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FIA、2008年のレギュレーションを発表

2005-12-23 04:00:55 | F1
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21日(水)、FIAが2008年のF1テクニカルレギュレーションの全てを明らかにした。その内容は以下の通りで、その中にはかなり面白い提案も見られるが、ただの思いつきで採用しただけで、またすぐに方針が変更されるのではないかとの不信感は拭えない。このレギュレーションには、自動車メーカーの意向が全く反映されていないから、両者の最後の話し会いは不発に終わった様だ。モズレー会長の発言も、以前の様にヒステリックで、自動車メーカーを挑発する様な態度に戻っており、妥協に応じる考えは全くない。かと言って、自動車メーカーに何等かの打開策があるとは思えず、F1分裂しか道はなさそうだ。

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 2008年FIAフォーミュラワン世界選手権 レギュレーション  2005年12月21日

2005年の初めにFIAが2008年フォーミュラワン世界選手権のレギュレーションを協議する為にその内容を発表してから、このスポーツ係わる全ての利害関係者がその協議に参加する機会が与えられた結果、最終的に世界の180の国々から9万人以上のファンを含めた人々がこの協議に参加した。

FIAが提示した2008年レギュレーション案の目的は、フォーミュラワンに参戦するコストを大幅に減少させる事にある。このレギュレーションは、コストを浪費しようとする意思を失わせると共に、通常のスポンサーを持ったプライベートチーム(およそ1億ドルの資金を想定している――それでも実際にはまだこの金額は大きい)でも、3億ドル以上の資金を用意できる自動車メーカーと戦える事を可能にさせるはずだ。FIAは現在自動車メーカーが使っている予算の金額を容認できないし、その事によってフォーミュラ・ワン全体を危機に陥らせる事になるはずだ。

マックス・モズレーFIA会長談:
「このスポーツの統括方法や、更にはFOMがチームにいくらのお金を与えるかについて議論する事はフォーミュラワンにおける真の議論ではない。コストが全てだ。」
「この世界選手権は財政的にプライベートチームが存続出来るものでなければならない。2、3の自動車メーカーが無制限の資金を使って勝利を狙う事は、その事に反する。そうしたやりかたはモータースポーツに大きな損害を与える―それはつい最近、アメリカのIRLで見た通りだ。我々はF1がそうなる事を望まない。」
「ある自動車メーカーは彼等の年間利益の半分以上を使っているが、これを容認しておくわけには行かないし、その内株主から指摘される事だろう。」

コスト削減の試みの一部には、独立系のサプライヤーが安価な値段で、強力なエンジンを供給する事も含まれている。他のやりかた――自動車メーカーがプライベートチームにエンジンを供給するという方法――は必要なくなる。自動車メーカーは2003年にそうする約束を行なったが、それは必要なくなる。また
一方で、トラクションコントロールを存続させる代わりに安価なエンジンを供給するという約束も反故にされる。

新しいエンジンルール(FIAがパワーを制限する為に導入したもの)は元々自動車メーカーがコスト削減の為に提案し、実行されたものだという事を忘れてはならない。それに係わらず、いくつかの自動車メーカーはコストの高騰に不満を述べている。適切な運営を行なうエンジンサプライヤーなら、大幅なコスト削減が可能なはずだ。

以前に説明した様に、FIAには2008年のテクニカルレギュレーションを2005年12月31日までに発行する必要があるが、そのレギュレーションは現在FIAの公式ウェブサイト(www.fia.com)からダウンロード出来る様になっている。以下に掲げるのはその要旨である。

・新しいテクノロジーは、それを編み出したチームに1シーズンだけアドバンテージを与えるが、その翌年に多大な資金を使って他のチームがそれを真似しようとするから、1年目が終わった後は禁止される。(第2章5条)
趣旨:コスト制限。これは新しいテクノロジーを開発したチームにはそれを開発したアドバンテージを許すが、他の全チームが多大な資金を使ってそれと同じテクノロジーを開発する事を禁止すべきだ。それを許せば、全チームが多大な資金を使ったとしても、結局みんなが一緒なレベルに戻ってしまうだけだ。

・リアウィングは2つに分割される。
趣旨:この事により、後ろを走っているクルマのパフォーマンスが良くなる事が研究により解明された。その結果、オーバーテイクがし易くなる。

・2006年のレベル以上にコーナリングスピードを上げない様にする為、ドラッグレベルを維持したまま、ダウンフォースを下げる様にボデューワークに対するレギュレーションを変更する。(第3章)
趣旨:安全性

・渋滞におけるクルマの挙動を良くする為に、クルマのフロント部分のボディワークのレギュレーションを変更する。(第3章)
趣旨:オーバーテイクを容易にする為。

・エアロダイナミクス分野開発から生じる“うまみ”を減少させる。(第3章)
趣旨:コスト削減

・最低重量を605kgから550kgまで減少させる。(第4章)
趣旨:高価で意味のないバラストを使う為に55kgの重量を削る事に多大なコストを使うのを避けると共に、世界中にクルマを運ぶ輸送費が軽減される。また、余分な重量を減らす事により、クルマはより安全になる。

・エンジンのレブは1万9000回転に制限される、2万回転に制限を引き上げる場合は、チームと協議する。(第5章1条3項)
趣旨:コスト削減と、市販車に釣り合ったエンジン開発に目を向け直す為。

・フォーミュラ・ワンにおいては、エンジンやギアボックスに標準的な電子制御ユニットを常時使用する。(第8章2条)
趣旨:コスト削減、トラクションコントロールを含むドライバー補助装置を廃止する為。FIAにはエンジンをチェックする為にテストする事が許される。

・ギアレシオは最低12mmの厚さを持っていないと行けない。(第9章3条3項)
趣旨:ギアボックスをより頑丈にする事によりコスト削減が出来る。

・クルマの中からタイヤの空気圧を調整する事が許可される。(第12章5条)
趣旨:安全性、特にセーフティーカーが入った時の為。

・ホイールの最大直径を前輪は640mmに、後輪は710mmまで拡大する、最大幅は前輪365mm、後輪460mmとし(第12章4条)、スリックタイヤとする。
趣旨:オーバーテイクをし易くする為に、エアロダイナミクスのダウンフォースが減少した分、“メカニカル”グリップを増加させる為。

・クルマの製造には決められた材質しか使う事が出来ない。(第15章1条)
趣旨:コスト削減。

・少なくとも5.75%は、燃料中に生物から作った成分が入っていなければならない。(第19章4条5項)
趣旨:市販車燃料の開発を進める為。

・2009:2009年から、各チームはシーズンがスタートした後は、ボディーワークに2つの変更しか加える事が出来ない。
趣旨:コスト削減。

エネルギーの貯蔵・再利用システム(ハイブリッドシステム)を許可する意向がある。しかし、これにより参戦しているチームに予算的な困難を与えないようにしなければならない。

2008年のテクニカルレギュレーションに加えて、2008年のF1スポーティングレギュレーションも変更するつもりである。これらについては2006年3月22日に開催される世界モータースポーツ評議会において提案され事になるが、それには以下のものが含まれている。

・2008年からタイヤを1社提供とする事。
・3グランプリ、1エンジン
・4グランプリ、1トランスミッション
・エンジンやギアボックスを交換した場合に重量ペナルティーを課す事。
・テスト制限。
・1グランプリに使うクルマを2台に制限する事。
・2008年のエントリー申請の開始及び終了日程。

現在のコンコルド協定が規定するクルマのコンポーネントや完全なシャシーを他の競争相手に売る事を禁じた項目を更新するつもりはない。これらに関しては全て自由にするつもりだ。


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