(新)八草きよぴ(kiyop)非公式モリゾー愛ブログだトン

小田急線日中の慢性遅延問題を考える

今回はちょっとした笑い話からスタートです。

ある方)きよぴさんはいつも小田急の時刻表持ち歩いているんですね~
きよぴ)そーなんですよ。
ある方)あると便利そうですね
きよぴ)いや~そうでもないですよ
ある方)えー?なんで??
きよぴ)だって・・・いつも遅れてて時間通りに電車が来ないから
ある方)そりゃそうだね

小田急線(特に日中以降)に良く乗る人とはこんな会話が成り立ってしまうほど、今の小田急は遅れが恒常化しています。数分程度の遅れはもはや当たり前。本来なら乗れないはずの列車に乗れてしまうことも珍しくありません。

さて10月15日から小田急では遅延証明書のホームページでの発行サービスが始まりました。
発行基準を引用すると「当証明書は、小田急線の運行が5分以上遅れた場合に発行いたします。 」との事。
5分以上の遅れなら、毎日のように発行されるのでは
それとも5分以上といいながら運行障害時しか発行しない気では?とか思っていたら・・・



遅延証明書の発行画面のメニュー。
発行された時は時間帯・方向が表示されています。
サービス開始の10月16日から11月3日時点まで毎日いずれかのものが発行されています。
10月22日のように1個しかない日を見ると
「もしやまずいと思って発行条件を厳しくしたのか
と穿ってしまいますが、これでも対象は「5分以上」なので、数分程度の遅れの頻度の高さはここからも窺えます。



遅延証明書記載の遅延状況を表計算ソフトに集計したものです。(単位は分)
Web上での発行が始まった10月16日から10月31日までの分。備考欄は私が把握しているもののみ。

これを見ると平日上りの朝ラッシュは意外に定時運転。
むしろ朝は下りの方が遅れ日中時間になると更に遅れが増幅され、そのままずるずると夕方以降に持ち越されるという状況が推測できます。

首都圏の多くの通勤路線では朝ラッシュ時の遅れには手を焼いていて、例えば東急田園都市線ではラッシュ時の都心方面の急行運転を中止し準急に切り替える。など試行錯誤をしています。
しかし小田急の場合、問題は朝ラッシュ時よりも日中以降の時間帯に問題があるようです。
以前に日中時の遅れ問題に関してはこのブログでも「本厚木以遠区間での混雑問題」という事で書きましたが、本厚木を過ぎれば問題ないのかといえばそんなことはなく、その先、町田・登戸・・と進むにつれて更に遅れが増幅していく事も多々あります。

現在の小田急線ダイヤは、快速急行登場など白紙改正された「2004年12月改正ダイヤ」を基本としています。
上りを例にすれば
「相模大野行急行と快速急行」「快速急行と多摩急行」「多摩急行と区間準急」などを連絡させ快速急行通過駅でも有効本数と速達性を確保した鳴り物入りのダイヤも、ダイヤ乱れで接続を解除して連絡相手の列車を先に発車させてしまえば、無意味どころか逆効果になります。

なぜこんなに遅れるのか・・・考えられる原因を羅列してみると

新宿や小田原など折り返し駅での折り返し時間が短すぎるのではないか?
平日は新宿~相模大野間で純増したので、乗客が分散すると考え余裕時間を削ったのではないか?
6両の急行や各停が特に一部の混雑区間で足を引っ張っているのではないか。
「通勤ラッシュの逆方向もよく混む」は小田急の特徴だが、朝ラッシュ時下り等の輸送力が不足しているのではないか
快速急行の新宿~町田29分運転は無理があったのではないか。ロマンスカーより3駅多く止まるのにダイヤ上の所要時間は変わらないかむしろ少し早い。

などが推測され、実際には種々の要因が秒単位で積み重なっているのでしょう。
また、07年6月の東海大学前駅でのドア閉め事故の影響で発車時の安全確認が長引いた。という意見もあるかもしれませんが、それ以前から慢性的に遅れていたのも事実です。
更には05年4月の福知山線事故の対策で無理な運転をしなくなった。という意見もあるかもしれません。
しかしながら、言うまでもなくそもそも「安全な運転をしていたら遅れる」というダイヤは欠陥品でしょう。

逆に「定時運転」出来るであろう要素もあり、近年は通勤車両の置き換えが進み、多くの旧式(というにはまだ早い?)車両が引退し、性能が高いはずの新型車両が登場し運転時間には余裕が出来たはずです。
特にここ数年は毎月・下手すれば毎週のように新型車両が登場して電車の世代交代が進んでいます。




注)M2=2分遅れの意
小田急では遅延時分をMなんとかという用語で表現するようで、駅の案内放送などで
「業務連絡。2???はM4 厚木通過」
という感じで聞くことが出来ます。
2???は列車毎に割り振られたコード番号のようなもので、1000番台は開成~足柄通過の急行・2000番台は停車急行・3000番台は快速急行のように種別などによって割り振られています。
ダイヤ改正時に書店や売店で販売されるB5サイズの時刻表に「列車番号」として載っています。

という事でこの場合は「次の急行箱根湯本行は4分遅れで厚木駅を通過しました」という意味になります。
一般客が分からないように業務放送している暇があるなら、↑のようになんでちゃんと案内しないのかと思いますが、近頃は以前よりは「遅れ状況や○分遅れ」の案内放送を聞くようになった気がします。



秦野駅のひとコマ。後発のはずのロマンスカーが先に通過しています。
停車中の急行小田原行は約12分遅れで発車しました。

下りの場合、先行の急行などが遅れると後続のロマンスカーを先に通すために、本来新松田で特急の通過待ちをするところを、秦野に変更。という裏ダイヤが時々あります。

このため、
本厚木近辺では7分程度の遅れ
秦野は7分遅れで到着(特急待ち)10分遅れで発車
渋沢は10分遅れ
新松田では10分遅れで到着(本来のダイヤでは特急の通過待ちをする停車時間があるので)7分遅れで発車。

という全体としては遅れの影響を後続の特急におよばさないように変更されるのですが、
「松田で乗り換え時間が10分あるから、7分遅れなら大丈夫か・・?」
と思っている時に秦野でこれをくらと本当に腹立たしいです。
こういう時は秦野でどっちのホーム(本線の2番線か退避線の1番線)に入るかで、松田の乗換えが決まるので秦野到着直前はドキドキだったりします。
「もうJRみたいにちゃんと順番守れよ~」と言いたいぐらい。

しかも放送で「本日に限り秦野駅で通過電車を待ちます」とか言ってるのを聞くと「本日に限りって言いながら、何回秦野で通過待ちしてるんじゃぃ」と言いたくなります。
「本日に限り=裏ダイヤに切り替える」という小田急用語なのかオイオイと思うぐらい。


遅れが頻発し、もはや定時運転が珍しい現状の状況から結論すれば

「2004年12月改定の現行ダイヤは失敗作である」
と言わざるを得ません。

また、来年08年3月に予定されているというダイヤ改正にて、余裕時間や折り返し時間を増やしたり、6両運転列車を減らすなど、抜本的な「遅れない」「遅れにくい」「遅れても回復できる」ダイヤに改善されず、相変わらず慢性的に遅延するダイヤを施行したとすれば

「小田急は旅客運送事業者としての資格に疑問」
「鉄道マニアが引いた架空(想定)ダイヤ並のダイヤと言ったらマニアに失礼」
「そう遠くないうちに大きな事故をやってもおかしくない企業体質」

と結論することが出来るでしょう。

大手私鉄など大規模鉄道のダイヤ改定作業には、下準備も含めて少なくても半年~1年はかかるとも言われています。来年3月改定ならば、既に新ダイヤ策定の作業に入っているころでしょう。

新ダイヤがどのようなダイヤになるのか?
「いつも遅れる小田急」
「M3(3分遅れ)は小田急定時」
「時刻表が役立たない」
などの種々の汚名が挽回できるのか?

小田急電鉄の鉄道事業者として、また企業としての体質やサービスレベルが問われています。


という事で、小田急線の遅れ問題について書いてきましたが、腹を立てていても仕方がないので、定期を買って各駅の遅延証明書でも今のうちにコレクションするとしましょうかね?
駅でもらう遅延証明書は昔ながらの改札鋏を使っている事が多いので、今となってはなかなか貴重なんです。

こういう風に逃げられるから鉄道マニアってやっぱり得??

ダイヤ乱れの影響で4両の各停海老名行の写真を撮れた日にはもう嬉しいぐらいですよ。(過去にあった)
でも本当に急いでいる時や遅らせられない約束がある時は逃げれませんが・・・・

**********

このブログの関連記事
快速急行本厚木4分遅れの図
「お客様混雑のための遅れ」って誰が悪いの?

小田急線の現行ダイヤは2004年12月改正ダイヤが基本ですが、2006年3月の小田原~箱根湯本間の登山鉄道車両の運行停止時に主に小田原近辺で修正しています。
この影響で小田原駅ではホームのやりくりが更に厳しくなりました。

JR東日本:遅延証明書サービス概要
http://traininfo.jreast.co.jp/delay_certificate/service.html

小田急・遅延証明書発行
http://www.odakyu.jp/cgi-bin/user/emg/delayinfo_bbs.pl

インターネットでの遅延証明書発行は小田急以外にもJR東日本等も行われていますが、
「JRはあまり発行されてないから優秀じゃん」
と思われた方はぜひ「サービス概要」も比較してみてください。
情報公開は重要です。

07/11/4 6:03UP

コメント一覧

きよぴ
とある京急ファンさん、はじめまして。

以前の記事でも書きましたが「乗客集中」とか「お客様混雑」を遅れの理由としているような鉄道事業者は本当にどうかと思いますね。
「遅れるのは乗客が悪い」と言っている訳ですからね。

最近は小田急も以前よりはやや案内するようになりましたが、朝に車両故障で3分遅れている時は車内では数駅毎に「車両トラブルで遅れまして・・」と放送して各駅では「お客様の到着が遅れまして・・・」と放送するくせに日中の自然遅延は5分遅れてもダンマリなのはどうかと。

進めば進むほど遅れるのはやはり全体としてダイヤに余裕がない。一度遅れると取り戻すチャンスがないのが原因なのかもしませんね。


ntj21さん、こちらではおひさしぶりです。
西武線は優秀ですね。
東武東上線の影響で大規模遅延とかなんか切ないですね。

「車両故障」や「信号故障」も件数が多ければ、それだけメンテナンス(=安全運転)に力を入れていない。予算や人員を割いてないとも考えられるので、障害が少ない会社。というのは褒められて、多いところは非難されてしかるべきだと思います。

遅刻の言い訳に使えないといえば、相鉄沿線の高校出身の人に聞いたのですが、相鉄線は台風が来ても止まらないので学校が休みならない。そうそう遅れないので遅刻できないということで不評だったそうです。
きよぴ
漣みさきさん
鎌取駅での一件、もし「わかしお」の指定券や自由席券を事前に買って持っている人がいたらどうなったのか気になりますね。なんか小田急だったら文句をいえば(言わなくても?)払い戻してくれそうですが、JRだったら「余裕を持って蘇我駅に来ないのが悪い」とか言われて払い戻してくれなさそうなイメージがあります。
まぁ小田急も最近はややましになりましたが案内放送をあまりしないし(その割に障害が原因で遅れるときはくどいぐらい放送する気もする)確実な事は言えませんが。

安定していたといえば複々線が暫定的に完成して使用していたけどダイヤは変更前。の頃は新百合ヶ丘5分遅れで発車した特急が新宿で3分取り戻したり、ある意味凄かったですね。
バスは今はGPSで位置情報が見れるからかえって遅れている時は分かりやすいですよね。鉄道は愛環線ぐらいなもんだからサービスが悪いですよ。整備が進んでいない電光掲示板のない駅では
「(予定の電車が)もう行ったのか。これから来るのか良く分からない。それが小田急クオリティ」ですw

めーかん250さん
>本当に最近は鉄道の定時性が損なわれている
全く同感ですね。そのうち「鉄道は定時性があるので渋滞がある車よりいい」とか死語(死文?)になるんじゃないないですかね。電車の遅れや遅延証明書が遅刻の言い訳に使えないとかなりそうです。

各路線の直通化・・ですが、やはり折り返しや主要駅で余裕を取ったり、途中での折り返し運転・臨時列車の運転など、遅れにくいダイヤ・なにかあった時の迅速な対応が肝だと思います。
以前新宿から東海道線直通の湘南新宿ラインに乗ろうとしたら「東北線久喜駅での人身事故により・・」と間引かれて憂鬱だったことがあります。
「大宮辺りで折り返し運転するなりしろよ~」と思いました。
ntj21
うちは西武池袋線沿線なので、遅延にあたったことがほとんどありません
ていうか、それであたりまえだと思ってました。

高校時代に電車通学してましたが、ひばりヶ丘付近で1~2分遅れていて
その先の混雑で、さらに遅れているような気がして不安になるのに、池袋着は定時だったり。

遅刻の言い訳に一切使えませんでしたよ。

専門学校に進学して、中央線のダイヤの乱れっぷりを見たときには
カルチャーショックを受けましたね~。

ちなみに、乗り入れしている地下鉄有楽町線もほとんどトラブルがおきないので、大規模遅延が起きるときは、事故か、東武東上線の影響です。
とある京急ファン
http://yaplog.jp/keikyu-kaitoku/
こんばんは。
私は毎日通学で小田急線を利用しているのですが、最近は遅延がない日の方が少ないです。
遅延の理由は「一部の列車に乗客が集中する」、「人身事故」、「車両故障」が多く、下り列車で町田付近で5分くらいの遅れでも小田原には10分遅れで到着することもあります。

小田急は進めば進むほど到着が遅くなりますが、JR線はその逆です。
遅延がどんどんひどくなる小田急は不思議です。

また、千代田線と乗り入れを行なっているので千代田線の遅れが小田急線にひびくこともしばしばあります。
めーかん250
http://yaplog.jp/meikan_250
こんにちは。
小田急線も大変ですね。いろいろと遅れの要素があるようで。
僕はJR神戸線沿線に住んでいますが、こちらも遅れがしょちゅうですよ。
新しい案内システムに変わり、LED表示機に「遅れ○分」と出るようになってから、ひどくなったような。
それになってから、救急隊員がはねられた事故、福知山線脱線事故が相次ぎ、今は飛び込み、立ち入り、急病人手配など遅れの要因がさまざまです。
また、アーバンネットワークは近年、各線の直通化が行われてため、1路線が遅れると他の直通路線にも影響が及んでしまいます。
来年春も、JRの「おおさか東線」というのが開業し、JR東西線、大和路線による直通が拡大されるので、ダイヤの乱れが更に拡幅しないか心配です。

本当に最近は鉄道の定時性が損なわれていると感じます。
漣みさき
>>「もうJRみたいにちゃんと順番守れよ~」と言いたいぐらい。
それがそうでもなくって、
以前に鎌取駅で普通電車を待っていたのですよ。これにのれば蘇我駅で特急わかしおに対面接続で東京ま35分と、僅か500円の投資で快適&スピーディーなのです。
フィーダーバスは5分前に駅に着いて安泰かと思いきや、定刻になっても電車がこない。そのうちに何の案内も無く、わかしお東京行きが通過、直後に普通が到着。
理由は判りませんが、何らかの理由で遅れが発生したため鎌取の前駅の誉田駅でイレギュラー対応にて特急が普通を抜かして回復に努めたのでしょうね。
当然、蘇我で特急が待っている筈もなく、憂鬱に総武快速で東京を目指しました。
 
という訳で、最速●分、よりも最遅▲分こそが、
その路線の保証される信頼度なのかなと思うわけです。
(当然●と▲の差は小さい方が良い。)

さて、本題ですが、今回のダイヤ改正が失格というよりも、実は少し前の小田急が異例的に安定しているのであって、小田急の歴史はダイヤ乱れの歴史だと思うのです。2400といえば回復運転で爆走するイメージですもの。

「快速急行が」というよりも、やはり多摩急行は本線スジ影響させないスタンドアローンがいいと思いますよ。当時各駅停車より空いていた毎時2本の田園都市快速のように20年がかりで育てるのじゃのう。
 
最近思うのは、もはや鉄道と高速バスって「顧客が感じる」時間の正確さに、その期待値の違いもあり、結果として大差ないんじゃないかと思うのですよ。最近の高速バスは「15分遅れで東京駅に到着の見込み」と案内があり、本当に15分遅れで到着(アナウンスに対しては定時運転)だとハラもたちません。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「小田急線+御殿場線+箱根高速バス」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事