恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

小説を検索しやすくするためインデックスを作りました

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インデックス ハルルートの譲二…ハルくんルートの茶倉譲二の小説の検索のためのインデックス。

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茶倉譲二 続編第七話~その4

2015-11-10 07:58:34 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第七話~その4

〈譲二〉

クロフネの前で、必ずまた戻ってくるからとみんなに話してた。

ちょうどその時、剛史の祖母のあい子さんに声をかけられた。

あい子さんがクロフネを使わせて欲しいと言う。

あい子さんの古い友人が訪ねてくるのだという。

50年ぶりに会う友だちとクロフネで再会を喜び合うつもりだというのだ。


譲二「すみません、数日間お休みする予定で…」

あい子「駅前の方にオサレなカフェがあるやろ。あんなんは落ち着かんしな」

譲二「参ったな…開けてあげたいんだけど…」


残念そうなあい子さんに百花ちゃんが声をかけた。

自分がクロフネを営業するというのだ。


百花「あの…料理は譲二さんの味を出すのは難しいと思うんですが…」

百花「コーヒーなら…淹れ方いつも見てますし」

剛史「コーヒーの方が難しいだろ」

春樹「たしかに…なんかマシーンとかあるなら別だけど…」

百花「そうかな…」


そうだな…。

この頃百花ちゃんが時々淹れてくれるコーヒーもココアもすごく美味しいし。

接客の手順も充分任せられる…。


譲二「…百花ちゃんにお願いしようかな」

譲二「お願いしてもいい?」


俺の言葉に百花ちゃんの顔がパッと輝いた。


百花「はい! やります! やらせてください!」


さっきまでの不安そうな表情はもう無い。

そうだ、その方がいい。

俺の帰りを一人で不安に思いながら待っているより、クロフネで働いていたほうが気も紛れるだろう。

ハルたちも次々と手伝うと言ってくれた。


そして…。

一護「……しかたねーから、特別なケーキ用意してやる」

一護「うちのケーキだって、商店街の人気商品なんだからな」

一護「百花の淹れたコーヒーでも、多少はごまかせるんじゃねーの」

譲二「一護…」


ゴメンな、一護。

色々と心配してくれた上に、応援までしてもらって…。


百花「ありがとう、一護くん」

理人「まーったく、素直じゃないよねー」

春樹「ホントだよ、心配なら心配って言うだけでいいのに」

竜蔵「これが流行りのツレツレってやつか」

剛史「ツンデレ」

譲二「まぁまぁ。これが一護の可愛いところなんだから」

一護「うるせーな! マスターも早く行けよ!」

譲二「うん。行ってくるね」


後ろ髪を引かれながらクロフネを後にする。

百花ちゃんがアイツラと一緒なのがちょっと癪だけど…。

百花ちゃんにとったら、手伝いがあった方がいいだろうし。

さあ、今からは実家のことに気持ちを向けないと…。


その5へつづく


茶倉譲二 続編第七話~その3

2015-11-09 08:08:43 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第七話~その3

〈譲二〉

翌朝、実家へ出かけるため店を出ると、リュウに声をかけられた。

その声の方をみると、店の外にはリュウだけでなく、ハルたちも集まっていた。

みんな昨夜のニュース速報を見て心配して来てくれたらしい。


一護「つーか、何だよその荷物」

春樹「やっぱり、家に帰るの?」

譲二「ああ…」


後ろめたくて、曖昧な返事しかできない。


一護「なんだよそれ!」


一護が俺に掴みかかる。


一護「百花残して、家に帰るってどういうことかわかってんのか! ? 」

一護「どうせ、クロフネも閉めるつもりなんだろ!」

一護「クロフネのことなんてどうでもいいんだろ!」


一護に揺さぶられながら、その言葉が一つ一つ胸に刺さる。

俺が一護の問いに答えられずにいると、百花ちゃんが叫んだ。


百花「そんなことない! 譲二さんはクロフネを大事に思ってるんだから!」

一護「百花…」

百花「譲二さんだって、たくさん悩んで、こうやって選んだんだよ!」

百花「一護くんだって、本当はわかってるくせに!」

一護「だからって…!」

竜蔵「おい、一護! 落ち着けって…!」

春樹「一護、やめろって…佐々木の言うとおりだよ」

春樹「ジョージさんがクロフネ大事にしてたの、一護だって知ってるだろ?」

一護「…離せよっ」

剛史「…マスターはどうするつもりなんだよ?」

譲二「たしかに家に帰るよ」

譲二「でも、必ず戻ってくる。約束する」

一護「…」

譲二「みんなもいるし、百花ちゃんもいるしね」


俺は百花ちゃんをの頭を撫でる。


(こんな可愛い子を置いたままには出来ないよ…)

譲二「それに…俺はクロフネをずっと続けたいんだ」

譲二「みんなが必要としてくれる限り…ここは俺にとっても大切な場所だから」

剛史「俺、マンデー読みたいから、必要」

竜蔵「俺もアイスコーヒー飲みたいぞ!」

春樹「俺も」

理人「僕もアイスティー好きだしね」


黙ったままの一護に語りかける。


譲二「一護、ありがとうな。店のことも、百花ちゃんのことも、心配してくれて」


俺を叱ってくれた一護の言葉、しっかりと胸に刻みつけたよ。

百花ちゃんのことを悲しませないよう頑張るから…。


譲二「みんなもありがとう。でも、閉めるわけじゃないから、そんなしんみりする必要ないよ」


みんなに語りかけながら、自分の心にも強く誓った。

このまま…中途半端で終わらせたりはしない。

大切なクロフネとそのお客さんたち、そして百花ちゃんとの暮らしは必ず守る。


その4へつづく


茶倉譲二 続編第七話~その2

2015-11-08 07:33:53 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第七話~その2

〈譲二〉

階下に戻り、百花ちゃんに兄貴から聞いたことを伝えた。

彼女は難しいことを一生懸命に理解しようと、真剣に話を聞いてくれた。



(ごめんね。大人の事情に巻き込んでしまって…)



俺は彼女に質問されるまま、なるべくわかりやすく説明した。

そして、一番言いにくいことを彼女に伝えた。



譲二「とりあえず明日、実家に戻ってみる」


言い訳がましいと思いながら口にする。


譲二「詳しい話を聞かないと、なんとも言えないしね」

百花「はい…」


百花ちゃんは不安そうに俺を見つめた。

俺は彼女をなだめるように顔を覗き込む。


譲二「大丈夫、そのまま帰って来ないなんてことないから」

百花「…譲二さん」

譲二「その間、店は閉めていくよ」

譲二「百花ちゃん、もし一人で不安だったら誰かに…」

百花「いえ…大丈夫です。私、ここにいます」


健気な彼女が愛おしくて、そのか細い身体をギュッと抱きしめた。

百花ちゃんを抱きしめていると、不安な気持ちが安らいでいく。

俺はもう…百花ちゃん無しではダメだな…。


その3へつづく


茶倉譲二 続編第七話~その1

2015-11-07 07:48:55 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
 

☆☆☆☆☆

茶倉譲二 続編第七話~その1

〈譲二〉

ニュース速報で、『武藤グループが茶堂院グループを吸収合併か?』というテロップが流れた。

俺は兄貴に電話して、その事情を聞いた。

ここ数年、茶堂院グループは経営に行き詰まり感があった。

武藤グループは最近急成長をしている企業グループだが、急成長したがために人材は不足している。

その武藤グループにとって、うちが長年かけて構築した人材や経営のノウハウは魅力的なものらしい。

そんな事情から、武藤グループに吸収合併の打診をされていたそうだ。



兄貴はなんとか合併せずに済むか、合併しても茶堂院グループの名前を残せるように業務提携で済ませられるように模索してきたらしい。

しかし、うちと違い武藤グループは飛ぶ鳥を落とす勢いで、茶堂院グループの中でも武藤傘下に入った方がいいのではという意見が少なからずあるみたいだ。


(兄貴が俺に『帰って来い』と言っていたのにはそういう事情があったのか…)


紅一『まあ、吸収合併といっても、まだ決まったわけじゃない。本当に合併するなら細かいところも詰めないといけないし…』

譲二「なら、どうしてニュース速報に?」

紅一『武藤の会長はちょっと口が軽いところがあるからな。親しい記者と雑談している時にポロッと失言したらしい』

譲二「兄貴、その細かいところの交渉というのはどうなってるんだ?」

紅一『お前は外に出ているくせに、そんなことはどうでもいいだろう』


言葉とは裏腹に兄貴の口調は弱々しかった。


譲二「茶堂院グループの一大事だ。明日、そっちに行って詳しく話を聞いてもいいか?」

紅一『そうしてくれるとありがたい…。こっちに来るなら資料も纏めておく』


兄貴の声から、明らかにホッとしたらしい気持ちが伝わった。


譲二「分かった」


兄貴との電話を切ると軽いため息をついた。


(百花ちゃんに何て話そうか?)


彼女には心配をかけたくない。

だけど、心配させないためには、本当のことを簡潔に言うしか無いだろう。


その2へつづく


ハルくんの独り言(本編14話)~その5

2015-11-06 08:35:29 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

ハルくんルート本編をハルくん目線から妄想してみた。
o(〃^▽^〃)o

ハルくんの独り言(本編14話)~その4へ


☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg 血液型:A型 特技:勉強・空手 性格:明るいしっかりもの。 優しくて明るい爽やか少年。小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。
4月25日生まれ

☆☆☆☆☆
ハルくんの独り言(本編14話)~その5

土手で佐々木と2人、川面を眺めながら、座っている。


俺はこの沈黙が気まずくて、このストラップを外してしまおうかと呟いた。


百花「ダメだよ、外さない方がいいよ」


佐々木は強くそう言うけど…。

このストラップは大事なものだったのかもしれない。だけどそう思うと余計悲しくなる。

だから、やっぱり外してしまおう。

佐々木にもそう告げた。


春樹「いつか思い出せたら…その時に、またつけるよ」


その時、佐々木の携帯にも俺と同じ四つ葉のクローバーのストラップが付いているのに気づいた。


春樹「あれ? 佐々木の携帯についてるの…俺のとお揃い?」

百花「あ…これはね、クラスで課外授業に行った時に、みんなで作ったの。だから、同じものがいくつもあるんだよ」


そっか…だから佐々木の携帯にも同じストラップが付いていたのか…。

話題を変えようと、俺は佐々木にクローバーが好きなのか聞いてみた。


百花「うん。幸福を呼ぶって言われてるし」

春樹「ははっ、そうだよな。ありきたりだけど、持ってるだけでラッキーになれそうじゃない?」


そう言って佐々木に笑いかけると、佐々木は驚いたように何かを言いかけた。


春樹 「どうかした?」

百花「ううん…何でもない」


「なんでもない」と言いながら、佐々木はとても辛そうだ。

ここ数ヶ月間の記憶が無い分、俺は不用意に佐々木を傷つけるような言葉を言ってしまっているんだろう。


春樹「…なんか俺、みんなに悪いことしてる…みんな悲しい顔するから…。佐々木にも、悲しい顔させてる。ごめんな」


百花「そんなことないよ! みんな、ハルくんのことが大好きなんだから」

春樹「…ありがと」


佐々木は優しいからそう言ってくれるけど…。

やっぱり今のままじゃ駄目だ。

何とかして今までの記憶を取り戻そう。


俺のためじゃなく、みんなのため……いや、佐々木のために。


ハルくんの独り言(本編14話)おわり


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