香竹日記

書道の奥深さを楽しんでいます

石楠花(しゃくなげ)色に黄昏る ♪

2020-06-04 22:22:33 | 漢詩
2020年6月4日(木曜日) 夕方

『 石楠花色の黄昏れ 』と題した写真が友人Kさんから届きました📨  




夕方なのでぼんやりとしている富士山 ↑


♪夏が来れば 思い出す
はるかな尾瀬 遠い空
  ~ ~
石楠花(しゃくなげ)色に たそがれる
はるかな尾瀬  遠い空



今日のような夏の夕暮れの 石楠花色のお空は実に美しい 
暫く眺めていたら  お空の色は時空を越えて・・・

ふと浮かんだ 石楠花 の入っている かの有名な李白の詩を思い出したので、改めてここに書き留めてみることとします。


756年 李白の三人目の奥さん(李白は四度結婚したらしい)が廬山に女道士李騰空を尋ねて行き、そのあと李白も金陵から廬山に入り、屛風畳に夫婦二人はしばらく隠棲していました。
その時の様子を詠んだ詩です。


送内尋廬山女道士李騰空二首
李白    ※李白 701年~762年

 其一
君尋騰空子
応到碧山家
水舂雲母碓
風掃石楠花
若愛幽居好
相邀弄紫霞

内(ない)の廬山に女道士李騰空を尋ぬるに送る
李白

 其の一
君は尋ぬ 騰空子(とうくうし)
応に碧山(へきざん)の家に到るべし
水は舂(うすづ)く 雲母(うんも)の碓(うす)
風は掃く 石楠花(しゃくなげ)
若し幽居の好さを愛さば
邀(あいむか)えて 紫霞を 弄(ろう)せん


※内(ない):妻
※廬山:中国 江西省九江県の南の山
※騰空子(とうくうし):女道士李騰空 宰相 李林甫の娘
女道士:道教の尼のこと
※碧山:俗世間から離れた緑あふれる山
舂:うすづ く(注!春ではありません)
※雲母:不老長寿の仙薬といわれる、廬山に多く産した
※碓:ここでは水力を利用して搗く(つく)うす
紫霞:紫の霞、仙宮にたなびくかすみ、道教では紫色をたっとぶ


君は、女道士の騰空子を尋ねて行こうとしている。
そこは、間違いなく山中の緑あふれる家に到ることでしょう、
そこの景色は、水車が回り臼で雲母を搗く音が絶え間なく聞こえている。
春風が 石楠花の花 を揺らせ、のどかな様子だろう。
もしその静かで奥深い趣のある居所の良さが気に入ったなら、
騰空子はそなたを迎えて共に,朝の光に照らされて紫色に映えた霞をあつめ、万物を大切にする神仙に仕えることを大歓迎してくれることだろう。


(其の二の詩は今日は割愛します)


※ところで季節のうつろいをサッと 感じる Kさんの感性の敏感さはピカイチ☆ これぞ詩人なり

そしてKさん、翌6月5日 蓬の草の柏餅をつくって届けてくれました 端午の節句でしたね ごちそうさま🍵 
写真を撮るのも忘れて いきなり戴いてしまいました・・・彼女の作るものは全てが美味しい あぁしあわせです 💛



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