調べたいことがあり「野球体育博物館」に行った(東京ドームの地下にある)。館内の図書館は蔵書の多さはもちろん、学芸員の方たちの知識の豊富さ、幅広さも半端ではなく、今日も助けられた。図書館を出て館内の展示コーナー「野球の歴史」を見て回り、「最初の野球ルール」の前まで来たところで足が止まった。そこには「ニッカーボッカー・ベースボール・クラブ規則」(1845年9月23日)が第1条から20条まで掲示されていたのだ。
※ニッカーボッカー・ベースボール・クラブ……1845年、アレグザンダー・ジョイ・カートライトが創設したベースボールの同好会。それまでまちまちだったルールは、カートライトによって初めて体系化された。
◇第1条 メンバーは決められた時間通りに集合する。
◇第2条 メンバーが集合した時、会長(不在の場合は副会長)は審判を指名する。審判は試合を記録用のノートに記録し、この規則に違反したすべての行為を書き留める。
◇第3条 会長(不在の場合は副会長)は2人のメンバーをキャプテンに指名する。2人はその場を離れて相談し、試合に参加する選手を選ぶ。その際、両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する。キャプテンは率いるチームをコイン・トスで決め、次に同じ方法で先攻を決める。
注目したのは第3条である。とくに「両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する」という個所には、野球の原点の思想が盛り込まれているようで興味深い。現在のMLBがカートライトの精神によって運営されていないことは明らかである。そして家に帰り、パソコンを開くと、こんなニュースが目に飛び込んできた。
「巨人サブロー獲得に疑問の声」
ああ、巨人がロッテのサブローを獲得したのかと思った。高橋信二(日本ハム)に次ぐ2人目のシーズン途中でのトレードである。記事を見るとロッテが仕掛けて、巨人が乗ったようだ。ロッテ現職のキャプテンで、昨年は自己最多の71打点を記録、2年前にはパ・リーグ打撃成績3位の打率・314をマークしている。まさにばりばりの中心選手だが、ここまで19試合出場にとどまり、打率・271、本塁打2、打点9は相当食い足りない。
さらにロッテには今、岡田幸文、伊志嶺翔大という売り出し中の外野手が健闘し、大松尚逸(指名代打で出場)、清田育宏(故障欠場中)、南竜介もいる。サブローにとっては厳しい環境だった。
巨人から見ると、ラミレス、長野久義、谷佳知、高橋由伸、鈴木尚広、松本哲也、紺田敏正、矢野謙次がいて、さらにサブローがここに割って入ろうとしている。外野のポジションは3つしかないのだから、実力者が9人いても宝の持ち腐れになる。
ロッテが持ち掛けた話だから巨人が「昔のクセを出して」とは言わない。しかし、カートライトが定めたルール第3条の「両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する」が頭の中に反響する。
※ニッカーボッカー・ベースボール・クラブ……1845年、アレグザンダー・ジョイ・カートライトが創設したベースボールの同好会。それまでまちまちだったルールは、カートライトによって初めて体系化された。
◇第1条 メンバーは決められた時間通りに集合する。
◇第2条 メンバーが集合した時、会長(不在の場合は副会長)は審判を指名する。審判は試合を記録用のノートに記録し、この規則に違反したすべての行為を書き留める。
◇第3条 会長(不在の場合は副会長)は2人のメンバーをキャプテンに指名する。2人はその場を離れて相談し、試合に参加する選手を選ぶ。その際、両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する。キャプテンは率いるチームをコイン・トスで決め、次に同じ方法で先攻を決める。
注目したのは第3条である。とくに「両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する」という個所には、野球の原点の思想が盛り込まれているようで興味深い。現在のMLBがカートライトの精神によって運営されていないことは明らかである。そして家に帰り、パソコンを開くと、こんなニュースが目に飛び込んできた。
「巨人サブロー獲得に疑問の声」
ああ、巨人がロッテのサブローを獲得したのかと思った。高橋信二(日本ハム)に次ぐ2人目のシーズン途中でのトレードである。記事を見るとロッテが仕掛けて、巨人が乗ったようだ。ロッテ現職のキャプテンで、昨年は自己最多の71打点を記録、2年前にはパ・リーグ打撃成績3位の打率・314をマークしている。まさにばりばりの中心選手だが、ここまで19試合出場にとどまり、打率・271、本塁打2、打点9は相当食い足りない。
さらにロッテには今、岡田幸文、伊志嶺翔大という売り出し中の外野手が健闘し、大松尚逸(指名代打で出場)、清田育宏(故障欠場中)、南竜介もいる。サブローにとっては厳しい環境だった。
巨人から見ると、ラミレス、長野久義、谷佳知、高橋由伸、鈴木尚広、松本哲也、紺田敏正、矢野謙次がいて、さらにサブローがここに割って入ろうとしている。外野のポジションは3つしかないのだから、実力者が9人いても宝の持ち腐れになる。
ロッテが持ち掛けた話だから巨人が「昔のクセを出して」とは言わない。しかし、カートライトが定めたルール第3条の「両方の選手の技量ができるだけ同じになるように留意する」が頭の中に反響する。