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西瓜

2006-11-19 17:06:23 | 映画2006
 ダメ・・・イヤッ・・・そんなに指を突っ込んじゃ・・・・・スイカに・・・

 干ばつによる深刻な水不足。ペットボトルのミネラルウォーターは誰もが携帯していて、西瓜ジュースが爆発的に売れている台湾。トイレの水だって節約、風呂になんて入れたものじゃない。そんな台湾へ海外から帰ってきたシャンチー。スーツケースの鍵を落としてしまい、困っていたところへ腕時計売りとして顔見知りだった青年に助けてもらう。徐々に親しくなる2人だったが、男はAV男優へと転身していたのだ・・・

 水への渇望が性への渇望を暗喩していて、苦しくなるほどのシャンチー。西瓜ジュースの色が毒々しいまでの赤色なのも、肉欲を表しているとは言えまいか。リビングでだらしなく足を広げてくつろぐ姿も、西瓜を舐め回す仕草にしても、全てはレンタルビデオのアダルトコーナーに繋がってゆく。アスファルトに固められた鍵を青年に拾ってもらったときに水が溢れ出すシーンにおいてはその抑えていた欲望が決壊してしまったのでしょう・・・

 とにかく、セックスシーンがAV並に長い。その他のなんでもない場面でも長回しを多用して、台詞の少ない分を穴埋めしているのです。そして突如挿入されるミュージカルシーン。叙情的な静かな映像とは対照的に明るいミュージカルなのですが、歌詞の字幕を読むと彼ら2人の心がよく伝わってくる。アンバランスでありながらエロと純愛を繋ぎとめる橋渡し的ポイントなのです。

 不思議な映像、不思議なアングル、不思議なシチュエーション満載の映画。序盤では大量に川を流れる西瓜の映像は『アカルイミライ』のクラゲを思い出しましたが、後半に進むにつれ、西瓜の存在が薄くなり、エロ満載となってしまいます。そして突如聞えてくる日本語。「キャップがどこかいっちゃった」。まさかこれが死因だったのかわかりませんが、エレベーターで見つけたAV女優(夜桜すもも)を部屋まで運び、それからシャンチーは何をしようとしていたのでしょうか。不思議です。

 “純愛”とかいったキャッチコピーもあるようですが、AV男優は仕事でしかセックスできないということなのでしょうか・・・謎です。ラストはかなりやばいし・・・

★★★★・

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
謎でした。 (後藤久代)
2006-11-20 00:13:10
謎過ぎました。
コレ「河」の監督だったんですね。謎なのも頷ける謎さ加減だなぁ、と。やっぱり謎ですが。
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じゅんあい (かえる)
2006-11-20 00:17:00
彼は、AVの仕事のことは彼女に知られたくなかったんですよね。
それなのに知られてしまって、あんな愛情表現をしてしまったのですよね?
よくぞキャッチできたものです。

この私のレヴュー記事はgooの禁止ワードに引っかかるらしく、そのままでは送信できませんでしたが、部分消去して、無事に反映させることができました。
何がNGワードだったんでしょうー???
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 (kossy)
2006-11-20 09:16:33
>後藤久代さま
謎も残りますが、一番不可解だったのはラストでジッとあの現場を見ていたシャンチーでした。もうちょっと早くから涙を流していれば納得できたのに・・・

>かえる様
ナイスキャッチ!
って、あれじゃ一番嫌な部分だけを受け止めたことになりそうな・・・それともビデオ屋さんで癖になってしまっていたのか。ちょっと強引な展開でしたよね。

NGワード・・・わかりませんでした(汗)
AV女優かなぁ・・・
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これは・・・ (キング)
2006-11-20 17:58:29
この映画は日本ものですか?
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台湾映画 (kossy)
2006-11-20 19:47:03
>キング様
失礼しました。
台湾映画です。
日本人ゲストとしてAV女優が選ばれたみたいなんです。
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ミュージカル (にゃんこ)
2007-03-27 00:32:39
こんばんは~
kossyさん 地震大丈夫でした?
友人から、凄いミュージカルシーンの噂を聞いて
DVDになったら~と思ってたから
早速借りて観てしまいました。
いろいろな意味でびっくり、目が点になっちゃう(笑)
でも純愛なんだねぇ~ともしっかりじわじわ後から
ついてくるような作品でした。
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