子供が生まれなくなった原因はなんだったんだろう?インフルエンザが猛威をふるったという話もちらりと登場したが、具体的には語られていない。少子化問題もここまでくれば国の政策も何の役にもたたないのかもしれないが、高齢化社会の施策として自殺剤や坑うつ剤の無料配布なんてのもシビアなエピソードだった。
『日本以外全部沈没』が公開された年にこうした映画が公開されるのも何かの因果なのだろうか、今作ではイギリス以外が全部崩壊してしまっている。思えば『Vフォー・ヴェンデッタ』でもアメリカは“アメリカガス臭国”になっていたし、自国だけが生き残った場合のシミュレーションは島国ならではの得意な発想なのかもしれません。もちろん生き残ったからといって、独善的になるのではなく、他国からの移民・難民を排除するというファシズムを描きだして英国自身を風刺している。
クライマックスの戦闘場面での緊迫感溢れる長回しシーンでは戦争の悲惨さが伝わってくる。主人公のクライブ・オーウェンを中心に撮ったハンディカメラが戦場の臨場感を醸し出し、居住区の移民たちの悲痛さと地下組織“フィッシュ”の怒号、そして軍の発砲によりあたかもその場にいるかのように感じさせる。これは戦争映画だったのかもしれない・・・とまで感じてしまいます。その撮影技術と俳優の演技に加え、赤ん坊の特撮が素晴らしかった。もしかして本当に生んだんじゃないかと思えるほどでした。
その長回しの直後。「赤ん坊に流れ弾が当たらないように」と祈るような思いで見てしまったのですが、民衆も兵士も赤ん坊を抱えるキーの姿を見た瞬間、まるで神を崇めるように神妙になり、戦いを止めてしまう。このシーンには震えてしまうくらいに感動的。未来が見えた瞬間とも言えるのではないでしょうか。平和のために必要なのは子供だったという内容でしたが、現代では何が必要なのか?それを問うための重要なメタファーだったのかもしれません。
エンドクレジットで確認するまでマイケル・ケインが出ていたとは気づかなかったのですが、渋いじいちゃんのジャスパーだったのですね。「指をひっぱってくれ」という台詞で思わず笑ってしまったのですが、次の瞬間笑ったことを反省してしまいました。それにしてもディープ・パープルの「ハッシュ」を流すなんてのは誰のセンスなんでしょう。その後のキング・クリムゾンにも驚いてしまいました。
★★★★・
予告編で流れるバロック風ストーンズの「ギミー・シェルター」は聴けません・・・
『日本以外全部沈没』が公開された年にこうした映画が公開されるのも何かの因果なのだろうか、今作ではイギリス以外が全部崩壊してしまっている。思えば『Vフォー・ヴェンデッタ』でもアメリカは“アメリカガス臭国”になっていたし、自国だけが生き残った場合のシミュレーションは島国ならではの得意な発想なのかもしれません。もちろん生き残ったからといって、独善的になるのではなく、他国からの移民・難民を排除するというファシズムを描きだして英国自身を風刺している。
クライマックスの戦闘場面での緊迫感溢れる長回しシーンでは戦争の悲惨さが伝わってくる。主人公のクライブ・オーウェンを中心に撮ったハンディカメラが戦場の臨場感を醸し出し、居住区の移民たちの悲痛さと地下組織“フィッシュ”の怒号、そして軍の発砲によりあたかもその場にいるかのように感じさせる。これは戦争映画だったのかもしれない・・・とまで感じてしまいます。その撮影技術と俳優の演技に加え、赤ん坊の特撮が素晴らしかった。もしかして本当に生んだんじゃないかと思えるほどでした。
その長回しの直後。「赤ん坊に流れ弾が当たらないように」と祈るような思いで見てしまったのですが、民衆も兵士も赤ん坊を抱えるキーの姿を見た瞬間、まるで神を崇めるように神妙になり、戦いを止めてしまう。このシーンには震えてしまうくらいに感動的。未来が見えた瞬間とも言えるのではないでしょうか。平和のために必要なのは子供だったという内容でしたが、現代では何が必要なのか?それを問うための重要なメタファーだったのかもしれません。
エンドクレジットで確認するまでマイケル・ケインが出ていたとは気づかなかったのですが、渋いじいちゃんのジャスパーだったのですね。「指をひっぱってくれ」という台詞で思わず笑ってしまったのですが、次の瞬間笑ったことを反省してしまいました。それにしてもディープ・パープルの「ハッシュ」を流すなんてのは誰のセンスなんでしょう。その後のキング・クリムゾンにも驚いてしまいました。
★★★★・
予告編で流れるバロック風ストーンズの「ギミー・シェルター」は聴けません・・・
あのまま終わらず、急に現実に引き戻されるのがさらになんともいえませんでした。
ラストは、もしかして騙されていたらどうしようと思っちゃいましたよ。
あのヒューマン・プロジェクトって謎ですもんね。
そうそう、流れる曲も良かったですねえ~。
キング・クリムゾンは、なんとうまい場面で使うのでしょうか^^)
未来なのに未来じゃないようなリアルさがありましたね。
昔から、なぜ曲名ではファーストネームがひっくり返るのか、
不思議でなりませんでした。
骨太ずっしり、しかもポップな映像・・・
こんなにいいとは思わなかったなぁ(^^;
今年を代表する一本だと思いました。
ああ、あのラスト近くで殺されちゃうジャスパーさんでしたかぁ~~。汗
ふきだしました
音楽は、イギリスのジョン・タヴナー。ダイアナ妃追悼の曲も作曲した有名な音楽家だそうです。ロシア正教会に入信していたようですが、最近イスラム教徒になったとか…。映画も観る予定ですが、このサントラ盤も予約済みです。予告編で流れていた、たぶんストーンズの曲…の曲名がどうしても思い出せず、オリジナルで製作されたというこの映画用の組曲をじっくり聴いてみることにしました。kossyさんの記事を読んで、サントラ購入が正解だったと喜んでマス。(^^;)
特に3度くらいある大掛かりな逃走シーンは
どれも実際に一緒に逃げているような緊迫感の
連続で・・。
1時間40分超えの映画なのに、結構長く感じたのは
つまらかったんじゃなくて、緊張が続きすぎた
ような気がしてます。
音楽もツボだらけでした。クリムゾンとか、
70年代ロックが終末観を感じさせる映画って
すごいなぁと思います。
赤ちゃんはビックリですよ~
本当の赤ん坊?などと思いましたけど、さすがに幼子に戦闘シーンは無理だろうと、ちょっと安心しました。
安息は束の間でした。
そのほうがリアルで、訴えてくるものがありますよね。
あの宮殿も見事。曲がぴったりとはまってました♪
>えい様
俺も曲名がちょっとわからなかったのですが、多分クリムゾン・キングの宮殿なんでしょうね。シドとかいう奴が「キングだ!」と言ってたのも引っ掛けてあったのかな~
>しんちゃん様
予想というか、大味なハリウッドSFだろうと期待もしてませんでした。
あれほどまで激しい戦闘シーンなんて、誰も予想できませんよね・・・SFというよりも戦争映画でした。
>八ちゃん様
よかったぁ~俺だけじゃなくて・・・
どこかで見たことあるな~とは思ってたのですが、まさかマイケル・ケインだとは(汗)
>そ~れ様
すみません・・・やっちゃいました。
最初は似顔絵を描くつもりだったのに、全く似ていなかったのでボツにしてしまったのです(汗)
>あかん隊様
どうなんでしょう?
ディープ・パープルやキング・クリムゾンがサントラに入るってことはあるのかなぁ~
全体的に音楽は良かったのですけど、上記2バンドのインパクトが強すぎたので、よく覚えてなかったり・・・
イスラム教徒になったお方でしたか!
イラク攻撃反対!というメッセージもあったのもそのせいかもしれませんね。それにしても2027年になってもまだイラク攻撃が続いてたんだ・・・
>kazupon様
逃走シーンも長回ししてましたからね~~
お気に入りだったのは、よくあるスイッチ配線をグチャグチャやってエンジンかけるんじゃなくて、押しがけするというリアルなかけかただったこと!
学生時代、バッテリーが買えなくて何度もやっちゃいました。それとダイレクトにケーブル繋いで・・・とか(汗)
あらためて、短かったんだと・・・
それだけ緊張感が持続したためでしたか~休む暇もあまりありませんでしたよね。
超大作なのに何かアングラ臭くて、似合いますな。
音楽を含めて微妙に70年代なテイストも中々面白かったです。
kossyさん、こんばんは。
ところが、どんどん話が加速して、一瞬気を抜いていた私は置いていかれそうになりました。
それにしても、マイケル・ケインって本当に芸達者ですね。初めてジャスパーを見たときは「似てるけど、まさかね」と思いました。
ピーター・ミュランも久しぶり。
一番感動したのは、やっぱり赤ちゃんを見て、誰もが思わず祈っていたシーン。「そうだよね、そうだよね」と思ってしまいました。私があの場所にいても、きっと同じことをしたと思います。
やはり、子供は人類の宝、かけがえのないものなんだなぁ、と今更ながらに思ってしまいました。