4月に退職してからというもの毎日のようにまとまった練習時間が確保できた。したがって振り返りも主に退職後の話になる。
まず
ビオラの構え方を改善しようとした。当初は顎で挟む位置をもう少しテールピース付近に持ってこようとした。そこで顎当てを取り替えることにした。顎当ては高めのものを自分で削り何度も試行錯誤してやっと満足いくようなものになった。具体的には、楽器の淵の近くで顎が引っ掛けられるように、凹みを大きくした。
弦も4本とも取り換えてみた。
ネットで色々調べていて音色と音量、音の立ち上がりを重視した(かなり欲張り)。
A線はチェロの弦で定評のあるLarsenにした。
残りの3本は「エヴァ・ピラッツィ」。交換直後は同じメーカー同じ銘柄とは思えないほどに、音色にばらつきがあった。特にD線はこもった柔らかい音で、楽器が変わったような音になった。3ヶ月ほど経つとバランスの違いは少なくなって、全体的に整ってきたように感じた。
肩当て
12月にはついに肩当てHOMAREに交換した。今現在まだ完全に慣れてるとは言えないけれども常に構え方や姿勢を意識するようになった。
練習方法について
YouTube のプレミアムの契約をした関係もあり、 YouTube で弦楽器の練習方法関連の動画をたくさん見るようになった。これまでの練習方法をそれらを参考に変えてみた。まずは小野アンナの音階練習を取り入れたこと。それからセヴシックのポジション移動のエチュードを再び取り上げて、ほぼ毎日練習するようになった。
その結果ポジション移動が楽にできるようになり、また、シフティングのノイズも減らすことができた。
セヴシックのエチュードは、同じパターンの繰り返しが多いので、無料の楽譜作成ソフト、Musescoreを使って簡略版の楽譜を作った。実際に毎日それを使った練習をするようになった。
さらに動画のコメント欄で紹介されていた、弦楽器のピッチ(イントネーション)をリアルタイムでモニターするアプリ「Intonia」を購入。これを使った練習は自分にとっては一種の革命的な出来事でもあった。
練習の成果などについて
米フィルでスピッカートやソルティエを使う曲が多かったこともあり、Kreizerの13番をスピッカートで弾く練習をした。その際、手首の力や腕の力を抜くと楽にできるようになることを発見した。
米フィルの練習では、当初は久々のオケということで力み過ぎてしまい、肩から腕のこわばりが強くて思うように弾けなくてショックを受けた。その後気を取りなおし、後半の練習は力を抜くことを意識するようになり、本番も思ったより失敗が少なく演奏することができた。
12月にはオケセンの練習に出たが、初めてのオケで、ヴィオラが3人だけ、しかも弦のトレーナー練習ということで、そこでもやはり肩の力が入ってしまい全く弾けなくなりそうだったが、意識的に体、特に肩と右腕の力を抜くようにしたところ、なんとか破綻せずに弾くことができた。
12月に肩当てをHOMAREにしてからは特に姿勢(構え方)を意識するようになった。(見出し画像は従前の肩当てを使用していたときのもの)
その結果、
・右手の力を抜いてリラックスすると逆に音の立ち上がりが上手くできる
・音の粒立ちもはっきりするようになる
ことが実感できた。左手も同様に押しっぱなしではなくて、押えてすぐに力を抜くようにすると、意外に音程も安定し、トリルも速くできるようになることが分かった。これは非常に大きな発見だが、実は、カナダ在住のJoy Leeの動画がとても参考になった。彼女の動画は非常にたくさんあるが、参考になるものもとても多い。
体の使い方のイメージ
まず、Facebookで仙フィルのチェリストのYさんの書き込みで、
けん玉のコツは重力と対話しながらすること。それはが弦楽器を弾く右手の動きも関係しそうだ。
という趣旨の書き込みがあり、今までモヤモヤしていた感覚が一気にインスパイアされた。
端的にいえば、重力と対話、重力を感じる、利用するということ。大げさに言えば重力がなければ、リズムも音楽も生まれなかったであろう、と。重力はリズム感や体の動きにとって、本質的なバックグラウンドなのだ。
そう考えると、拙作のメトロノームアプリ「アウフタクト」も、結構いいところを突いている気がする。
もう一つはつい最近の意識(HOMAREにしてから)
楽器は鎖骨の上に乗せる。肩当ては鎖骨のところだけに乗っかる感じで、後はかなり自由に動かせる状態で良いということ。
楽器を支える力、つまり顎あてに乗せる力は、頭部の重さだけで構わない。ここでも重力を利用するのだ。
そのときに、頸椎の最上部で頭蓋骨と繋がってる関節のところだけが曲がるようなイメージが大切。
松ヤニなど鼻のアレルギー対策。結局は原因不明のまま。年末になってほとんど症状が出ていないのが幸い。これまでと同じ松ヤニを使っている。アレルギーレスの人工合成の松脂はやっぱりノイズが大きく弾いていて感じが悪い。
松脂については、9月過ぎから、つける量をかなり少なくしてみた。一日の練習の前に、2往復半程度。これでも、ちゃんと重力と対話して、力みのないボウイングができれば、ちゃんと粒立ちのいい音が出ることがわかった。ついでに書き留めるが、弓の張り具合も、これまでよりもかなり弱く(*)しておいても、ちゃんとスピッカートやソルティエができることがわかった。(*普通の鉛筆が通らない程度。)
松脂については、9月過ぎから、つける量をかなり少なくしてみた。一日の練習の前に、2往復半程度。これでも、ちゃんと重力と対話して、力みのないボウイングができれば、ちゃんと粒立ちのいい音が出ることがわかった。ついでに書き留めるが、弓の張り具合も、これまでよりもかなり弱く(*)しておいても、ちゃんとスピッカートやソルティエができることがわかった。(*普通の鉛筆が通らない程度。)
まとめ、これから
この一年とというか4月からは、これまでになく、エチュード中心の練習ができた。それとともに思うことは、この歳になって、いかに楽に末永く弾くことができるようになるかということ。これが今後の一つの大きなテーマだということだ。
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