山荘での出来事ですが、或る夜、爺さんがリビングのドアを開け部屋の灯りを点け様と
としますと、ボァ~!ボァ~!と灯りが点滅しています、驚いて良く見るとガラス窓に
へばり付いて居る「
ほたる」と解りました。それが、すごく大きな蛍に見えました。
不思議なのは此処からです。爺さんは慌てて懐中電灯を手にして、玄関を出て
蛍が止まって居た
窓へ向いました。爺さんが蛍の処へ着くと、蛍は窓から離れて一度円を描くと
スーッと蛇行しながら、松林を縫うように飛んで行きました。
「
蛍が何で此処に居るのだろう?
蛍ってあんなにはやくとぶのかなぁ~?」
「まるで俺が表に出て来るのを待ち構えて居て、俺を森に誘って居た様な・・・」?
「何で
蛍一匹の為に、慌てて表に回ったのだろう」?
爺さんは益々不思議な気分に成って行きました。
「山荘の周りに
ホタルブクロが咲いて居るのだから
蛍は
居て当たり前か」?
この爺さんの考えはチョッと???賛成できません。そして、爺さんは、先に逝った姉二人と
兄貴の事を考えて居ました。この爺さんの思いは否定致しません。