こういったストーリーには意外な結末というモノがつきものだが、一番驚いたのは協賛企業に“evian”ではく“naive”とクレジットされていたことだった・・・
三姉妹の物語である。原題が「地獄」などと仰々しくもありますけど、その三姉妹と母が辿った運命は22年前の悲劇から始まり、簡単には癒えることのないトラウマに縛られたもの。原案がダンテの「神曲」からヒントを得てクシシュトフ・キエシロフスキーが書いたものだというから、なんとなく納得してしまいますし、美しいフランス女優の演技を堪能するとなれば、「美しき運命の傷痕」という邦題も見事だと思います。
長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)は写真家の夫の不倫に悩み、嫉妬に狂う女性を熱演。『8人の女たち』ではキュートなメイド役だっただけに、案外年齢がいってることにも驚いてしまいましたが、夫の不倫を止めさせる絶妙なテクニック(偶然ですが)に唸ってしまいました。もちろん不倫相手の部屋の鍵がかかってないことが条件です。
次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)は父親の少年愛を目撃したことでトラウマが最も顕著だったのだろうか、母親の介護と男性不信のおかげで孤独な女性を演じていました。そして三女アンヌ(マリー・ジラン)は不倫関係にあった大学教授から別れを告げられる。三者三様の愛をめぐる苦悩が冒頭のヒナ映像から想像させられ、映画に見入ってしまいました。
人物描写で最もユニークなのが次女セリーヌ。介護施設に通うために乗る列車の車掌がアクセントとなり、突如現れるセバスチャン(ギョーム・カネ)という男が彼女を変える。彼女に関してだけはつい笑ってしまうエピソードが多かった。口の聞けない母親に人食いナンバー1の記録を話して聞かせたり、勘違いして脱いでしまったり、車掌の気持ちに気づかなかったり・・・やっぱり“naive”という言葉がピタリと当てはまります。
しかし、結論だとか教訓だとかメッセージもなく、幸福な未来をも予想できないような地獄映画。せめてセリーヌだけは幸せを掴んでもらいたいものだ・・・
★★★★・
三姉妹の物語である。原題が「地獄」などと仰々しくもありますけど、その三姉妹と母が辿った運命は22年前の悲劇から始まり、簡単には癒えることのないトラウマに縛られたもの。原案がダンテの「神曲」からヒントを得てクシシュトフ・キエシロフスキーが書いたものだというから、なんとなく納得してしまいますし、美しいフランス女優の演技を堪能するとなれば、「美しき運命の傷痕」という邦題も見事だと思います。
長女ソフィ(エマニュエル・ベアール)は写真家の夫の不倫に悩み、嫉妬に狂う女性を熱演。『8人の女たち』ではキュートなメイド役だっただけに、案外年齢がいってることにも驚いてしまいましたが、夫の不倫を止めさせる絶妙なテクニック(偶然ですが)に唸ってしまいました。もちろん不倫相手の部屋の鍵がかかってないことが条件です。
次女セリーヌ(カリン・ヴィアール)は父親の少年愛を目撃したことでトラウマが最も顕著だったのだろうか、母親の介護と男性不信のおかげで孤独な女性を演じていました。そして三女アンヌ(マリー・ジラン)は不倫関係にあった大学教授から別れを告げられる。三者三様の愛をめぐる苦悩が冒頭のヒナ映像から想像させられ、映画に見入ってしまいました。
人物描写で最もユニークなのが次女セリーヌ。介護施設に通うために乗る列車の車掌がアクセントとなり、突如現れるセバスチャン(ギョーム・カネ)という男が彼女を変える。彼女に関してだけはつい笑ってしまうエピソードが多かった。口の聞けない母親に人食いナンバー1の記録を話して聞かせたり、勘違いして脱いでしまったり、車掌の気持ちに気づかなかったり・・・やっぱり“naive”という言葉がピタリと当てはまります。
しかし、結論だとか教訓だとかメッセージもなく、幸福な未来をも予想できないような地獄映画。せめてセリーヌだけは幸せを掴んでもらいたいものだ・・・
★★★★・
思いのほか、☆4つ!
冒頭からかなりゾクッとしました。
そうそう、セリーヌには上手くいって欲しいですね。
お母さんにとっては生きる糧となってしまった憎しみの心は、セリーヌには持っていて欲しくないと思いましたよ。
ギヨーム・カネや男優さんたち、結構豪華でしたのにちょっと弱い描き方がもったいなかった気もしますけど。
フランス人はラブラブがお好きですね
セリーヌの不器用さ(?)がなんとも言えず面白かったです。
お茶を飲みたいわなんて言ってお湯を沸かしかけたと思ったら、なかなか戻ってこず、ベッドで裸になって待ってたり・・・(汗)
車掌さんの気持ちは通じるのかしら?
業務連絡:ケータイチェックしていただけましたでしょうか?
例によって予備知識なしでの鑑賞となりまして、「地獄」だなんてわからなかったです(汗)
セリーヌに関しては、一度も幸せな生活を送ってなさそうだったしね。やっぱり思い入れが・・・
なんとなく彼女が長女だったと思ったのですが、順番は微妙ですよね。
ギョーム・カネはちょっとストーカーっぽい不気味さが上手く出てましたね~
>ミチ様
あの姉妹で一番不器用!
母親の介護も一人で引き受けちゃうし、どんな歴史があったのかも知りたくなる設定でした。
それにしてもミチ様、細かいシーンをよく覚えてますねぇ。見たばかりの俺でも思い出せない・・・(汗)
やっぱり観ておけばよかった・・・DVD出るの待たねば・・・また遊びに来ます!
はじめまして。
かなり好みが分かれる映画ですから、そんなに悔やむことはないと思いますよ。ドロドロの暗さが好きだったらいいのでしょうけど・・・
いつもながら全く感想になってないので、
ひっそり投稿したんですが見つかってしまいました。
あの車掌さん(オリビエでしたか?)
「マイライフイズビューティフル」の監督に
ちょっと似てましたね。
同じ地域なので、観る時期も一緒♪
都会の方々の早い時期での投稿よりも、記憶が鮮明なうちに。
などと時折チェックさせていただいております。
だけど、すでに車掌さんの顔を忘れてしまってるkossyです。すみません・・・
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この作品は、三姉妹と母を取り巻く重層的な物語展開や大きな効果を発揮している細やかな仕掛けに強い吸引力を感じさせられ、映画が終わった後のストーリー展開を色々と考える事が出来る見応えのある一本であると思いますが、全てを理解したとは言いがたい面もあり、もう一度DVD化されてから観直してみたいと思っています。
また遊びに来させて頂きます。
ではまた。
結末をはっきり描かない映画って、また見たくなるものですよね~
介護をしている暗い性格だけど、今までにいいことがなかっただけに幸せになってもらいたい・・・
DVDにはその後の姉妹ってのがあるのかなぁ~
ファザコン的なものだった気がする・・・
観葉植物の葉をむしるベアール怖かった: