2013-04-04
4.パパは天国に…
キラシャも、パールも、ケンもマイクも、ホテルの部屋にたどりつくと、旅の疲れと垢をシャワーで落とし、ベッドで深い眠りについた。
次の日は、子供達を誰も起こさずにいたので、キラシャが目覚めたのはお昼を過ぎていた。
同じベッドに寝ていたパールは、少し前に起きていたらしく、ボーっとした顔でベッドに座り、キラシャの目が覚めるのを待っていたようだ。
隣のベッドには、ケンとマイクが窮屈そうに、同じベッドで絡み合って寝ている。
キラシャは、ケンの寝顔を見るのは、久しぶりだなぁと思って、自分の肩で寝ていたタケルの寝顔を思い出し、フッと笑顔になった。
『タケルは、何してるンだかね~。
少しは、あたしのこと思い出してくれてるのかなぁ~?』
パールも、熟睡しているマイクがよだれをたらしているのを見て、キラシャと目を合わせてニコッと微笑んだ。
パールにとっては、それがホンのひとときの安らぎだったかもしれない。
コンコンとドアの音がして、パールのママ、ルビーがドアを開けて部屋に入ってきた。
ルビーおばさんは、パールのそばに腰をおろし、パールをギュッと抱きしめた。
「落ち着いて聞いてね。
…パパは、天国に旅立ちました。
やっとあなたに会えて、元気なあなたを見て、安心したのかもしれない。
でも、まだあなたのそばにいるかもしれないから
今も、パパがあなたを見守ってると思ってちょうだい。
…あなたは、パパに助けてもらったの。
だから、あなたはこれからも生きてゆかなくてはなりません。
ママのためにも、
あなたの兄弟やお友達や、
これから、あなたが愛し、愛される人のためにも…」
パールは、ママの話す言葉ひとつひとつにうなずきながら、涙を流した。
キラシャも、起き上がって、パールの背中に自分の身体を寄せて泣いた。