この書籍は、母が丸谷 才一氏のファンであったので、その読み終わった本をそのまま読むという流れで接していた。2年前の1月、Kindleになっていることを知って何十年ぶりに読み返してみた。
最近では、「食」が食べログなどの評価サイトの5段階の点数かインスタ映えした話題の食べ物で評価が決まってしまう時代。活字を読み進めて行くうちに、その素材や旨味が想像できて見えてくる。
その方が、自分が口に含んだようにおいしさが伝わってくる。
店内はどうだろう、人の空気感が伝わってきて繁盛店であることも想像できたりする。
食は五感のひとつだとすれば、最近の写真たっぷり、人それぞれのレビューには食感がない。
※ベトナム・ダナンにある「PHEVA CHOCOLATE」は、日本人でいっぱい。
食紀行のような構成ですが、今の時代に作者が生きていて、この☆と溢れる写真で決める店をどのようにペンにおさめていくか。叶うなら読んでみたいと思わせる。古い文体なので、今若い人に取っては読みにくい書物のひとつとなるが、食べ物の話題なので何とか分かりやすいと思う。
おいしいでもうまいでもなく、綺麗とも判断できない、活字であらわした情景に風味・香味そして雑味が加わっていく。
今回、恒例の「Kindle月替わりセール」で「食通知つたかぶり」が199円のセール中です。紙の文庫本でも843円なので一冊お手元においておくならチャンスだと思います。
Kindle版を選ぶと、元になっている文庫本の(¥ 843)より ¥ 644 (76%) 分お買い得です。
食通知つたかぶり (文春文庫) | |
丸谷 才一 | |
文藝春秋 |