「ヘチマは食べられるのもあります!」ヘチマはタワシだけじゃないグリーンカーテンの不思議!花や植物の話!
ヘチマはイトウリ(糸瓜)と呼ばれ、言葉では縮められて
「とうり」と言ってたそうです。
とハ伊呂波(いろは)歌ニテ、ヘトちトノ間(ま)ナレバ云フ。
という記述があり、「ほ」「へ」「と」「ち」「り」の間が
「と」で、「とうり」は「へ」と「ち」の間から、「へち間」
になって、ヘチマと呼ばれるようになったそうです。
東北震災後は、グリーンカーテンが持て囃されて来ています。
ヘチマ、ゴーヤ、ヒョウタンなど、育てる家庭が増えて来ました。
ヘチマは、涼しいだけでなく、黄色い大きな花を、次々と咲かせ、
夏の青空に、良く似合います。
ヘチマには「へちま水」という化粧水が採れます。
江戸時代の大奥では、へちま水の化粧水が御用達で
糸瓜水(しかすい)と呼ばれていました。
文政五年の小石川御薬園の「御製薬差上帳」という記録には、
一夏に、一石一斗三升という記録があります。
現在の石油缶11杯分になり、沢山のヘチマを、栽培していたと
思われます。
秋口に、茎を地上30cmほどで切断すると、
溢液(いつえき)が出てきて、切り口を瓶に挿しておくと、
数日で1本当り500~2000cc(醤油の大きいペットボトル)
の液体がとれます。これが「へちま水」です。
溢液とは、葉っぱが朝露に濡れてるわけではなく、
植物の内部から、水を生み出す現象で、葉っぱなどの淵に、
雫のように、きれいな形が見られます。
ヘチマはインド原産のウリ科の一年草の一日花で、
果実を言います。日本には江戸時代に入ってきました。
中国では唐、宋時代以前には見られなく、16世紀に広がり、
普通の野菜として、花、芽、ツルが食べられ、若い果実は、
皮をむいて煮て食べたそうです。
また、熟した実の繊維を、靴の敷物に利用したことも、
記されています。中国名の糸瓜(スークワ)は、
ヘチマの繊維に注目した名前です。
沖縄の方言のナベラは、鍋羅(なべら)の意味で、羅(あ)み目模様に、
織られたような繊維で、鍋(なべ)を洗っていた事によります。
ヘチマの別の中国名、洗鍋羅(シークオロー)から来てるようです。
ヘチマは、食べられるのもあります。
日本では、南西諸島や南九州で食べられています。
沖縄では、ヘチマのことを「ナーベラー」と呼び、
20cm位の若い果実を、炒め物などにして食べます。
ヘチマと言えば、タワシのイメージがありますが、
繊維の少ない品種が、食用に生産されて、柔らかい食感が、
好まれてゴーヤーと並ぶ、沖縄の代表的な夏野菜です。
沖縄のへちま料理「ナーベラーブンシー」を食べてみましょう。
沖縄の家庭料理で、大人気の味噌煮のナーベラーブンシーは、
スピード料理で、食堂では、定食にも使われるほどです。
若い人にも人気があり、調理用途が多く、酢の物、和(あ)え物、
炒め煮など、いろいろ工夫されて、特に、ヘチマと木綿豆腐を、
一緒にした味噌煮は、代表的な料理です。
またシチューやカレーなどにも使われます。
ナーベラーの他に、トカドヘチマ(十角糸瓜)があります。
見た目がオクラに似ていて「ヘチオク」とも呼ばれ、
比較的繊維が少なくて、瓜に似た味がします。
鹿児島では、古くから食用として利用され、
現在は、煮物、みそ炒め、味噌汁で食べています。
インドなどは、天ぷら(フリッター)やカレーでも食べられています。
- 別名 イトウリ
- 特色
- 科 ウリ科
- 原産 インド
- 花期 6~8月
いかがでしたか?
花の楽しみ方は、色々ありますね。
自然界や植物を知る事も、そのひとつです。
ヘチマは、子供の頃、遊び半分タワシを作りました。
今のように化学繊維が、発達してませんから、
入浴などに便利でした。その記憶が現在まであります。
しかし、食べらるとは思ってもいませんでした。
ネット出現で、いろいろわかります。
また、沖縄や鹿児島にも、何回も出かけていますが、
いまだに食べたことがありません。
出かける目的が違うのと、探し方がヘタなのか、
酒のツマミとして知らなかっただけです。
南西諸島や鹿児島に出かけたら、ぜひ挑戦してみてください。
私は南九州住まいなのですが、
スーパーではなく道の駅や無人販売所へ行くと、
夏から初秋にかけては、食用としてヘチマの実が売っています。
私もヘチマを料理し食べはじめたのは、ここ数年のうちですけれど、
(食への好奇心が旺盛なので…)
意外とクセがなく、色味もきれいで美味しいのです。
皮をむいて幅1㎝弱くらいに輪切りにし水にさらしたヘチマを、
胡麻油で炒めてから薄揚げと一緒にお味噌汁にするのが
今年の夏、我家のブームでした(笑)
知らない土地の、ご当地ならではの食材との出会いは新鮮な気持ちになります。
ヘチマはたわしと思ってた関東の人間。
ネットがなけりゃわからなかった世界。
ありがとうございます。