忘れたよ

あんたのこと

忘れたよ

忘れたよ

寂しいね

いつだって わたしは ひとりで

ひとりだけで 帰るんだから

あんたは いつでも わたしが此処にいる

そう思っているんだから

（浅川マキ 忘れたよ より)

憂愁

灰色の港

灰色の街

境界線のない

この世界を訪れる者は、誰

灰色の海にひっそりと舟を漕ぎだす

（浅川マキ 憂愁(Ⅱ)より)

裏窓

裏窓からは 川がみえる

暗いはしけの音が聞こえる

裏窓からは

ときどき 人の別れがみえる

 

裏窓からは わたしが見える

3年前はまだ若かった

裏窓からは

しあわせそうな ふたりが見える

(浅川マキ 裏窓 より)

あの娘がくれたブルース

昨日拾った手紙のなかに あのふるさとの秋の色

なんの未練もないはずなのに

私のこころに船がつく

影とふたりで今日まで来たが

あゝ昔を想うじゃないが  あの娘がくれたブルースよ

(浅川マキ あの娘がくれたブルース  より)

 

今夜はおしまい

今夜はおしまい

もう店じまい

たとえ汽笛が鳴っても 灯りを消そう

今夜はおしまい

もう店じまい

(浅川マキ 今夜はおしまい より)

こんな時も たまには

いつだってって

思っても

こんな時もある

こんな時がある。

休息それとも憧れ

あなたが予約された席です

指定席

いつでしょうか

 

海風の向こう側

予感

それは いい感じ

それとも

そして 足元を見る

夕凪の時

夕凪のとき

時を止める

じかん

 

今日の終止符

終わりの合図

今日が暮れる。

さー

まだ、残っている。

終止符の合図にこたえる。