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2015年1月25日発行 第609号
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『ロジカルな田んぼ』 松下明弘
¥850+税 日本経済出版社 2013/4/8発行
ISBN978-4-532-26196-2
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仕事・稲作。趣味・稲作。特技・稲作――。
著者の松下明弘は自他ともに認める日本一の稲オタク。
静岡県藤枝市で有機JAS認定を受けて米作りをしている。
松下が新しい農業のかたちを語る。
タイトル通り、実にロジカルです。
> 雑草はなぜ生えるのか? なんのために耕すのか? 肥料を入れないとどうなるのか? 放っておいたら稲は育たないのか? なぜ田植えが必要なのか? 土を育てるってどういうことか? なぜ田んぼに水をはるのか? おいしい米とおいしくない米の違いは何か? どうして病害虫にやられるのか? そもそも土ってなんなのか……。(5頁)
そうした疑問に、経験と知恵で答えを求め続けて、今も考え続けている。
29歳で初めて米作りを始めて、稲作に関するありとあらゆる本を読み、名人と呼ばれる人たちに会いに行き、話を聞いた。
といっても、聞いた話がすべてそのまま役に立つわけじゃない。
今、松下は見学者にすべてオープンにしているそうです。肥料の配合から田んぼ整備の仕方まで。
それが見学者にそのまま通用するわけじゃない。
土地が違えば気候も違う。日照時間、気温、降雨量、土の栄養も違うし水はけも違う。
どんな名人の完璧な手法も、そっくり真似ては意味がない。
情報をカスタマイズして、自分の田んぼに合うように、考えること。
たとえば、昔は、深く耕せば耕すほど収穫が増えると信じられていました。人力や、せいぜい牛を使って耕すしかなかった時代。
土の浅いところに生息する好気性菌と、深いところの嫌気性菌。
深く耕すといっても好気性菌の層が限界だった時代、有機肥料しかなかった時代には、耕せば耕すほど、肥料が空気に触れて、分解が進む。
今は機械を使って簡単に深く耕せます。肥料も化学肥料だから即効性がある。深く耕すメリットは化学肥料にはない上に、機械で深く耕しすぎて嫌気性菌の層まで掘り返されてしまって、メタンガスが発生する。
……古い感覚、古い言い伝えの上に、理由を考えることなく新しい道具を接ぎ木してしまった例です。
考えて、実践して、考えて、試行錯誤を繰り返して。
いやもう、読んでてワクワクしてしまいますね。
自ら稲オタクを名乗る松下の、コメにかける愛情、ハンパないです。
何か一つことに夢中になって体を動かす人って、どうしてこんなに魅力的なんでしょうね。
さらに松下は、自分だけが楽しく米作りができてればいいやとは思ってない。
日本の農業の将来まで見据えてる。
頼もしいですね~~~。
> 若い世代が胸をはって「これが俺の職業だ!」と稲作を語る。そんな時代にするには、何が必要なのか。これからの私の大きなテーマです。(237頁)
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ロジカルな田んぼ (日経プレミアシリーズ) | |
松下 明弘 | |
日本経済新聞出版社 |
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まぐまぐサイト内では検索がしにくいので、自分の覚えとしてここにもUPしています。