一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

炎暑の夜

2010年08月28日 | 最近のできごと
 先月下旬、2人のイケメン編集者と一緒に楽しいひとときを過ごした。○○さんと会うのは1年ぶり。◇◇さんとは初対面。
 ○○さんが私の気に入りそうな店をと気を遣って選んでおいてくれたのは、洒落た感じでセンスもムードもいいイタリア・レストラン。
 先輩社員の○○さんが、◇◇さんを褒めながら紹介。◇◇さんと名刺交換の後、重要なポストで異動の○○さんからも新しい名刺を貰った。
 大きめのグラスの生ビールで乾杯。テーブルの向かい側に座った、2人のイケメン男性を前にして飲んだ生ビールの美味しかったこと! 料理を注文後、ひととおりの話がすんだところで、アルコールの話。○○さんがお酒に強いのは昨年、一緒に飲んだので知っているが、◇◇さんも強そう。働き盛りの年代の宿命と言えそうだけれど、2人とも会社の健康診断の結果、ドクター・ストップというのか、アルコールを控えるように注意されたということだった。
「ぼくは肝臓の数値が高いんですよ」
 と、○○さん。
「ぼくは尿酸値が高くて」
 と、◇◇さん。そこで私は、2人に言った。
「健康診断の数値なんて気にしなくて大丈夫よ。日本は厳し過ぎるんですって。専門家が書いてるのを読んだわ。健診受けた人の身体が異常なんじゃなくて、基準値が異常なんですって」
 以前、ネットのフィード購読で、ある医学博士が雑誌に書いた《健康な人まで「異常」にされる日本の健康診断基準は問題だ》というタイトルの記事を読んだことを話したのである。
 けれど、2人とも半信半疑の顔つきだった。
(どうして、みんな信じないのかしら。私の説明の仕方のせいかしら)
 友人にも姉にも、その話をしたが、記事を直接、読んでないからか、または会社の健康診断を毎年、受けていて洗脳されているせいか、○○さんも◇◇さんも私の説明に安堵しないで、検査結果の数値のことを心配している。
「ぼくより年下の人間が、尿酸値高くて痛風になったんですよ」
 と、40代が始まったばかりの◇◇さん。
「ええっ、そんな年齢で?」
「そうなんですよ。だから、これは、ちょっと、まずいかなと」
「○○さんは肝臓の数値? じゃ、飲むのは1日置きぐらいにしてるの?」
「いや、前は毎晩だったけど、休肝日だけ飲まないようにしようと」
 と、40代後半の○○さん。
「それじゃ、毎日飲んでるみたいなものじゃない。週に1日だけ飲まないなんて。気休めみたいなものね」
 私が笑いながら言うと、2人も笑った。ドクター・ストップにしては、生ビールの後のワインのボトルを軽く空けてしまう2人に、<40代の若さ>を感じた。ドクター・ストップを気にする50代の男性になると、健康を気にしながらの顔つきというか、グラスの重ね方になる人が少なくない。
 美味しいパスタ料理や肉料理を賞味しながら、出版界の話や電子書籍の話や共通の知人の話や炎上ブログの話。その炎上ブログについての疑問は数か月前に○○さんにメールで教えて貰っていたが、3人とも一時期、読んでいたこともあり、さまざまな感想など。その炎上ブログの話から、一般的なブログ論になった。
「でも、どうしてコメント設定するのかしら。コメント設定なんてしたら、一日中、パソコンや携帯に貼り付いてなくちゃならないんじゃないかしら」と私。
「評価されたいからですよ」と、即座に答える○○さん。◇◇さんもうなずく。
「評価! でも、ブログのコメントで評価されるなんて虚しくないかしら」
「現実で評価されてないからですよ」
「一概にはそう言えないかもしれないけど。だって、昨年、読んだのだけど、ブログ評論家だかネット評論家だかの記事で、有名人やタレントや炎上ブログ以外の、ほとんどのブログのコメントは自作自演と準自作自演ですって。自作自演はブログ作者、準自作自演はその作者の友人、家族、同僚にコメント入れてって頼んで書いてもらうんですって。本当かしら」
「それはそうですよ。普通は、読みっぱなしですよ」
「読みっぱなし!」
「オタクっぽい人ですよ、本物のコメント書くような人は」
「一概には言えないかもしれないけど、そうかもね」
 確かに、現実のコミュニケーションの少ない人やオタクっぽい人がコメントを書くのかもと思った。最近はツイッター疲れの人が続出らしいし、一日中コメント・チェックなんて疲れたり虚しくなったりしないのかしらと私は思っていた。
「一時期、知人のブログのコメント読んでみたら、書き方がみんな同じなのね。コメントの内容も文体も姓もハンドルネームも違うのに、起承転結がみな同じ、っていうコメントが多いの。そんな時、ブログ評論家だかネット評論家だかの記事を読んで、ああ、やっぱりって思ったの」 
「それは、書き癖があるからですよ。どんなに文体や内容変えても、人には書き癖というものがありますからね」
「書き癖ね! さすがね。でも、次第にコメントが激減してくるのは?」
「それは、コメント頼まれてもせいぜい半年かそこらでカンベンしてってことでしょう」
 まるで○○さんの体験みたいな、その言い方がおかしくて私は笑い転げてしまった。
「でも、友人や同僚はともかく、家族は?」
「やれやれってアホらしく思いながら協力してるんじゃないんですか」
 そこでまた、私は笑いが止まらなくなってしまった。そう言った○○さんも、◇◇さんも、おかしそうに笑った。
 評価、読みっぱなし、書き癖。私の質問に対して、私が思いつかないような言葉で即答する──私が編集者を尊敬しているのは、そういうところである。
 店を出て、ほろ酔い気分で、カラオケ・ルームへ。2人ともドクター・ストップなんて言葉は忘れてしまったように、ここでもアルコールを飲むことに。
 私はいつものように高橋真梨子とチェッカーズの歌を歌う。『ジュリアに傷心(ハートブレイク)』の時は、2人を立たせて踊ってもらいながら歌った。一時期、チェッカーズ時代の藤井フミヤが大好きで、ビデオに録画しては繰り返し見ていた。
 歌い終わってソファに座ると、曲目集の開いたページに眼を走らせながら呟くように○○さん、
「チェッカーズですか~、な~つかしいなあ」
 よくよく考えてみれば年上の人のいないカラオケは初めての経験である。なつかしいと言われる歌を、歌う年齢になったのだとしみじみと。けれど2人とも、高橋真梨子とチェッカーズばかり歌う私に、拍手を忘れず、褒めてくれたり、知ってる歌とか、いい歌とか言ったり、終始、やさしいのである。
 翌日は朝寝をして、正午近くにパソコンのメール・チェックをすると、○○さんからも◇◇さんからもメールが送信されていた。楽しい時間を共に過ごした翌日にメールがあるのは、うれしいもの。私は、すぐ返信メールを書いて送った。


                               

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