのだった。サンヒョクはそのあとも少しだけ話をしていったが、一緒に飲みに行こうという二人の誘いを断って、さっさと帰ってしまった。
サンヒョクは独り自室で考え事をしていた。ユジンとチュンサンが結婚するという話は、正直ショックだった。いつかは、、、とは思っていたが、こんなに早くその日が来てしまうとは考えたくもなかった。まだ、心の痛みは消えていないのに。サンヒョクは二人にどんな顔で会えばよいかわからなかった。平気な振りができるだろうか。おめでとうと言うことができるだろうか。一人目を閉じて、悶々と考え続けるサンヒョクだった。
その日の朝、ミニョンは繰り返し見る夢にうなされていた。母親のミヒ、サンヒョクの父、そして見知らぬ男性が写る写真を見ている高校生と思われる自分、トラックに引かれてしまう高校生らしき自分、どこかに向けて一心不乱に走っている自分、サンヒョクの父のキムジヌと何か深刻な様子で話す自分、いろんなチュンサンが現れては消えて行く。ミニョンは汗びっしょりになって飛び起きた。そして、急いでシャワーを浴びて着替えると、ユジンの部屋を訪ねた。ミニョンは本能的に、この悪夢の意味を知る前に、ユジンとあることをしたいと持っていたのだった。
ユジンは無理やり車に押し込もうとするミニョンに
「ねえ、わたしたちどこに行くの?」と繰り返し聞いていたが、ミニョンは飛び切りの笑顔でユジンを車に乗せると発車させた。
「ねえどこ行くの?」
「秘密だよ」
「最近秘密が多いのね。」
ユジンはあきれた顔でミニョンを見つめた。車はしばらく走ると、田舎町の小さな写真館の前に止まった。
「考えてみたら、僕らは一度も一緒に写真を撮ったことがないんだよ。」
「そうよ。あなたの写真がなくて、10年間本当につらかったわ。わたし、あなたの似顔絵を描いたんだから。でも、何の記念に写真を撮るの?」
「ユジン、”今″だよ。」
「今?」
「そう、今が一番幸せだから、今を残しておきたくて。」
そういうと、ミニョンはユジンを写真館にいざなった。
「さあ、ユジンさんどうぞ中へ。」
ユジンも照れたようなおどけた表情を浮かべた。
「はい、わかりました。チュンサンさんも行きましょう」
そういうと、二人は満面の笑みを浮かべて手をつないで写真館に入っていった。
写真館のカメラマンは二人を見て破顔した。なんて美しいカップルだろうと思いながら、二人がまとっている深い悲しみは何だろうと不思議に思わずにはいられなかった。二人はカメラマンに促されるまま椅子に座ってほほを寄せた。ミニョンの膝の上に置かれた二人の両手は固く結ばれていた。
「あなたたちは兄妹じゃないし、式は挙げたの?」
「どんな風に見えますか?」
ミニョンは面白がって聞いた。
「そういう質問をする人は、結婚前か、大恋愛の真っ最中で他人に認められたい人か、もしくは不倫か、周囲に大反対されている人かな。」
するとミニョンがユジンにささやいた。
「あのおじさん鋭いな」
二人は幸せそうに見つめあって微笑みあい、またカメラをのぞいた。
「愛し合うと顔まで似て来るって本当なんですね」
カメラマンの言葉に照れたり顔を見合わせたりしている二人を、カメラマンは何枚も撮っていった。フラッシュがたかれるたびにミニョンは思った。この幸せな一瞬を忘れないために、宝物にするために、最高の笑顔でいようと。ユジンは思った。こんなに幸せでいいのだろうか、でも切なくて目に涙が浮かんでしまうのはなぜなのだろうかと。写真は1週間後に出来上がることになった。二人はミニョンの都合で、急いでドラゴンバレーに戻った。ホテルの駐車場に止まると、ミニョンはこれからソウルに行くのだと言い始めた。ユジンはなぜソウルに行くのか、と不満そうに口を尖らす。休日は少しでもミニョンと一緒に過ごしたかったのだ。しかし、ミニョンには仕事で急用があったのだ。それなのにユジンの胸はなぜか不安でいっぱいだった。
「チュンサン、本当に今日戻る?」
「たぶん夕方には戻るよ。」
「私も一緒に行ってもいい?」
「仕事が溜まってるって言ってたじゃないか。まじめなユジンさんらしくないぞ。」
「すぐ戻るよね?わかったけど、絶対今日中に戻ってきてね。」
いつも聞き分けの言いユジンにしては珍しく引き下がらなかった。ミニョンはそんなユジンを安心させるように、いつもの優しい笑顔で「絶対帰ってくるよ」と言った。
ユジンはミニョンの車が見えなくなるまで、ずっと手を振っていた。その顔は、笑っているのになぜか泣いているようで、ミニョンの心を締め付けるのだった。