とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

テレビ番組を立体的に見る実験

2007年05月25日 16時47分19秒 | わくわくプロジェクト

立体テレビはまだ実験段階だしテレビ放送もそれに対応していないので、お茶の間に登場するのはスーパーハイビジョンテレビよりまだ先になりそうだ。

だけど画面にうつる長澤まさみちゃん松嶋菜々子さんを立体で見れたら。。。というミーハーな発想で今回、テレビ放送を立体化してお見せする実験を行った。(ドラマなどの番組を公開すると著作権保護法違反になるのでコマーシャル映像を素材に使ったが。)

立体映像を見るためにはさまざまな方法があるが、僕自身昨年このようなステレオアダプターをビデオカメラに取り付けて「3Dビデオ:バーチャル日本ツアー」のページを作ったものだから、今回もこれと同じ「平行法」でいくことにした。物が立体に見えるのは左右の目でそれぞれ少しずつ違う映像を見ているからで、人間の脳がそれを立体に再構成しているからだ。平行法は目の前においた2枚の写真やビデオを別々に見て行う。

オリジナルのCM映像はこちらからダウンロードしてご覧いただける。(男性諸氏の期待を裏切ることなく水着女性が登場するCMも入れておいた。)1分20秒ほどのWindows Media Player用ファイル。(WMVファイル)

さて平面でしかないこの映像をどのように立体にするかであるが、アイデアとソフトをHIRAX.NETの「モーニング娘を立体にするのだ!」記事から借用させていただくことにした。(つまり僕オリジナルのアイデアではなく、今回はそのアイデアを検証してみようという試みだ。)平林氏のアイデアとは、動画の中の瞬間のある映像と次の瞬間の映像との差を視点からの距離の差と見立て左右の画像を構成するというものである。人間の脳はバカなので、左右の画像が視差(つまり距離)によるものだと錯覚して立体映像をつくってしまうわけだ。ということは、動きの少ない映像は立体映像になりにくい。そんなにうまいこといくものだろうかと半信半疑で実験をはじめた。

手順は以下のとおりだ。

先ほどのビデオ映像を「携帯動画変換君」を使ってMP4形式に変換する。ソース・ファイルにはWMVファイルでなく、TVキャプチャボードなどで取り込んだMPEGファイルでも構わない。

次に「QTConverter」を使ってMP4ファイルをAVI形式に変換する。この段階で実際に立体で見たい箇所を秒単位で切り出す。AVIファイルは圧縮されていないのでサイズがかなり大きくなるので注意が必要だ。1時間番組丸ごと変換すると5GB以上のファイルになる。

そして「モーニング娘を立体にするのだ!からダウンロードできるperspective.exeというフリーウェア(平林氏作)を使ってAVIファイルを左右2つの画像から構成する「立体AVIファイル」に変換する。この段階でAVIファイルのサイズは2倍になるので特に注意。

AVIファイルのままだと扱いにくいので「Windowsメディア・エンコーダー」を使ってWMVファイルに変換する。これで完成だ。

テレビの映像は1秒間に30コマを連続してうつしているために動いて見える。パラパラ漫画と同じ原理だ。平林氏のperspective.exeがどのように立体変換しているか画像分析を試みた。

まず、CM中で水着の女性が走り寄ってくるシーンの時間差分析。左の画像と右の画像の時間差は1/30秒である。画像にほとんど差がないように見えるが「AT-Image」というフリーウェアで画像間の差分をとってみると2つの画像の差がよくわかる。いわば1/30秒という微小時間で動画を微分したことになる。いちばん右の画像で黒い部分が微小時間に変化した(動いた)箇所である。動いているのは主に3人の走り寄る女性とその影、そしてパラソルの向こう側から走ってくる女性だ。

 

さて、これがどのように立体画像に変換されているだろうか。次の画像は同じシーンについて立体変換された左右の画像とその差分を示したものである。(差分画像は輝度反転させて見やすくした。)左右の画像は肉眼ではほとんど区別がつかないが、差分画像を見ると時間による微分と若干違うが立体化らしき変換が行われていることがわかる。

 

この効果が人間の目には実際にどのように見えるのだろう。最終的に変換された立体動画はこちらからダウンロードしてご覧いただきたい。立体に見えるかどうかは読者諸氏の判断にお任せする。

動画再生が始まったらWindows Media Playerの表示サイズを調整して、2つの絵が自分の両目の幅になるようにして再生する。「平行法」に慣れていない方はこのようなステレオ・ビュワー100円ショップで売っている老眼鏡(度のいちばん強いもの)を利用するとよい。

動画ファイルは僕の自宅サーバーに置いたものを参照しているので、たまにサーバーがダウンして再生できないことがある。そのときは10~20分ほど時間をおいてからお試しを。また、動画はマウスの右クリックを使っていったんパソコンのハードディスクに落としてから再生することをお勧めする。

最後になったがこのperspective.exeというソフトをフリーで公開されている平林氏に感謝を申し上げたい。

注意:立体動画の試聴は疲れるので、気分が悪くなったらすぐやめてください。

 

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