今日から「リーダーシップは型から入ろう」というシリーズでお話をしていきます。
リーダーシップの領域は、巷で様々なことが言われていますし、様々な本も出版されており、皆さんの中にも「リーターシップとはどうあるべきか」のイメージを持たれている方がいらっしゃるのではないかと思います。イメージはあってもそれを実践するのは非常に難しいのがリーダーシップです。これから皆さんには、リーダーシップの型をしっかりと学んでいただき、実践できるようになっていただきたいと思います。
まず、「リーダーシップ」というとそもそも会社の中である一定の地位やポジションを持っていらっしゃる方が発揮するものだという認識を皆さん持ってらっしゃると思います。ポジションを持っている方はもちろんですが、基本的にはポジションや地位とは関係なくみなさん発揮できるものだということがポイントです。
私も若いメンバーと一緒に仕事をすることがありますが、ポジション的には私が上であっても、議論をしていると一瞬「こいつ良いこと言うな」と思うことがあります。その瞬間は、私よりもその若手の方がリーダー的な存在になっていて、その若手によって逆に私が動かされている、いわゆるフォロワーになっている瞬間があります。そういうことが日常の中には多々あるはずです。そういう意味からも地位やポジションは関係ない、私たち一人一人がリーダーになりうるというベースで考えて頂くと良いと思います。
では、ここでリーダーシップに必要な要素を考えてみましょう。その要素は、大きく3つに分解できると言われています。
1つ目は「行動」です。リーダーは「ビジョンを打ち出さなければいけない」、あるいは「夢を語らなければいけない」と言われます。これらは、基本的に全て行動です。つまり、リーダーシップとは具体的にどういう行動をとると良いのかというのが一つ目の着目のポイントになります。
2つ目は「能力」です。能力とは、先ほどの取るべき行動を起こすために必要な、ある意味「筋力」に相当するものです。ある行動を起こそうと思っても、その行動をとるために必要な筋力がついていなければ、気持ちだけあっても動きません。先ほどの「ビジョンを打ち出す」という行動に対しても必要な能力があります。
3つ目は、「意識」です。常に物事をポジティブに考えて明るく前向きな姿勢、あるいは、困難から逃げない胆力があるなど、「意識」の部分が重要です。「意識」というのは、先ほどの行動を起こすための「エネルギー」になるものです。先ほど、能力は筋力だという話をしましたが、筋力がついていても、筋力を動かすためのエネルギーがなければ実際行動できません。
行動、能力、意識のこの3つの要素がリーダーシップを考える上で非常に重要です。特に、人は「行動」しか見えません。確かにその人がどういう能力を持っているのか、どういう意識でいるのかというのは、最終的には「行動」として現れます。そういう意味では、結局リーダーシップが発揮できているかどうかは、まさにリーダーとして必要な行動がとれているか、人からちゃんとその行動が見える物になっているかどうかが大事だというのが1つのメッセージです。
理想論だけを語る方がいらっしゃいますが、その理想に向けて実際に行動に移しているかが見えてこないといけません。行動しないと結果は出ません。そういう意味からも行動が大事です。
しかし、行動するためにはそれに必要な筋力である「能力」をしっかり身に着けなければなりません。それから筋力を動かすためのエネルギーになる「意識」をしっかり高めていかないといけません。行動の質量は「能力×意識」の掛け算で決まります(行動=能力×意識)。このどちらが欠けても駄目です。
皆さんは、能力と意識のどちらの方が大事だと思いますか。
普段、さまざまな企業で同じ質問をすると、多くの方が「意識」の方が大事だと言います。気持ちというエネルギーがないとそこに向かって取り組みことができません。気持ちさえあれば、多少能力が足りなくても、能力を身に付けようという行動を起こせるので、意識の方が大事といえるかもしれません。
では、今日のまとめです。
まず、リーダーシップにはポジションや地位は問わないということ。誰もがリーダーシップを発揮するチャンス・機会があるということです。それから、リーダーシップの要素は「行動」「能力」「意識」の3つに分解できます。行動しなければ、結局リーダーとして周りから認められないため、これを意識する必要があります。一方で行動の引き出しを増やす為には、それに必要な筋力となる能力、さらに筋力を動かすためのエネルギーである意識を高めなければなりません。