キーンという耳鳴りが発症してから30年近くになります。幸い目眩はないし、突発性難聴でもないので日常生活には特に問題なし。季節や日によって調子が悪くなったり、落ち着いたりの繰り返し。中核病院の耳鼻科でMRIなどの検査もしてもらったのですが、脳や神経に特に悪い病気は見つからず、病名も薬もなしです。
調子が悪くなると、通常のキーンという耳鳴りに加えて
- 拍動(ドクドクという音)が聞こえ、
- 勝手に外耳道が炎症起こしたり、
- 耳の中で(呼吸するときの圧の変化で)ペコペコ音がするようになったり、
- 音のピッチ(音程・倍音)の知覚がおかしくなったり
- 聞こえる音の大きさが目まぐるしく変わったり、
- 少し大きな音は、極端に歪んでビリビリ音が混じったり、
- パリパリ、ガシャガシャという音がやけに耳に響いたり、
という症状が出たりしました。「出たりした」ということはそのうち治まったということです。
しかし、ここ数ヶ月は、最後の「パリパリ、ガシャガシャという音がやけに耳に響く」ということが日常的になってしまいました。
ネットで調べてみたら、どうやら「聴覚過敏」というのに相当するようです。(耳管開放症と一緒に解説しているようなサイトもありましたが、耳管開放症のように、自分の声が頭に響くということはありません。)しかし、背景となる病気については該当するようなものはありません。
どのように聞こえるかというのを実際に音にして表現できるといいのでしょうが、とりあえずここでは言葉で表現することを試みます。
- 紙をクシャクシャ丸めるときの音、キャンディの包み紙を開けるときの音→異様に乾ききったパリパリという刺激的な不快な音に聞こえる。
- 掃除機の音→突然耳の中でミンミンゼミが鳴き出す。(音量がランダムに数倍変わる。)
- 特定の人の声→耳に突き刺すような声に聞こえる。テレビ、ラジオでの人の声も同様。
- 皿洗い、風呂などでの水がピシャピシャする音→ホラー映画などで気味悪い音に加工されたような不快な音に聞こえる。
- 電動コーヒーミルの音→耳元で聞かされるような、思わず耳を塞ぎたくなるような音に聞こえる。(状況が許せば実際に耳を塞ぎます)
- 食器がカシャッと触れるような音→刺激的な、耳を突き刺すような音に聞こえる
- スーパーなどいろいろな音が混じっているところ→基本的にうるさくて仕方がない。何かの音が加わったときに、びっくりするような音に聞こえ、体が反応してしまう。(すぐうしろで突然クラクションを鳴らされた時にびっくりして体が反応するような感じ)
- 楽器の音(自分で弾くヴィオラの音)→突然耳元で鳴らされたような大きな音、すりガラスや黒板をひっかくような、刺激的でいやーな音に聞こえる。
- 音楽→ものにもよるが、すこし音が強くなったり、高い音、金属的な音が混じると、急に突き刺さるような音が混じってくる。極端に歪んだ汚い音、スピーカーのコーン紙が破れてビリビリする音。
ネットで見てみると、この手の「知覚過敏」に悩む人、特に若い人がたくさんいるようです。この症状を持っていると、都会など、いろいろな音があふれているところでは、「聴こえ」が簡単にパニックを起こしてしまいます。ちなみに、日本は特に公共の場でのスピーカーの音(いわゆるBGM、アナウンス、電子音)が多過ぎると思います。過敏症の人には本当に辛い環境だと思います。
幸い、私の普段の生活は、家の前を通る車も殆どなく、一人でいることが多く、家の周りを散歩してもスピーカーの音は皆無に近いので、いまのところ日常生活にこれといった不都合はありません。
ただ、買い物などに出かけたときは、ちょっとした耳栓代わりに、インナータイプのイヤホンをダミーでつけておいたほうがいいかもしれません。今だとスーパーで突然両耳を塞ぐ変人に見られているでしょうから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます