先日、街角で目に入った日経新聞の一面の論説に、千葉市の1%寄付税制についての記述があった。
今後、税の使途について政府や行政が決定権利をもつ現在の形が変わっていくだろうという希望に満ちた論説だった。
残念だったのは、その論説の中で引用されていた千葉市の市民税1%使途指定制度が、わずか数%の市民の参加に留まっているということだ。千葉市の同制度は、ハンガリーの所得税1%使途指定制度を参考に構想された。
私自身、数年目にハンガリーを含む東欧諸国の同制度に詳しい大学教授をお呼びして学習会を開催したこともあった。制度が施行された社会的背景、制度実施状況などは学んだが、実際に市民が同制度をどの程度認知し、活用しているのか、市民の声を直接聞きたかった。
ハンガリーの首都プダペストに着いたその日、宿泊先ホステルの男性スタッフ(30代)と雑談する中で、同制度について話題にしてみた。
「1%じゃなくて、2%だよ。もちろん僕も毎年、寄付している」と彼はあっさり言った。彼によると、ハンガリーでは、NPOや芸術分野(美術館等)に1%、宗教組織に1%、の合計2%を寄付指定できるのだという。
「僕は熱心な宗教者じゃないから、宗教分野には寄付しないこともある。でも、NPOには、毎年ちゃんと寄付しているよ。ここ数年は、ラジオステーションへ。非営利でいい事業をしている。応援したいんだよ」
そういうと、彼は、目の前にあったパソコンで、寄付をしているラジオステーション「TILOS」のホームページ(HP)を見せてくれた。偶然にも、日本の音楽を流しているチャンネルがあり、彼は「日本の音楽っていいよね」と日本の若者のグループの曲を聴かせてくれた。HPの中に、寄付先指定の際に必要となる税金番号が明記されている。年度末の所得税納入手続きの際、市民は、所定の用紙に寄付先の団体名と税金番号だけを記入すればいいのだという。
「寄付を始めた時期?正式に給料をもらうようになってからずっと。10年近くになるかな。友人も家族もみんなやっているよ。だって、政府は信用できないからね。上質なサービスを提供している団体に使ってもらった方がずっといい。ここはとてもいい番組を作っているんだ。仲間にもこのラジオ局のファンは多いよ」と、彼は熱っぽく語った。
どうして政府は信用できないと思うの?「金持ちはどんどん豊かになっていくのに、一般人はそうでもない。生活格差をなくすのは政府の役割のはずなのに有効な政策を提示しない。いつまでも貧乏人は貧乏のままだ」と彼は迷わずに言った。
数年前、県税使途指定制度の創設構想について、県が各地で県民対象の懇談会を開催したことがある。その際にわかったのは、「どうしてNPOへの寄付なのか」「NPOは信用できるのか」「宣伝ばかり上手なNPOに寄付が流れないか」という、一般県民のNPOに対する不信感が強いという事実だった。
活動や存在を市民に示してこなかったNPOの責任も大きいが、日本社会そのものが、まだ「市民が市民を信頼する」「市民が市民に対してサービスする」というベクトルへ動くことを躊躇っているのだ。
今日のブダペストは青空がのぞいて気持ちがいい。
今後、税の使途について政府や行政が決定権利をもつ現在の形が変わっていくだろうという希望に満ちた論説だった。
残念だったのは、その論説の中で引用されていた千葉市の市民税1%使途指定制度が、わずか数%の市民の参加に留まっているということだ。千葉市の同制度は、ハンガリーの所得税1%使途指定制度を参考に構想された。
私自身、数年目にハンガリーを含む東欧諸国の同制度に詳しい大学教授をお呼びして学習会を開催したこともあった。制度が施行された社会的背景、制度実施状況などは学んだが、実際に市民が同制度をどの程度認知し、活用しているのか、市民の声を直接聞きたかった。
ハンガリーの首都プダペストに着いたその日、宿泊先ホステルの男性スタッフ(30代)と雑談する中で、同制度について話題にしてみた。
「1%じゃなくて、2%だよ。もちろん僕も毎年、寄付している」と彼はあっさり言った。彼によると、ハンガリーでは、NPOや芸術分野(美術館等)に1%、宗教組織に1%、の合計2%を寄付指定できるのだという。
「僕は熱心な宗教者じゃないから、宗教分野には寄付しないこともある。でも、NPOには、毎年ちゃんと寄付しているよ。ここ数年は、ラジオステーションへ。非営利でいい事業をしている。応援したいんだよ」
そういうと、彼は、目の前にあったパソコンで、寄付をしているラジオステーション「TILOS」のホームページ(HP)を見せてくれた。偶然にも、日本の音楽を流しているチャンネルがあり、彼は「日本の音楽っていいよね」と日本の若者のグループの曲を聴かせてくれた。HPの中に、寄付先指定の際に必要となる税金番号が明記されている。年度末の所得税納入手続きの際、市民は、所定の用紙に寄付先の団体名と税金番号だけを記入すればいいのだという。
「寄付を始めた時期?正式に給料をもらうようになってからずっと。10年近くになるかな。友人も家族もみんなやっているよ。だって、政府は信用できないからね。上質なサービスを提供している団体に使ってもらった方がずっといい。ここはとてもいい番組を作っているんだ。仲間にもこのラジオ局のファンは多いよ」と、彼は熱っぽく語った。
どうして政府は信用できないと思うの?「金持ちはどんどん豊かになっていくのに、一般人はそうでもない。生活格差をなくすのは政府の役割のはずなのに有効な政策を提示しない。いつまでも貧乏人は貧乏のままだ」と彼は迷わずに言った。
数年前、県税使途指定制度の創設構想について、県が各地で県民対象の懇談会を開催したことがある。その際にわかったのは、「どうしてNPOへの寄付なのか」「NPOは信用できるのか」「宣伝ばかり上手なNPOに寄付が流れないか」という、一般県民のNPOに対する不信感が強いという事実だった。
活動や存在を市民に示してこなかったNPOの責任も大きいが、日本社会そのものが、まだ「市民が市民を信頼する」「市民が市民に対してサービスする」というベクトルへ動くことを躊躇っているのだ。
今日のブダペストは青空がのぞいて気持ちがいい。
「よく遊び、よく遊べ」
わが田圃も本日より稲刈り開始。
帰ってきたらおいしい新米を用意しときます。
一息入れてください。
税金の一部をNPOへというハンガリー方式は、色々な自治体で話題になった時期が一時期ありましたが、今は聞かないですね。
今の日本の政府を国民が信頼しているのか、はなはだ疑問ですから、良い活動をしているNPOがあれば寄付した気持ちはハンガリーと同じくらいあるのではないでしょうか。
制度と受け皿の問題だけでしょう。
ところで、エーゲ海の水と戯れたら、すでに秋の気配濃厚な東欧に帰りたくなくなってしまいませんか?少し心配。
ここM市は残暑が厳しく、今日も真夏日、明日も真夏日の予想です。