小関順二公式ブログ

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川原弘之がフレッシュオールスターゲームでアッと驚く154キロ

2011-07-29 06:53:31 | プロ野球観戦記
◇7月21日(木曜日)くもり
フレッシュオールスターゲーム・富山アルペンスタジアム
ウエスタンL選抜対イースタンL選抜

 この試合の最高注目選手は、ソフトバンクの左腕・川原弘之(福岡大大濠出身高)だ。打者3人(1イニング)に対し全球ストレートで挑み、球速は富山アルペンスタジアムのスピードガンに154キロ、スカイ・A sports+のテレビ画面に152キロを弾き出した。
 09年ドラフトで今宮健太(明豊・遊撃手)に次ぐドラフト2位指名でプロ入りし、1年目は8試合に登板して2勝2敗、防御率2.52と、新人にしてはまあまあの成績。2年目の今年は2試合に登板して0勝1敗、防御率2.57とパッとしない成績が残っている(7月27日現在)。
 それでいてフレッシュ球宴に出場できたのは、チームメートで同期・同年齢の下沖勇樹が右肩腱板炎で出場辞退し、代役の声がかかったからだ。川原はこの与えられたチャンスで好結果を出し、自らの存在感を遺憾なく発揮した。
 甲子園大会にはついに出場できなかったが、高校3年夏前(5月30日)にそのピッチングを見たことがある。九州国際大付相手のNHK杯で、その日のストレートのMAXは136キロ。フレッシュ球宴での剛腕ぶりとは違う。
 まずフォームが変わった。NHK杯のときはバックスイングが内回旋だった。自然とヒジが上がるフォームで、一連の腕の振りが体の近くで行われていた。ところがフレッシュ球宴ではバックスイングが外回旋になり、腕の振りが体から遠くなった。付け足せば、高校時代はオーバースローだったのが、プロ入り後の今は少しだけ腕が横手から出ている。
 これらを総合すると、高校時代はヒジを起点とした自然な振り下ろしだったのが、今は腕を振って投げるパワー系に変身している。どちらがいいというのではない。わずか2年でこれほどの変身を遂げ、スピードアップした投手がいただろうかという戸惑。乱暴な比喩を用いれば杉内俊哉(ソフトバンク)から能見篤史(阪神)への変身、それくらい受ける印象が変わった。体幹の強化が変身の背後にあるのだろう。
 いずれにしろ、川原の出現でソフトバンク投手陣は将来へ抜けて、さらに強化された。とくに左腕がすごいので、その顔ぶれを以下に紹介する(成績は7/28現在)。
 和田 毅 8勝3敗、防御率1.78
 杉内俊哉 5勝3敗、防御率1.86
 山田大樹 6勝5敗、防御率3.46
 森福允彦 3勝0敗、防御率1.19 ※1セーブ、21HP
 大隣憲司 0勝0敗、防御率1.64
 ここに小椋真介、陽耀勲が続き、さらに川原が加わるのである。“左腕王国”と言っていいだろう。

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