能面ヴィオラ

最近、能面教室に通い始めました。能面とヴィオラにはいろいろ意外な共通点が!

ヴィオラと能面(その2)

2024年03月21日 | 能面

前回は「ヴィオラと能面」ということで、音色や表現という「味わい」の部分について書きました。

今回はヴィオラに限定せず、楽器全般あるいは弦楽器という観点で能面との類似点についてです。

 

能面は、能の演者がその面をつけて舞台で演じて初めて価値が発揮される。といわれます。

考えてみると、これは、楽器と同じですね。楽器も、演奏者によって曲が再現されて初めて楽器本来の働きをすることができます。
楽器の職人(特に弦楽器)は、常にその楽器が演奏されたときに、どのような響きが出るか、ネックの太さや指板や駒の高さなど、演奏者にとって弾きやすいかなどを考えたり想像しながら製作しています。

そう考えると、能面を作るときも、単に目や口元の表情を「うまく作」ればいいのではなく、全体のバランス、面の重さ、つけ心地、(演者が直接向き合う)裏面の彫りの雰囲気などにも配慮して、どんなストーリーの演目で使われるのか(その登場人物の感情や人間の本質的な感情)まで想像しながら一つひとつの工程を進めていくべきなんでしょうね。

ところで、弦楽器の製作、能面の製作という点で、「自由が丘ヴァイオリン」の横田氏が「ヴァイオリンと能面の類似性について」というブログ記事を書いておられました。(→こちら
そこでは、「『 オールド・バイオリン 』が製作された 1500年代前期から1800年頃までの製作状況が、能面の製作と重要な部分で共通している」と指摘されています。記事の前編では能面について、後編では弦楽器の “写し” の特徴について述べられています。
確かに、バイオリン関連だと、名器ストラディバリウスのコピーというものは有名ですね。能面の場合は、本面といわれる面を忠実に写すというのが一つのスタンダードになっているということです。(汚れや傷、裏面の署名までも忠実に写すこともあるのだとか。)

ヴィオラと能面、一見すると全然違う世界のものですが、こうやってみると案外共通点、類似点がありますね。そもそも、ヴィオラ好きの私が能面に手を出したというのも、どこか共通点があったから、ということなのでしょう。こんどは私自身の価値観・嗜好の観点から考えてみたいと思います。



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