一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

婦人科の検査

2000年11月09日 | 女のホンネ
 行きつけの美容院の中高年美容師さんは、コレステロール値が高くて、定期的に病院へ検査に行き、薬を貰って来るらしい。
「その日は病院へ行く前に、シャワーを浴びて、髪も洗うのよ」
 と、私の髪にカーラーを巻きつけながら、彼女が言った。
「コレステロールの検査だけで? それ、血液をとって調べるだけじゃないの?」
 正面の鏡に眼をやりながら、私は聞き返した。
「そう、血液検査よ。だって、お医者さんと会う時、清潔にしていくのって身だしなみでしょう?」
「身だしなみ……!」
 彼女は身だしなみという考え方なのだ。私は病院の検査は嫌いで、何年ぶりかに行くが、出かける前に彼女と同じようにシャワーを浴びるし、洗髪もするし、ポイント・メイクをちょっぴり。
 髪を整えたり服を選んだりしていると、まるでデートに出かけるみたいにワクワクしてくるから不思議である。
 毎年検査を受けている姉から、行きなさいと強くすすめられ、乳ガンの検査を1度、子宮筋腫と子宮ガンの検査を1度、大学病院で受けたことがある。
 病院に行く日までは、とても嫌で億劫なものである。医師とはいえ、身体の恥ずかしい部分を見られたり触れられたりするのだから。
 まず、短い問診がある。デスクの前の医師は、すでに私が記入した身体の事情(生理の周期とか妊娠の経験とか)の用紙を見ながら質問してくる。
 羞恥心に包まれながらも、医師の顔を見てのやり取り。それから、内診。乳ガン検査は普通の診察台。子宮筋腫と子宮ガンの検査は、あの婦人科独特の診察台だが、横になったとたん、心臓の鼓動が聞こえるくらいに緊張する。そして男性医師の手や指の触診が始まる。
(男性、って思わなければいいんだわ)
 そう自分に言い聞かせても、駄目である。その緊張感が医師に伝わってしまい、医師は私の緊張を、やわらげるような言葉をかけてくる。
 何か質問され、気を取られていると、身体のこわばりも少し溶けていく。医師の手や指が、とてもソフトな感じで微妙に(絶妙に?)触れてくる。検査の時間が、長く感じられる。
 その後、ふたたび医師の説明。この時は、膝が触れそうなほど近く座った医師の顔を、とても正視できない。私の身体の秘めやかな部分を、バッチリ見られて、触られちゃった(!)のだから、医師の顔を正視できないのも無理はない。しかも検査が終わった後も医師の手と指の感触が、ずっと残っているのである。
「お医者さんて、どうしてあんなにソフトな触り方が上手なのかしら?」
 と、友人に話したところ、
「私の身体をいやらしく触って、って顔してたんだよ」
 だって。それは冗談。
 2度とも、たまたま中高年のベテラン男性医師だったのが、幸運だったのだ。
「婦人科の検査って嫌だわ。仕方ないから行くけど」
 大半の女性はそう言いながらも、
「触り方の上手なお医者さんだったら、毎年どころか毎月、検査に行きたいわ」
 なんて思ってる女性……いませんよネ。
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