金木犀の、人生大転換

60歳を目の前にして人生の転換期がやってきました。さてこれからどんなことが起こるのでしょうか?? 

父89歳、母84歳のハイキング

2023-10-19 09:25:39 | 家族


こんにちはーーー金木犀です!



昨年12月に、父89歳が、
道路で倒れているところを発見され、
救急搬送していただき、一命を取り留めて、


徐々に回復し、


今年3月には、
退院の見込みが立ってきました。










院内では杖をつくか、歩行器か、
壁を伝って、なんとか移動している
という状態でした。


オムツさえ、はいていれば、
シモの世話はそれほど
必要ではありませんでしたが、


退院となると、入浴介助、
病院やリハビリへの送迎(介護タクシー)は、
最低限必要です。




これまで、ブログに、
何度も書いてまいりました通り、


うちの実家は、車も入れない、
きっっっつい坂道を登った山の中にあり、


介護に来ていただくのは
無理だろうという判断で、


父の退院後の行き先は、
ほぼ、ホームに決まりかけていました。


母の世話になりたくないという、
父の強い意思があったからです。




そこへ、







車をつけられるところに住まいを借りて、
両親に生活してもらったらどうか、
という提案を、上の弟がしてきました。


1人のホーム代より、
2人で仮住まいを借りる方が、
安くつくというのです。



母が介護をするという前提なので、
母の負担が増えることを
きょうだい全員が心配したのですが、


母は、

「おとうさんをホームには行かせたくない!」

と毅然と言い張ります。


この60年の結婚生活、
けっこうひどい目に
遭ってきているはずなんですけどね。



母ときょうだい3人の家族会議の結果、


元の家に近く、
上の弟の家と仕事場に近く、なおかつ、
父が通っている病院・リハビリが近いところに、
仮住まいを借り、


両親は、元の家を置いたまま、
仮住まいでの生活を始めることになりました。
それが、この4月のことです。



弟たちは、
「おとうさんが、どうしても家に帰りたくなったら、
 最後の坂は、俺らが背負って登るから」


と言っては、くれていましたが、


家族の間では、


「おとうさんは、もう一生、
 元の家には帰られないだろう」


というのが暗黙の了解でした。











さて、仮住まいでの新しい生活が始まり、


父は、病院やリハビリには、
介護タクシーを使っていましたが、


そうこうするうちに、
平坦な道とEVを使って行ける、


スーパーや図書館、
ショッピングセンターには、
シルバーカートを押して、
1人で行くことができるようになりました。




そして、YouTubeに影響されて、
デイサービスにも通うようになり、


規則正しいプログラムと
食生活に背中を押されて、
体重も少しずつ増えました。


スタッフの方々と会話することで、
理解力が上がり、
話す内容が明瞭になってきました。




そして退院から5か月経った
10月15日、

父は、


「いちど家へ帰りたい。
 ひとりで行けるところまで行くから、
 おかあさんは付いてこないで」


と言い置いて、
シルバーカートを押して、
出かけて行ったらしいのです。


母の心境としては、

どうせアカンねんから、
まあ気の済むようにしたらええわ、

ということだったらしいのですが、


父は1時間ほどして帰ってきて、


山の中腹あたりまで、
シルバーカートを押して、
登ってきたと言うのです。


仮住まいからだと、
行きは、ずっと上り坂です。



まさかあ。

それが、私の口から漏れ出た感想でした。


なにはともあれ事故もなく、
行ってこられてよかったね。
ヒヤヒヤ。





***





そしてその2日後の朝、


母から電話がありました。



「今から、おとうさんと2人で、
 家へ帰ってきます。


 ぼちぼちゆっくり行くし、
 アカンかったら戻るから大丈夫」


えええ、そんな急な。

ヒヤヒヤして電話を待っていたところ、



1時間後、父から電話がありました。


「ふふ。今、どこにいるかって言うたらねー。
 マンションじゃないよ、
 家の、食卓の、椅子の、上に、
 ゆーーっくり座っています。ふふ。」


えええーー!!


頭が混乱しました。


あの最後の険しい坂道を、
カートでどうやって上がったん??


若い人ですら、
休憩なしでは上がれない坂道です。


「カートはおかあさんに持ってもらって、
 ボクは手すりを持って、ゆっくり上がった」


ちょうど父が倒れる前、
最後の坂道に手すりをつけていたのが、
功を奏したようです。


イヤイヤ、驚いて、涙が出ました。


「コンビニでサンドイッチと紅茶買うたから、
 これから、おとうさんとランチするわ」


と母。


こうして1回目の父と母のハイキングは、
無事に終わったようです。


両親とも、これから、
元の家で暮らすことは難しいでしょうが、
こうやって時々でも、ハイキング気分で、
家に戻ることができたら、


頭も身体も、きっと良い方向に働くでしょう。


いやあ、両親のチャレンジ精神には、
やられました。


私も、ガンバラなくっちゃあねえ。



***例のサツマイモは、ここまで大きくなりました。



最後までお読みいただきありがとうございます。


金木犀でした!