小関順二公式ブログ

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選抜のベストナインを選出

2013-04-09 01:07:57 | 2013年高校野球

 少し時間が経ったが、私なりの第85回選抜大会のベストナインを選出した。

◇捕手……内田靖人(常総学院)、若月健矢(花咲徳栄)、喜多亮太(敦賀気比)、森友哉(大阪桐蔭)

 今大会で最も人材が溢れていたポジションだ。各選手のイニング間の二塁送球最速タイムは、内田1.97秒、若月1.88秒(一塁けん制1.57秒)、喜多1.82秒(三塁けん制1.47秒)、森2.04秒(許三盗1.67秒)。
 この中で、ドラフト1位候補、森のタイムが悪いのがすぐわかる。森同様、“超高校級”と評価されている栗原陵矢(春江工2年)も初戦、常葉菊川戦で最速2.04秒と遅い。結果はというと栗原は常葉菊川に3盗塁を許し、森は遠軽に2盗塁を許した。イニング間で手を抜く捕手は実戦で泣く、というのがストップウォッチを10年以上押し続けてきた私の実感である。
 この中で1人選ぶとしたら断然、喜多亮太(右右・176/70)である。毎試合、1.8秒台の二塁送球を見せ、許した盗塁は5試合で2個。盗塁企図自体が3と少ないのはイニング間に強肩をたっぷり見せているからで、打率.333、本塁打1、打点2の打撃も文句なし。

◇一塁手……原樹(常葉菊川2年)、園部聡(聖光学院)、木暮騎士(浦和学院)

 1試合2本塁打を放った山田誠也(敦賀気比)もよかったが、ベストナイン候補ならこの3人になる。原は強烈なアッパースイングはマイナスだが、それでもバックスクリーンに持って行くパワーは驚異的。木暮は5試合で打点7を挙げた勝負強さと打球の強さで候補に入れた。そしてベストナインに選んだのは園部聡(右右・184/88)だ。鳴門戦の第4打席で放った中越えのホームラン、そしてその前の打席でセンター左へ放った大飛球は超高校級の名に恥じない。

◇二塁手……贄隼斗(浦和学院)、山岡仁実(早稲田実2年)、峯本匠(大阪桐蔭2年)

 贄は優勝校のチャンスメーカーとしてよく機能した。山岡は広角に打ち分けるシュアなバッティングと、三塁打を放ったときの三塁到達11.85秒の俊足が見事だった。そして、ベストナインに選出した峯本匠(右左・173/70)は2回戦・遠軽戦でランニングホームランを放ったときの快足に注目した。ベース1周タイムはプロもびっくりの14.99秒。3回戦、県岐阜商での9回裏、守備妨害を取られたキャッチャーへのボディタックルも迫力満点だった。

◇三塁手……米満一聖(敦賀気比)、高田涼太(浦和学院)、笠松悠哉(大阪桐蔭)

 米満は2番打者として打率.368を記録、チャンスメーカーとして申し分ない働きをした。笠松は打球がラインドライブしてもレフトフェンスを直撃する破格の長打力で注目を集め、ベストナインに選出した高田涼太(右右・180/77)は3試合連続ホームランが決め手となった。インサイドアウトの振り出しや試合ごとにうまくなるタイミングの取り方など、甲子園が成長を後押ししたスラッガーと言っていい。

◇遊撃手……望月直也(盛岡大付)、浅井洸耶(敦賀気比2年)

 守備名人の水谷友生也(大阪桐蔭)、俊足の楠本泰史(花咲徳栄)もいい選手だったが、私の中では望月と浅井に絞られ、総合力で上回る望月直也(右右・179/76)を選出した。見事だったのが華麗にして速さがある守備。余計なステップを踏まないでアウトを取るスローイングはうまい大学生を見ているようだった。

◇外野手……峯健太郎(敦賀気比2年)、吉田雄人(北照)、山根佑太(浦和学院)、上林誠知(仙台育英)

 この中から泣く泣く峯を落とした。残った吉田雄人(右左・178/73)、山根佑太(右右・178/78)、上林誠知(右左・184/77)はプロも注目する好素材だ。吉田は尚志館戦の第3打席で放った左中間への二塁打が素晴らしかった。山根は打ち方のよさ+今大会ナンバーワンの打点10を挙げた勝負強さ、上林は走攻守3拍子が高いレベルで揃ったバランスのよさを評価してベストナインに選出した。

◇投手……飯田晴海(常総学院)、浦嶌颯太(菰野)、立田将太(大和広陵2年)、安楽智大(済美2年)、酒井祐弥(高知2年)

 プロ好みという基準で選んだ。この中でも圧倒的な存在感を放ったのが安楽智大(右左・187/85)。初戦の広陵戦で232球投げた延長13回の完投劇は見る者に強い印象を残した。ストレートが2年生としては甲子園大会史上最速の152キロを計測し、左右打者に関係なく懐を攻めるコントロールのよさと勝負度胸のよさは昨年の春・夏優勝投手、藤浪晋太郎(阪神)を彷彿とさせた。

 以上のメンバーで打順を組んでみた。

(9)吉田雄人(北照)
(6)望月直也(盛岡大付)
(8)上林誠知(仙台育英)
(3)園部 聡(聖光学院)
(5)高田涼太(浦和学院)
(7)山根佑太(浦和学院)
(1)安楽智大(済美2年)
(4)峯本 匠(大阪桐蔭2年)
(2)喜多亮太(敦賀気比)

※ホームページで選抜大会の各塁到達タイム、捕手の二塁送球タイムをまとめた「ストップウォッチランキング」を掲載しています。興味ある方はどうぞ。

http://kosekijunjihomepage.com/


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