児玉時計店 ブログ

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デラックス

2017-01-07 | 修理
“セイコーファイブDX”


当店でも修理のご依頼の多いモデル。
実用時計として酷使されたものが多いのですが、
その分、お使いの方の愛着が深いのも特徴です。









こちらのファイブDXも、かなりお使いになられた様子。
以前に他店でオーバーホールされた事があるとのこと。
カレンダーの具合が悪く、オ-バーホールと共に
その修理もご依頼を受けました。


ケースから、ムーブメントを取り出します。

曜日が回りきらない状態で、引っかかっている様子。
文字板を外してみると、


曜板がカシメ部から外れていました。


以前にも修理された形跡があり、ディスクのカシメ部が歪み変形してます。

メーカーでもパーツは絶版のため、出来るだけ歪みを修正してカシメ直します。


更にこちらの時計、ディスク下のバネ先端が、上向きに飛び出していました。



このままでは、日板が回転するときに、擦れて抵抗になり良くありませんので、
修正します。


これでスムーズに作動するようになりました。




その他、力のかかる香箱の修正等、オーバーホールを施します。




ケース・風防にもキズが多数、ヒビも見受けられます。

風防を取り外します。




こちらの風防、なんとか新品のパーツが入手できました。

ポリッシュしたケースに取り付けます。
専用の工具で絞って入れる、テンションリング方式の風防。
貴重な風防ですので、割らないように慎重に取り付けます。

エッジもしっかり立って、シャキッとします。


仕上がったムーブメントを、ケースに収め、









ピカピカに!!


と、ここでもうひと手間。
社外品の金属ベルトで幅の狭いものが取り付けてあったので、

スペーサーとなるスペア管を追加して、ガタつきを無くしておきます。

バンドが取り付き、

完成!!