LP21『外国人共生&行政書士相談』クラブ

LP21グループの行政書士が中心となり活動している実務研修会です。

外国人の厚生年金脱退一時金制度

2017年10月05日 |  1.クラブ員情報
  〇 厚生年金の脱退一時金、帰国時の手続き

① 対象及び要件
  短期滞在の外国人を対象に、厚生年金の保険料の掛捨て防止のために厚生年金保険から支給され る一時金。厚生年金に6か月以上加入したことがあり、老齢年金等の受給資格期間を満たしていない外国人が、日本を出国後2年以内に日本年金機構に請求する。
② 脱退一時金の支給額
 脱退一時金=厚生年金保険の加入期間の平均報酬額 × 
       支給率{(保険料率×1/2)×被保険者期間に応じた数}
 <計算例>
  毎月の賃金20万円、賞与1回あたり40万円 年収320万円で日本で3年間働いて帰国した場合。
 (20万円×36か月+40万円×6回)÷36か月=266,666円(平均標準報酬額)

 266,666円 × 17.474%   ×  1/2 × 36  =  838,750円
       (厚生年金保険料率)     (係数)    (脱退一時金)
③ 社会保険協定
  外国人の母国と日本で「社会保障に二重に加入することを防ぎ、日本と相手国の年金加入期間を互いに通算することができるようにした制度。(社会保障協定を結んでいる国のみ H27.11現在 15か国)
  脱退一時金を受けると、社会保障協定に基づき、脱退一時金の計算の基礎となった期間(日本の会社で働いた期間)は年金加入期間として通算されなくなります。年金加入期間の通算が可能な国の人は、帰国後に①将来、加入期間を通算して年金として受け取るか、②脱退一時金を受け取るかを十分に比較判断することが大切。