◇4月11日(木曜日)QVCマリンスタジアム
ロッテ6-1日本ハム
日本ハムのドラフト1位、大谷翔平の公式戦(イースタンリーグ)初登板は、4回投げて5安打、2三振、3失点というほろ苦い結果となった。と言っても、「さすが大谷」というボールはいたるところで見られた。
ストレート、スライダーが抜けて「今日は厳しいぞ」と思い始めた1回裏、大松尚逸への初球は外角低めストライクゾーンに151キロが吸い込まれた。こういうボールを見せられると、打者・大谷のよさをしばし忘れて投手でやっていけばいいのではないか、と思ってしまう。
体に密着したバックスイングが見事で、テークバックのときの右ヒジの位置が高く、さらに右腕が体の中に収まって背中のほうに入ることがない。まさに百点満点の投球フォームと言っていい。変化球はスローカーブがしっかりコントロールでき、スライダーはややキレを欠くが、ストレートとの緩急という視点で見ると手が出てしまうボール。
これほど素晴らしくても一軍では野手として出場することが多いので、投手としての調整は中途半端になってしまう。残念としか言いようがない。
野手としても二刀流が仇になっている。というのは、この日の登板のため、前日の4/10の一軍戦(楽天戦)には出場せず、この日のナイター、楽天戦にも出場していない。二刀流にチャンレンジしていなければ結果が出始めている外野手でスタメン出場し続けていることは間違いないのに、と二刀流に厳しい目を向けざるを得ない。
大谷以外で目立った選手をアトランダムに挙げると、日本ハムでは谷口雄也(中堅手)、金子誠(遊撃手)、近藤健太(捕手)の3人、ロッテでは加藤翔平(中堅手)、翔太(三塁手)の2人だ。
谷口は第2打席の投手ゴロのときの一塁到達タイム、第3打席の二塁安打のときの一塁到達タイムがともに3.81秒という俊足を発揮してひと際目を引いた。仮に現在26歳の陽岱鋼にFA、ないしはポスティングシステムを活用した他球団移籍という話が持ち上がっても、谷口と杉谷拳士がいれば大丈夫かな、とつい先読みをしてしまった。